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中学・高校受験:学びネット

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大成中学・高等学校

 
  中高一貫で国公立合格率60% 3年コースの健闘にも注目 少人数指導の強みを発揮
 
国公立大への合格率を急速に伸ばしているとして、一般雑誌にも取り上げられた大成中学・高等学校。直近の入試では、中高一貫6年コースの全員が国公立を受験、60%以上の生徒が合格を手にした。高等学校からの3年コースも国公立大合格者を徐々に増やしており、注目を集めている。校長自ら「入るときは地区私学3番手の学校」と言ってはばからない。入学後、大きく伸ばす自信があってこその言葉だ。

校 長: 足立 誠
住 所: 〒491-0814 愛知県一宮市千秋町小山字大福田1878-2
電 話: 中学校 0586-81-1118
高校 0586-77-9900
交 通: 名鉄犬山線「岩倉」駅より名鉄バス「元小山」停留所降車、徒歩5分・名鉄本線「名鉄一宮」駅より名鉄バス「浅野羽根」停留所降車、徒歩5分
学生数: 中学校  539名
高等学校 544名 (2006.9.1現在)
ホームページ: 中学校 http://www.tcp-ip.or.jp/~taisei/
高校 http://www.taisei-hi.ed.jp/

 

少人数制ならではのきめの細かい指導

大成高等学校は1988年創立。第1期生卒業の年は、国公立大への合格者数は6名であった。その後、1992年に中学校が開校したこともあって、合格者数を着実に増やしてきた。ここ2〜3年の国公立大合格者は50名以上で推移、安定性を見せている。直近の2006年入試では62名を数え、うち現役合格者数は54名である。

卒業生265名という数字から見ても、54名の現役合格者数は注目に値する。私立大学でも早稲田、慶応をはじめ、合格者延べ人数は548名となっている。特に、中高一貫の「ステューディアコース(共学)」では51名の生徒全員が国公立大を受験し、31名が合格。その合格率は実に60・8%だ。

敢えて特筆すべきは「ステューディアコース」の生徒の入学時点における学力についてである。足立誠校長の言葉を借りれば「地区の私立の中高一貫校では3番手の学校」とのこと。決してトップクラスの成績の生徒で占められているわけではない。6年間で大きく伸びる要因について聞いた。

第一に、少人数制によるきめの細かい学習指導が挙げられる。「ステューディアコース」は1クラスが30名前後の構成で、1学年2クラス編成。それに対し、指導に当たる教員数は27〜28名という。公立校とは無論比較にならないが、私立校でも多い方だろう。十分な教員数の確保が学習の習熟度を上げ、深く掘り下げた授業を展開させている。

具体的には一週間ごとに国・英・数の主要3教科において「確認テスト」を実施し、弱点を見つけ出す。「弱点とは、生徒にとっての弱点であると同時に、教える側の弱点でもあるわけです」と、足立校長は「確認テスト」が、教員の自省を促す目的も兼ねていることを説明する。このテストで到達度が低い場合は補習、補充授業が行われ、苦手意識を翌週に持ち越すことはない。

加えて、定期テスト前には「弱点教科ゼミ」を夜8時頃まで実施する。このゼミが人気を集めている理由は、出席すれば、テストの出題傾向がわかるからだ。「校内テストの目的は深く勉強させる点にあります。落とすためのテストではありませんから、『こういう問題をしっかりマスターしておくように』と言えば、生徒は重点的に演習するわけです」。ゼミは単元ごとの学習ポイントを効率的に習得させる役割を担っている。

豊かな人格が学力を伸ばす

生活指導面から見ても教員は頻繁に生徒に語りかけ、一人ひとりの生徒の状況把握に余念がない。人間関係をスムースに運べなかったり、家庭に複雑な問題を抱えていたりと、人格形成に影響を及ぼしそうなケースでは、教員は常に生徒に寄り添う。気にかけ、声をかけ、悩みを共有しながら、学習や部活に身が入るよう導いていく。問題を抱える生徒には、担任だけでなく校内の共通理解のもとに指導する態勢が整っている。

足立校長は「学習面だけでなく、精神的手当てができなければ、豊かな人格を育むことはできません。人格がしっかりした生徒は学力も自ずと上がっていきます。その代わり、学習面も生活面も指導は厳しいですよ」と語る。「すべての受験生に合う学校だとはいいません。ただし、大成で得るものは必ずあります。それを手にしたい人は、ぜひ来てください」とも。

一昨年の入試で東京大学に現役で合格した生徒は、高等学校から入学してきた3年コースの生徒だった。中学時代の内申点は5段階評価の5教科で平均4未満。“トップクラス”とはいい難い成績だったが、3年間で飛躍的に伸びた。教科担当と生徒の密着度が高く、信頼関係が早い段階で深まったことを物語っている。

難関大学を志望する生徒も、勉強だけに力を注いでいるわけではない。地域の清掃活動や豪雪地域でのボランティア活動など、広い意味での学習が年間を通して取り入れられ、生徒の人間的成長を支えている。

高校からの入学組のうち、難関大学を目指す生徒は「ラトナディアコース(共学)」に籍を置くが、入学試験での得点に応じ「ステューディア」に編入する生徒も一部いる。また、このコースには地元の県立や私立のトップ校など、第1志望への進学が叶わず、落胆したまま入学してくる生徒もいないわけではない。だが、大成の一人ひとりに向き合う指導が、生徒を早期に立ち直らせ、新たな可能性に向かわせている。

それに一役買っているのが学習合宿だ。「ラトナディア」の生徒は入学後まもなく2泊3日の合宿に参加する。その日程はほとんど1日中が勉強時間で占められるという厳しいもの。しかも講義を受身で聞くことはなく、自分自身で各教科の演習に取り組み、自ら課題を見つけ出し解決していくのである。

この合宿で生徒は、『自学自修(自ら学び、自らのものとする)』という大成がモットーとする学習方法を身につけていく。また、仲間と寝食をともにしながら仲間意識を育み、高校入試で挫折感を味わった生徒も互いに打ち解け、大学入試へ向けた新たなスタートを切れるのである。

普通進学コースからも国公立大へ

高校から入学する生徒のうち、基礎学力の充実を図りながら4年制大学への現役合格を目指すコースが「普通進学コース(男子のみ)」である。多くの生徒が部活動との両立を図りながら、2006年入試では国公立大へ6名の合格者を出し、4年制大学への現役進学率は80%となっている。

同校は全国でも1、2を争うほど柔道部の活躍はめざましいが、「普通進学」には柔道部員の特待生も少なからず籍を置いている。ただし、柔道の実力が十分であっても、入学試験に合格することが、大成柔道部に入部する条件であることは言うまでもない。腕に覚えのある北海道から沖縄までの中学生が大成高校に集い、広い柔道場で日々汗を流している(遠方からの生徒には寮完備)。取材当日も柔道部の練習が行われていたが、どの部員も見るからに強そうで、かつ礼儀正しく、気持ちの良い挨拶をする生徒たちであった。これまで数々のオリンピックメダリストが指導に訪れたこともあるという柔道部の人気は高い。

「ステューディア」「ラトナディア」「普通進学」は、入学時期や生徒の特性によって分けられたものだが、どのコースからも国公立大へ合格者を出し、生徒は皆、熱心な教員に成長を見守られ、充実した日々を送っている。

地元は公立志向が強い地域ながら、現役合格実績で私立学校を選択する風潮は徐々に高まりつつある。ほかにも整った設備、個に応じた手厚い指導など総合的に判断した結果、保護者のコスト意識に変化が生じているようだ。同校では随時、学校見学を受け付けている。「いつでも、ありのままの大成をご覧いただけます」と、“開かれた学校”をアピールする足立校長の横顔に自信がのぞく。

 
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