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中学・高校受験:学びネット

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一宮女子高等学校

 
  教員の意識改革で生まれ変わった学校
 
学校改革を始めて3年。一宮女子高等学校は、今、全国で最も注目を浴びる女子校である。東北から九州まで視察の申し入れは数限りなく、TVやマスコミからの取材依頼も多い。その改革の中味は、教育と教員に対する根本的な考え方の改革である。
その結果、生徒の偏差値30は50を上回るようになり、改革後の翌年からどんどん入学者数は増え続けている。

校 長: 長野 雅弘
住 所: 〒491-0938 愛知県一宮市日光町6−1
電 話: 0586-45-2102
交 通: 名古屋駅よりJR9分・名鉄14分、JR尾張一宮駅・名鉄新一宮駅徒歩15分・専用バス5分
学生数: 688名 (2004.9.1現在)
ホームページ: http://www.ichinomiya.ac.jp

 

3年連続入学者増

長野校長が初めて教頭に就任してきた3年前、同校は低レベルの女子校として有名だった。人気がなく、入学者数も増える要因がなかった。
「初めて学校に来た日、生徒たちは暗く、教員たちは皆うつむいていたような気がします」。
しかし、長野校長はすぐに学校の進むべき道を示し、改革の号令をかけた。すると、翌
年平成13年には197名、その後225名、227名、268名と3年連続して入学者が増加した。
これは愛知県下の私学では同校のみ、全国レベルで見ても女子校としては稀なことである。
長野校長が示した方向とは、『様々な場や機会を提供することで、生徒が自分自身の生き方を豊かにでき、本来持っている力を引き出すことのできるような学校』にすることだった。
「教育の『教』は、teaching、『育』はcoachingです。teachingでは、知識ばかり教わるが、どう生きたらいいかはわからない。私は生徒たち各々の人生を豊かにするcoaching,つまり『育』に重点を置いた学校づくりを目指したのです」。
そして、生徒の人生を豊かにするには、「どう生きていけば幸せになれるのか」ということについて考えることが欠かせない。この問いに真剣に向き合うことができるかどうかは、教員が単に物事を覚え込ませる授業ではなく、豊かな人格が伝わる授業をすることしかない、という指針を大きく掲げたのである。
「授業や部活動などを通じ、生徒の心の琴線に少しでも触れることができたなら、きっと生徒の心は動きます。心が動けば、後はひとりでに伸びてゆくのです」と長野校長は力説する。

女性の時代の2階建て理論

女子校が競うように共学化を進めている中、同校は共学にはせず、女子教育への特化
を推進する。
それは現代は、女性の時代と言われ、現代世界のキーワード、「福祉・環境・平和・子ども」などがすべて女性的な言葉であり、女性の持つ智恵と力を必要とするためだ。
「21世紀は女性が時代を作り、歴史を築いていくと言っても過言ではないのに、なぜ共学化を進めるのかわからない。この時代に女子教育の特化を推進することは、哲学・倫理・論理など教育の不易の部分への特化と同じ意味だと思います」。
そして、女子ならではの教育として「2階建て理論」を実践している。まずは社会のルールや常識といった社会規範を基礎として体得させる。そして、その上に2階部分にあたる夢や希望を目標に置いた幸せの追求を行う。2階建てにしているのは、社会のルールや常識を無視した生き方をして被害を受けるのが圧倒的に女性であり、社会規範を身につけずに本当の自己実現はできないと考えるからである。
そしてその実践のためには、学校は信頼に足るものでなければならず、正義が貫かれ、信用できる教職員がおり、生徒が安心して通うことができる場所でなければならないと、全職員は努力を怠らない。

授業は教師の人間性を表現する場

同校で最も重点が置かれているものは、教員が人間性を高めることであり、それが伝わる授業である。
「人間性の豊かな指導者が豊かな広がりを持つ授業を展開する、これこそが私たちの授業のあるべき姿です。教員は自己研鑽し、生徒に伝えるにふさわしい人格を持っていなければならないし、自ら成長する姿を生徒に見せなければならないのです。そうでなければ生徒を磨くことなど絶対にできません」と長野校長は話す。
また、部活動や学校行事における指導も同様で、授業とともにこの3つのステージは、教員が生徒に人間性を見せる場だと考える。
今年、同校では10名の教員を採用し、教員すべての受け持ち授業時間を減らした。教員らに授業についてじっくり時間をかけて研究し、実践を重ねて良い授業を展開してもらうためだ。
「年齢は関係ありません。いかに自己研鑽し、たゆまぬ努力をして生徒らを輝かす縁の下の力持ちになれるか、を私は問いたい。成長する努力をしない教員は、辞めていただいてもいいと考えています」。
教員らに厳しい環境を与えた長野校長だが、自身も過去に授業に行き詰まり、予備校講師をさせてもらって勉強したり、様々な研修などに出席し、自己を磨き続けてきた。
  そんな校長が好きで、過去には、授業中いつも寝ていた生徒が、校長が教えた授業だけは高得点を取り、ついには優等生になったというエピソードもある。今も校長室には生徒たちが毎日いろいろな相談に訪れ、その数は1学期だけで、100名になるという。
「本来なら、担任のところに行って相談すべきなんですが、私の所に来る。担任はまだ力不足なのかなあ、そして彼らを育てる私自身の力不足なんだ、と思います。生徒を輝かすのは先生の仕事、先生方を輝かすのは、教頭・校長の仕事なのですから」。
  教育の不易な部分を追求し、生徒のために懸命に努力し続ける一宮女子高等学校。今後どのような学校になって行くのか、目が離せない。

 
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