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中学・高校受験:学びネット

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浜松海の星高等学校

 
  勁(つよ)く、優しい、自立した女性を育てる教育
ますます進化する「浜松海の星」に期待が集まる
昨年、元浜松市長の北脇保之氏を新理事長に迎え、「勁く、優しい、自立した女性を育てる教育」との目標を掲げて、さらなる改革を推進してきた浜松海の星高等学校。同校ならではの特色を強く打ち出し、学校一丸となって新規の取り組みも積極的に実施してきた。そのかいあって本年度の生徒募集では入学者数増加という結果を生んだ。今年度は新システムの導入も予定、生まれ変わりつつある浜松海の星高等学校のチャレンジに注目が集まっている。

理事長: 北脇 保之
校 長: 高橋 美智子
住 所: 〒432-8018 静岡県浜松市中区蜆塚3丁目14番1号
電 話: 053-454-5376
交 通: 遠鉄バスJR「浜松」駅バスターミナルのりばAから、系統番号8・鶴見富塚循環(広沢・医療センター)海の星高校下車、系統番号0・遠州浜蜆塚線(蜆塚・佐鳴台)蜆塚遺跡前下車
学生数: 430名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.uminohoshi-h.ed.jp

 

自校の特徴と利点を棚卸
教育方針の明確化を図る

 1956年設立されたカトリック系ミッションスクールの浜松海の星高等学校は、世界10ヵ国40数校の教育活動実績を持つスピノラ修道女会によって運営され、当初より「愛と奉仕の精神による真に自立した女性の育成」を教育目標に掲げ、人材を育ててきた。

 昨今の女子校を取り巻く状況が決して良いとは言えない中、共学化や中高一貫を打ち出す他校とは一線を画し、新たなる道を拓くために就任した北脇理事長。この一年の最も大きな取り組みが、教育目標を明確化し、今後のビジョンを確定したことだった。

 創立当初の教育目標を、時代性を踏まえた具体的な言葉「勁く、優しい、自立した女性を育てる教育」に置き換え、@リーダーシップを養う女子教育 A実社会で役立つ能力を育てる教育 Bしっかりした人格を形成する心の教育、の3つの柱を立てた。

 「3・11の震災より、大会社に就職すれば安泰という認識はすでに古いものになっています。不透明な時代に自分の人生を切り拓いていける力を持ち、周りの人を助け、そして共に良い社会を築き上げてゆく人材が求められています。

 そんな中で、リーダーシップはとても大切な要素です。政治家など特定の人物ではなく、場面によっては、すべての人に発揮する機会があります。特に家庭でリーダーシップをとるのは女性。企業でもプロジェクトでも、世の中のあらゆる場面で生かされます。女子校では、すべての仕切りを女子だけで行うため、リーダーシップを育てるには素晴らしい環境です。

 また、人格形成には宗教教育が役立ちます。それはまさにカトリック学校の強みです。神を思うことで、人の小ささに気付き、謙虚さを学ぶことができるのです」

 さらに理事長は具体的な5つの教育の特色を示した。@知力・学力の養成、A生きた英語の習得、B表現力の教育、Cリーダーシップの養成、D心の教育を強化。

 @例えば国公立大・難関私立をねらう少人数制の「特別進学コース」(定員30名)では、進学実績を伸ばすという明確な目標を掲げてはいるが、進学のための進学ではなく、世の中の難しい仕事に対応できるだけの学力を築くのが本来の目的だ。これがひいては実社会で役立つ学力をつけることにつながる。これは「総合進学コース」(同120名)で昨年より始まった看護・医療・栄養系プログラムにも言える。

 A英語教育においては、TOEIC全校受験の実施や長・短期留学制度、そして本年度よりコンピュータ学習システム「CALL」を取り入れることにより、実社会に役立つ英語を学ぶ機会を増やしていく。目指すは英語で考え、英語で答える「英語脳」の開発だ。

 B静岡県唯一、演劇を通して自己表現力を磨く「演劇コース」(同25名)では、劇表現やダンス、戯曲制作などの学びで表現力を磨く。また、静岡ナンバーワンの吹奏楽部や演劇部、ダンス部など表現系の部活が多く、これらで表現力を身に付けていくことが可能だ。社会に出てから役に立つコミュニケーション能力、自分の意思を伝える方法が磨かれる。

 CリーダーシップとD心の教育は、本来の教育目標にも掲げられているものだ。例えば一学期に一度行われる「黙想会」は、全員で神父様の話を聞き、互いに意見を出し合う。自分の捉え方や他者との違いを発見する大切な機会となっている。

昨年度からの改革が浸透
常に新たな一歩を
踏み出す準備を

 改革の一環として、昨年より開始されたPT(プレップタイム)。毎朝10分の朝学の時間が、勉強への集中力を高めている。今年4月で二度目の実施だったPG(プレップガイド)は、新入生対象のレクチャー。中学校で効率的な勉強方法を身に付けられなかった生徒たちに、学習の目的からノートの取り方までを細かく教えることにより、学習の土壌を整えるものだ。さらにQR(クイックレスポンス)では、廊下の随所にホワイトボードを設置、いつでもその場で生徒の質問に先生が答える試み。いずれも着実に定着してきた。特進コースでは、生徒約3人に1人のチューターがつく制度も開始。今年はより充実させ、ゆくゆくは全校生徒にチューターをつけていく。

 一方、部活動も盛んな同校では、今年度よりサッカー部がスタート。新入生は9人、在校生と合わせてチームが成立、早速インターハイに向けて練習に励んでいる。また、クリスマスには、演劇コースを中心に吹奏楽部、ダンス部、合唱部、聖歌隊、放送部、演劇部による音楽劇を浜松アクトシティで上演する。年に一度の祭典を楽しみにしている生徒たちも多い。

 部活動以外にも、社会奉仕を行う生徒主体の団体・末広会があり、学校創立当初から活動している。東日本大震災に対する支援の募金も行っている。

 「昨年から続けてきた試みは、かなり浸透してきたと言えます。在校生も教員も目の輝きが変わってきました」

 改革2年目を迎える今年は、教育と生徒指導の充実に力を入れるという。進学実績についても今が積み重ねの時期。国公立と難関私学を二本柱にして進めていく予定だ。特進コース以外でも指定校推薦枠が充実(150校の私大、100校の短大)、部活に力を注ぎながら進学できるのが大きな強みだ。勉強、部活、学校行事とバランスのとれた学生生活を送ってほしいと北脇理事長は語る。

 手入れと掃除の行き届いた、清潔な校内。日常での奉仕が最も端的に現われている校内は、生徒たちの豊かな未来を感じさせた。

 
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