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中学・高校受験:学びネット

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静岡学園中学校・高等学校

 
  時代の要請加味し「新教育理念」発表
創立以来「孝友三心」を校是とする静岡学園は、教育理念の具現化を実践する一方、時代と融合した新教育理念を掲げて、新たな一歩を踏み出した。今春、新キャンパスへの移転とともに、全国初の教養科学科を設置。独自カリキュラムも積極展開するなど、公立志向の強い静岡で私学ならではの存在感を見せている。

校 長: 石田 邦明
住 所: 〒420-0833 静岡市葵区東鷹匠町25番地
電 話: 054-200-0191
交 通: JR「静岡」駅から徒歩20分 または、しずてつジャストラインバス「静岡駅―横内町」6分乗車、バス停から徒歩4分、静岡鉄道「音羽町」徒歩8分
学生数: 中学校 150名
高等学校 985名 (2011.7.1現在)
ホームページ: http://www.shizugaku.ed.jp

 

校是を生かしつつ
さらに新教育理念

 親が子を想い、子が親を慕う親子の情愛にこそ人間教育の基本があると考えた創立者、牧野賢一が「孝友三心」を校是に、静岡学園高等学校を開校したのは1966年。当時、商業科を中心に普通科は1クラスのみで、実業高校の性格が強かった。その後、理数科の設置、中学校の開校を経て、中高一貫教育へ乗り出し、平成5年に商業科を廃止している。

 時代とともに学園は変遷したが、校是「孝友三心」は変わらず、その具体的取り組みは、今日の教育活動に生かされている。創立当時から続く「孝友会」は、保護者と生徒、教員でつくる会。日常の親子の関係について忌憚(きたん)なく話し合う場であり、校長が保護者にアドバイスを行うこともあるという、他に例を見ない会である。

 生徒が日誌を通じ、教員にさまざまな悩み、考え、疑問などを打ち明け、教員が助言を書きこむ「孝友日誌」も40年以上続く取り組みだ。生徒と教員間にも親子の情愛に倣う信頼関係を築くねらいが込められている。他にも会報誌「孝友」の発行、毎朝10分間行われる奉仕活動である「朝の十分奉仕活動」など、創立者の想いは具現化され、今に受け継がれているのである。

 その校是に今後も変わりはないが、一昨年校長に就任した石田邦明氏は、もうひとつの「新教育理念」を発表している。校是が創立者の視点で生まれたものなら、時代の視点を加味した教育理念の方向性を示す必要を感じての発表である。

 その第一に挙げられるのは、「自主、自律の精神」の尊重。石田校長は「自分の頭で考える」をよく口にする。専門が数学だけに、問題は解けさえすればよいのではなく、解法がエレガントでなければならないというのが持論。目的は同じでも、プロセスには独創性が必要ということだろう。

 第二に「共生の精神」の尊重をあげている。学園のパンフレット、ホームページに見られる、「キミに解決してほしい問題が、社会にはたくさんある」のキャッチこそが、地球規模の「共生の精神」を呼びかけている。時代が教育に求める理念のうち、最も渇望、期待される部分といえる。

 第三に、利他の心で社会に貢献する「真理と生命を尊ぶ精神」の尊重を、さらに第四には、課題に対して従来の方法にとらわれず、改革に挑もうとする「進取の精神」を挙げている。

 校是は不変である。だが、時代はより的を絞った教育の方向性を求めている。石田校長の「新教育理念」は、その要請に応えるメッセージだ。

新教育理念を
カリキュラムに

 高度に専門化が進む現代では、学際的協力ができる人材が求められている。そこで、分化された知識を統合させ、未来を拓くため、教養を科学する学科「教養科学科」を全国で初めて誕生させた。

 特色ある科目として、これまでのヨーロッパ中心史観から脱却し、幅広い視点から歴史を学ぶ「グローバルヒストリー」をはじめ、言葉(国語)と数学のもつ論理性を複合して学び、より確かな論理的思考力と表現力を養う「ロジカルリーディング」が注目される。高1年次は教養科学科の中に将来、難関国公立大学および国公立の医歯薬系学部に進学希望の一般入学生と中高一貫生による「探究系」を設置し、高2以降、進路選択により、探究系は探究文系・探究理系に、その他4つの系統を合わせ、6つの系統に分化される。

 加えて、知的好奇心旺盛な人材をつくる目的で始まった「シズガク・ゴールデンタイム」通称、SGTにも注目したい。放課後の7〜9時限目は、生徒の興味ある分野を自由に選択受講する形で、驚きと感動の学びの場を実現している。「住宅購入のため、銀行にお金を借りに来た人に、あなたが融資担当なら、どんな質問をしますか」。これは地元銀行の協力で実現した授業での一コマ。教科補習や受験演習ではない学ぶ意欲を引き出す放課後講座で、生徒の目は輝きだしている。

新キャンパスにも息づく
学ぶ者への想い

 この春、静岡市葵区東鷹匠町に移転したキャンパスで目を引くのが、正門広場につながる大階段とエントランス。生徒の出入り口として利用されているが、今後、このエントランスに石田校長の「人格という土台の上に真の教養を創造したい者はこの門から入れ」という言葉が掲げられる。教育理念がカリキュラムのみならず、校舎やキャンパスの随所に息づくことになりそうだ。

 また、東京大学の小石川植物園から提供された「ニュートンのリンゴの木」、「メンデルの葡萄の木」、「平瀬作五郎のイチョウの木」の3本の知恵の木も植樹予定。その梢にまで豊かな葉が茂る時、新教育理念を具現化したカリキュラムもまた成長し、大きく展開していることだろう。

 
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