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中学・高校受験:学びネット

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一宮女子高等学校

 
  ‘08年、新たな歩みへ一宮女子高等学校が修文女子高等学校に改称
「どう生きていけば幸せになれるのか」という哲学を、生徒と教師が共有することで、いわば心的な学校改革に成功を収めた一宮女子高等学校。来年4月からは修文女子高等学校と改称、系列大学との連携を強化する方向で、進路保証が充実すると見られる。全国的にもめずらしい、普通科と3つの専門学科を有する女子高の改革は、この数年の間に、女子の生き方に特化した提案で、第2ステージのさらなる改革へと歩みを進めている。

校 長: 内田 憙男
住 所: 〒491-0938 愛知県一宮市日光町6-1
電 話: 0586-45-2102
交 通: JR「尾張一宮」駅、名鉄「名鉄一宮」駅から徒歩15分 専用バスあり
学生数: 716名 (2007.9.1現在)
ホームページ: http://www.ichinomiya.ac.jp

 

修文大学(仮称)開学で出口保証がより充実

さまざまな改革に挑戦する数多くの学校の中で、一宮女子高等学校はここ数年、生徒と教師の内面を問い直す、いわば哲学による学校改革を行ってきた。改革目標はリベラルアーツの理念を持った女子高であり、バランスの取れた発達を促すことのできる学校である。高等学校である以上、進学実績を上げる使命は当然ながら持っているが、そのために多感な時期に吸収すべき生きるための基礎力をおざなりにするわけにはいかない。この考え方に基づく全人教育の実践が、結果として進学実績を伸ばしたことは、改革の手法に誤りが無かった証明であろう。

四年制大学の合格者数は、数年前に比べ、3倍以上の伸びを示しており、普通科のみならず、商業科(2007年度入学生より情報会計科と改称)、家政科、食物調理科でも進学者数は伸びている。さらに来春は、同校の系列の大学として修文大学(仮称)が開学、健康栄養学部・管理栄養学科が設けられること(認可申請中)から、新たな出口保証が期待されている。大学開学にあわせ、同校も修文女子高等学校と改称し、新たなスタートを切る。

「修文」には、学芸を修め、礼儀をととのえるという意味があるが、同校で広報課長を務める野田紘秀教諭によると「中国古典からくる言葉で、平成の元号が決められた際、いくつかの候補に挙がった中に『修文』があった」という重みのある言葉でもある。

同大学は男女共学で、将来的には学部を増やす考えもある。11月に認可される予定で、その時点で改めて募集要項を公表する。野田広報課長は「普通科と3つの専門学科をもっている女子高は全国的にめずらしい。普通科はもちろん、専門学科からでもその知識を大学でさらに深く探究できるように、女子に特化した出口保証に専念してきた。今回の修文大学(仮称)開学はその結果の一つ」と話す。

哲学教育と論理力養成に見られる
オリジナルカラー

先に内面的な学校改革と書いたが、その土台を作り出すための取り組みが、「哲学」の導入であった。授業としては総合的学習の時間に、「どう生きていけば幸せになれるのか」を追究するためのプログラムが実践されてきた。哲学授業は1〜3年生までの各学年で10時間ずつ行われ、「自分とは誰か」「心はどこにあるか」「理想と現実」「品格と名誉」「自由」「人生の意味」等々、各テーマについて考え、討論することで、答えを出せないまでも、常に自分自身に問い続ける姿勢を身につける学習法である。

この学習法により、日常のあらゆる場面において、自身に問いかけ、反すうすることによって、生徒たちは確実に自己を見つめ、そして知り、幸せになるための一歩(生き方)を積み上げていく。教科学習、学校行事、部活動、友達との付き合いといった生活全般に及ぶ体験すべてが、積み上げるべき一歩一歩であると生徒が感じる時、リベラルアーツ教育の実践がなされたといえるだろう。自分自身を成長させていく哲学を、学校改革に取り入れ、成功した例はめずらしいのではないだろうか。

同様に、教師陣にも、「どう生きていけば〜」の命題を生徒や同僚と共有することによって、互いに学びあう空気が生まれている。公開授業、オリジナル教材の作成や研修といった一歩一歩を積み重ね、自信を得て、生徒と向かいあっている。

さて、同校の特色として今ひとつ特筆すべきは、国語の授業で「論理力養成システム」を導入している点である。出口汪氏の「論理エンジン」といえば、聞き覚えのある塾関係者も多いだろう。筋道を立てて考え、理解し、さらに表現力を養う教材で、到達レベルに応じ、国語力、言語能力を鍛えられるように構成されている。野田広報課長は「単に国語の授業としてだけでなく、道理より感情で行動しがちな女子にとって、論理的判断を習慣づける意味では、社会に出てからも役立つ」と、システムの意義を強調する。

こうした哲学教育と論理力養成は、生徒たちが自立をするために、避けて通ることのできない教育の不易の部分であり、時代やその時々のニーズが変わろうと、同校が今後とも守り、実践していく取り組みである。

楽しくなければ…
そのスピリットが生きる授業

「楽しくなければ学校じゃない!面白くなければ授業じゃない!」をキャッチフレーズに、学校をつくりかえてきた同校だが、各学科の授業でもオリジナルカラーを出している。野田広報課長は「普通科では、他校のように最初から学力によってクラス分けを行うのではなく、主要教科の科目ごとに生徒個々のレベルに応じて、基礎からセンター試験対応までの習熟度別授業を展開しています」という。

今後は、修文大学へスムースに進学できるよう、新たなカリキュラムも検討中で、必ずしも普通科からだけでなく、どの学科からも進学できるよう体制を整えていく。

生徒の学力を伸ばすシステムとして、同校の名物といえば、一風変わった「補習部」がある。10名以上の教師陣が補習部専属顧問として、毎日75分授業を2コマ、午後7時ごろまで指導に当たっている。部活方式のため、土曜はもちろん、3年生の夏休みには、午前9時〜午後5時まで、みっちり“活動”するという。こうした生徒を伸ばすための仕組みが、ここ数年間で根付いてきたことが、四年制大学の進学率を上げている要因といえるだろう。

なお、「普通科」では、特待生制度として学業成績により受験料や入学金、授業料の全額または半額を免除、また、一般入試でも、優待生制度として受験料や入学一時金を免除するなどの優遇措置がとられている。

他の専門3学科の特色を見てみると、今年度よりこれまで商業科としてきた専門学科を「情報会計科」に改称。資格・検定取得を活かし、就職だけでなく進学にも強い学科としてカリキュラムを再編成。3年生の課題研究では、「トータルビジネス」、「ウェブデザイン」、「オフィス秘書」の3つのコースに分かれ、生徒の興味を引く魅力ある授業で資格取得に挑戦している。ワープロ検定をはじめ、情報処理検定、簿記検定などの合格実績は高い。

ファッションに高い関心を示す生徒が多く在籍する「家政科」では、自作のドレスでファッションショーを開催。3年生ではウエディングドレス製作も手がけるなど、クリエイティヴィティの魅力を味わいながら、将来の進路を形づくっていく。デザイナーやスタイリストといったファッション関係の仕事をめざす生徒の期待に応えている。

卒業と同時に調理師の免許が取得できる「食物調理科」では、地元の名のあるオーナーシェフから指導も受けられるという。プロの料理人として必要な法的知識や衛生学にも踏み込んだ学習内容で、将来、管理栄養士や家庭科の教師をめざす生徒も少なくない。

女子高で普通科と3つの専門学科を有していること自体めずらしいが、各学科での授業にオリジナリティを発揮しているところに「楽しくなければ…面白くなければ…」の精神が活かされている。

 

 
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