日本、そして世界の福祉を変える
中部学院大学の関キャンパスは、自然豊かな丘陵地帯に広がる。正門からの道路沿いには紅葉した木々が立ち並び、校舎の白い建物群と美しいコントラストを見せている。キャンパスに一歩足を踏み入れると、まず目に付くのが、コンビニのある真新しい建物だ。これは、昨年10月に竣工したばかりのコミュニケーションホール。建物内には、食堂やカフェテリア、同窓会室などがあり、学生だけでなく、地域の人々も利用できる交流の場となっている。大学創立10周年・短期大学創立40周年の記念事業の一環として建設された。
同大学は当初短期大学としてスタートしたが、１９９７年に「日本の、そして世界の福祉を変える専門家を育てたい」という思いを実現するために大学を開学した。現在、関キャンパスでは、大学の「人間福祉学部」と「リハビリテーション学部」、短大の「幼児教育学科」「社会福祉学科」「専攻科」、さらに「大学院」の学生が学んでいる。
「人間福祉学部」は、社会の福祉問題に対応できる人材を育成している。「人間福祉学科」と「健康福祉学科」に分かれ、「人間福祉学科」は福祉の現場で求められる専門性と人間性を磨くとともに、社会福祉専門職に必要な知識と技術を修得する。「対人援助」「福祉政策」「福祉教育」の３コースを設けている。
一方「健康福祉学科」では、多様化・高度専門化する、新しい健康福祉の時代に活躍できる人材を育成する。コースには「健康心理」「介護支援」「健康福祉マネジメント」がある。
また、人間福祉学部には音楽療法士を育成する「音楽療法課程」や、働きながら学べる「通信教育部」も用意されている。
県内初、４年制大学で理学療法士養成
「リハビリテーション学部」・「理学療法学科」は、４年制大学としては県内初の理学療法士養成校として、２００７年に開設された。教授陣には医療・スポーツ・福祉など、各分野のエキスパートを揃え、高度な技術と専門的な知識を備えた実践に強い理学療法士を育成する。
一般に理学療法士養成校では、スポーツ領域の講義が十分とは言えない。しかしここでは、治療学や治療学実習といったスポーツ障害系の授業の他に、体表解剖学・筋力トレーニング論など、スポーツ領域に役立つ講義も行われるのが特徴。教授陣の中には、元中日ドラゴンズメディカルコーチもおり、ハイレベルな実践的知識と技術を学ぶことができる。
入試広報課の藤井聖晶さんは、「骨の仕組みや筋肉のつき方からじっくり学べます」と話す。実際に基礎医学教室では、学生たちがペーパークラフトで、等身大の人体骨格模型や筋肉解剖模型を組み立てていた。
健康・スポーツコースに中学校・高等学校教諭
Ⅰ種免許(保健体育)教職課程
新年度からは「人間福祉学部・健康福祉学科」に新しく「健康・スポーツコース」を開設する。このコースは、教育・福祉・医療・保健をつなぐ新分野として、学校体育、子どもの体力向上、子どもの健全育成、子育て支援はもちろん、地域の人々の健やかな生活を支え、中高齢者の健康維持・増進や介護予防からスポーツ現場における選手までを指導できる人材の養成を目指す。取得できる資格には、中学校・高等学校教諭Ⅰ種免許(保健体育)〔申請中〕や社会福祉士の国家試験受験資格、健康運動指導士、さらにスポーツプログラマーなどの日本体育協会公認資格、障害者スポーツ指導員が予定されている。
中でも、保健体育教諭の免許を取得できるのは、体育会系の学生にとって、大きな魅力だろう。同大学では、高等学校教諭Ⅰ種免許(公民、福祉)及び中学教諭Ⅰ種免許(社会)の教職課程はすでに設けられているが、「保健体育」は初めての設置である。
この教職課程は、質の高い「福祉マインド」や「対人援助技術」などの得意分野を持つ教員を養成するだけでなく、時代が要請する人材を育成する目的もある。すなわち、子どもの人権と「教育」にかかわる深い造詣をもち、「社会福祉」や「保健・医療」の関連領域に広がりを持つ高い専門的知識、技能と文化性、コミュニケーション能力を持った専門家である。こうした人材はいま、行政や民間企業を含め、あらゆる方面で求められ始めているからだ。したがって、新コース開設は同大学の「社会貢献機能」の幅を広げるものでもある。
|
 |
就職率も国家試験合格者数も
全国トップクラス
各務原キャンパスは名鉄「各務原市役所前」駅から徒歩５分。緑あふれる「学びの森」公園に隣接している。キャンパスの横を流れる新境川の両岸には桜並木が続き、春には満開の桜が川面を彩る。四季折々の美しい自然に囲まれた潤いのある学びのスペースだ。ここには、２００７年開設の「子ども学部・子ども学科」と２００８年開設の「経営学部・経営学科」がある。
開設以来人気の「子ども学部」は、子どもの保育・教育だけでなく、親子の目線に立ったかかわりや、心のケアと特別なニーズを持つ子どもやその親への支援のできる保育士や教師を養成。そのために「子ども発達支援コース」と「教育・保育支援コース」の異なる２コースが設置されている。
「経営学部」は、「まちづくりのリーダー『地域人』の育成」を教育目標に掲げ、各分野におけるスペシャリストを養成する「起業・事業継承者育成」「金融スペシャリスト」「マーケティング・流通」「公共マネジメント」のコースを設置している。
中でも、公認会計士や税理士を目指す学生たちは、学部開設２年目にして、「全国大学対抗簿記大会」において、個人戦、団体戦１級の部で優勝。二連覇を成し遂げた。
中部学院大学が誇る特色として、国家試験対策と就職サポートがある。「人間福祉学部」以外の学部はまだ卒業生を出していないため未知数だが、２００８年３月卒の学生の就職率は94.8％。「読売ウイークリー」の就職ランキングにおいて、全国17位(県内第１位)に掲載された。また、社会福祉士や精神保健福祉士など、国家試験合格者数も全国トップクラスの実績だ。これは入学時より、個人面談や保護者懇談会を実施して、学生の意識を高めるとともに、キャリア支援センターと各学科が連携し、試験対策講座や模試など、サポート体制を強化しているからに他ならない。
今年はさらに、携帯電話を利用した社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験対策のｅラーニングシステムを開始。いつでもどこでも繰り返し学習できるようになった。
中部学院大学は、福祉の心と高い専門性を併せ持つスペシャリストを育てる環境を整え、志ある学生を待っている。
【関キャンパス】
住所：〒501-3993 岐阜県関市桐ヶ丘2-1
電話：0575-24-2211(代)
交通：「三柿野」駅から岐阜バス「関商工前」下車。「岐阜」「美濃太田」「那加」「多治見」「池田・三田洞」「犬山」各方面から無料スクールバス
【各務原キャンパス】
住所：〒504-0837 岐阜県各務原市那加甥田町30-1
電話：058-375-3600(代)
交通：名鉄「各務原市役所前」駅から公園内を通って徒歩５分。JR「那加」駅から徒歩10分
|
|
