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中学・高校受験:学びネット

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藤ノ花女子高等学校

 
  併設大学へ進学希望者増え 卒業時就職内定率も100%
 
1902年に豊橋裁縫女学校として創立された藤ノ花女子高等学校は、現在も普通科教育、実学教育の両面から人材育成にあたっている。「誠をもって勤倹譲を行え」を校訓に、礼儀作法を中心とした「教養」を授業で実践。学問と人格のバランスのとれた全人教育を目指す。近年、看護、幼児教育などの専門職でほぼ100%の就職率を誇る併設大学、豊橋創造大学と同短期大学部への進学を希望する生徒が増え、注目される。不況に強い伝統校を取材した。

校 長: 藤 邦彦
住 所: 〒440-0053 愛知県豊橋市老松町109
電 話: 0532-61-5468
交 通: JR「豊橋」駅から市電乗車「東田坂上」電停より徒歩3分
学生数: 1,032名 (2009.7.1現在)
ホームページ: http://www.fujinohana-h.ed.jp

 

古き良きもの実践が生む信頼

 豊橋市を中心に、豊川市、新城市、蒲郡市、田原市、西遠、岡崎の各地区と広範な地域から通学する生徒が多い藤ノ花女子高等学校は、JR豊橋駅から市電で約15分の立地にある。豊橋裁縫女学校として創立され、今年107年目を迎える歴史ある女子校だ。卒業生の中には四代続けて藤ノ花で学んだ“世代超えリピーター”もいて、愛知県下では「老舗」といえる。

 永く歴史を重ねてこられた要因は、古き良きものを残しつつ、一方で時代の要請に応えてきたという点に尽きるだろう。学科やコースの新設、新たな取り組みを模索することはもちろん、学校法人藤ノ花学園として大学、同短期大学部を設立し、専門職教育を充実させてきた点は大きい。

 山崎宏人副校長に、古き良きものを守る実践と現在の各学科の取り組みを聞いた。「守ってきているものといえば、『誠をもって勤倹譲を行え』という校訓です。誠実な心で率先して骨を折り、おこないを謹んで、人にゆずり与える人であれというような意味になります」。

 これを授業で実践したのが、週1時間組み込まれた「教養」の時間である。礼儀作法を中心にテーブルマナー、電話応対、応接の方法から冠婚葬祭のマナーまで、社会人としての心得を身に付けていく。3年間の「教養」の授業を一通り終えた生徒は、就職先での評判も良く、同校の高い就職率に結びつく一要因だろう。地元企業からの信頼は厚く、「毎年卒業生の内定率は100%」だという。

幅広く学んで幅広い進路を

 学科を見てみると、幅広く学べるよう普通科、食物科、生活情報科の3学科が設けられている。

 普通科は、国公立大学または難関私大を目指す「特進」と、大学、短大、専門学校への進学を目指す「普通」の2コースがある。

 「特進」は少人数制クラス(1クラス)できめ細かな学習指導が特徴で、センター試験対策を中心に月、火、水曜日に7時間授業を実施する。だが、勉強一辺倒というわけではなく、「茶華道」や「教養」の授業を取り入れているところに、藤ノ花カラーが見られる。クラブ入部率も高く、バランスのとれた学校生活という印象を受ける。

 「普通」コースは、通常の授業に英会話や情報、福祉、食物系科目などの選択科目を取り入れ、幅広い進路に対応するカリキュラムが組まれている。昨年の入試では、普通科を受験する生徒が増え、例年に比べ、1クラス増となった。入学者にアンケートを取ったところ、併設の豊橋創造大学の理学療法学科、看護学科、また、同短期大学部の幼児教育・保育科への進学を希望する生徒が多いことがわかった。というのも、それら専門職を育成する学科の就職率は高く、とりわけ幼児教育・保育科では9年連続ほぼ100%の就職率を維持している点が人気を集めている。

 次に、「食物科」は栄養士、管理栄養士の資格取得を目指し、大学へ進学する道もあって、卒業時に調理師免許を取得できることや、調理師やパティシエを目指す生徒に根強い人気がある。日本、西洋、中国料理と菓子づくりの実習が豊富で、地元人気料理店のプロのシェフを招いた特別実習は、生徒のモチベーションを刺激する授業となっている。

 「生活情報科」は、家庭科学習に加え、情報教育と福祉分野の学習を兼ね、在学中の資格取得者が最も多い学科だ。その内訳は情報処理、ワープロ、ペン字、英検、色彩検、硬筆、書写など多岐にわたり、それにより進学、就職先も多方面にわたっているのが特徴といえる。

授業料を抑え選ばれる私学

 女子校の人気が低迷する中、1,000人を超える生徒が通う同校は、「安心して通える私立」として授業料を月額34,000円と抑えている。これに愛知県の授業料助成金、さらに豊橋市などの市町村の助成金を活用すれば(ともに段階的所得基準あり)、保護者が負担する実費授業料と公立高校の授業料との差は、さらに縮小する。

 設備費や冷暖房費用も不要で、制服の価格も公立高校並。コートやカバンの指定もなく、中学校時代のカバンもそのまま使うことができるなど、保護者負担を考慮して極力抑えている。「誠をもって勤倹譲を行え」の校訓は経営理念としても生かされ、学びやすい環境を提供している。

さらに専門的な学びを
大学と短大がサポート

 藤ノ花女子高での教育は、それ自体価値があるが、さらに専門的に学びたい生徒にとって、豊橋創造大学、同短期大学部へ有利な条件で進学できることはメリットだろう。

 まず大学では、幅広い情報領域をカバーして学べる情報ビジネス学部・キャリアデザイン学科、理学療法士を育成する保健医療学部・理学療法学科、高度知識と技術を持った看護師を育成する同学部・看護学科がある。どの学科も時代のニーズを受け、設置されたものだが、とりわけ今年4月に新設された看護学科は、地元医師会からの強い要請を受けたもの。需要が増え続ける医療現場での活躍を目指す生徒の注目を集めている。

 また同短期大学部は、先述したように圧倒的な就職率で、幼児教育・保育科の人気が高い。これは同科出身の教諭、保育士が就職先で厚い信頼を得ているということであろう。ほかに、乳幼児から高齢者までを対象とした介護福祉職の育成を行う専攻科福祉専攻や、調理師、フードコーディネーター、ホームヘルパーなどの資格を複合的に取得できるユニークなキャリアプランニング科がある。

 これら大学・短期大学部への進学は、高校3年間で一定以上の成績を修めた生徒は、どの学科からも姉妹校特別推薦制度が設けられ、有利に進学でき、入学金は半額減免される。

 
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