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中学・高校受験:学びネット

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桐陽高等学校

 
  面倒見の良さで国公立大学への入学率はほぼ100%
 目的別コースを設定し、生徒一人ひとりの個性を伸ばす教育で定評のある桐陽高等学校。一昨年、昨年と進学率は右肩上がりで地域の期待を背負ってきたが、今年度さらにその結果を更新。国公立大学合格を掲げる「英数進学コース」では、国公立大学合格率ほぼ100%となった。スチューデント・ファーストを謳い、生徒と徹底的に向き合う先生方の姿勢が生徒のモチベーションを高めている。合格率としては一区切りついた現在、今後の方針について松本募集広報課長に話を聞いた。

校 長: 飯田 瑞穂
住 所: 〒410-0055 静岡県沼津市高島本町8番52号
電 話: 055-921-0350
交 通: JR東海道線・JR御殿場線
「沼津」駅より徒歩12分
生徒数: 978名
URL: http://www.toyo-numazu.ac.jp

 

 

26名の生徒のうち25名が現役で国公立合格
各コースの進学率も上がり、注目度アップ

 この春、国公立受験を目指す「英数進学コース」の3期生が巣立って行った。クラス26名中25名が国公立に現役合格。静岡大学、静岡県立大学など、地元の国公立大学に進学した生徒が多数だった。ひとりは合格するも、より上の医学部を目指して浪人中のため合格率はほぼ100%。今後コース自体の人数を増やす予定はなく、よりレベルの高い国公立を狙えるよう勉強内容の充実を図るという。また難関私大合格者も昨年の27名から40名と右肩上がり。「学校全体として、着実に力をつけてきています」と松本募集広報課長。

 桐陽の学びのコースは「英数進学」、「特別進学」、「普通」の『INTELLIGENT』3コースと、留学を組み込んだ「留学進学」、「国際進学」の『INTERNSTIONAL』2コースだ。

 部活と勉強を充実させたい生徒のための特別進学コースは、ここ2年でクラス数が通常3クラスから5クラスに増加。普通コースは高校として必要な学び、行事を充実させながら各生徒に合った大学、短大、専門学校に行くコースではあるが、こちらも4大への進学率が伸びている。

 また今年は国際進学コースから、卒業生では3人目のアナウンサーが出た。偶然ではなく、留学を通じて高いコミュニケーション能力が培われていると実感したという。「20数年このコースをやってきて、時代の方が追いついてきたようです。4技能の必要性を20年前から考えて設立したコース。今後の入試改革でも有利になる可能性が高いでしょう(松本先生)。」

 職員室もコースごとに教師の座席配置を決めており、先生方がコースの取り組みを顔を突き合わせながら相談し情報交換しているという。

毎年文化祭に向けてアルミ缶を集め巨大アートを作製。のち缶は換金、東日本大震災復興活動資金に

特別進学コースでの取り組み「Nタイム」。新聞を活用し、論理的思考力と見識を養う

徹底したスチューデント・ファースト
口コミでPTA学校見学会も一気に増加

飯田 瑞穂 校長

 桐陽高校の特徴として真っ先にあげられる「面倒見の良さ」。教師たちが「自分の学校、自分の生徒」という意識が非常に強いためだという。私立は教師の異動がないため、学校の未来とその発展を自然に考えるという。生徒や保護者とも一生の付き合いだ。静岡県は今なお公立高校が優位であり、少子化も現実味を帯び生徒数が減少する中、「来てくれた生徒たちを満足させてあげたい!」という強い思いでここ何年も奮闘してきたという。

 「何か新しい事をする前に、今までしてきた事を忘れないようにしたいという気持ちがあります。生徒が集まらなかった時代に、来てくれた生徒に一生懸命手をかけ、それが保護者の感謝の気持ちとともに口コミで広がり、やっと大勢の生徒に関心を持ってもらえるようになりました。結果にあぐらをかいてしまえば、人はすぐに離れていきます。職員も世代交代を経て、当時を知らない人が増えています。本校に来てくれる生徒には徹底的に満足してもらうという風土を失わないように気をつけて、もっと上を目指していきます(松本先生)。」

 一にも二にも"スチューデントファースト"、生徒のためになる事はやる、ためにならない事はやらない。教師の都合を優先するのではなく、生徒の目的、夢をかなえるために常に何ができるか考える。「本校の教員たちも、自分の子どもをここに入れたがります。それが本物だと思います。保険会社の人も自分が入ってない保険を勧めるのは説得力ないですよね(笑)。」

 PTAの見学会も一気に増え、地域の期待もさらに高まっている。

毎年文化祭に向けてアルミ缶を集め巨大アートを作製。のち缶は換金、東日本大震災復興活動資金に

特別進学コースでの取り組み「Nタイム」。新聞を活用し、論理的思考力と見識を養う

大学入試改革・ICT教育への対応も試行錯誤
慎重に進めながらも一番は子どもたちのために

 大学入試改革への対応については3年前から委員会を立ち上げ、さまざまな取り組みを始めている。「生徒の頑張りがあってもやり方がマッチせず結果を出せなかったら、期待してもらっている生徒たちに申し訳ない。この新しい制度の中でも結果が出せるように、最少公倍数的に考えてどんな形になっても対応できるように努力しています」と松本募集広報課長。

 ICT教育の導入に関しては、プラス面・マイナス面も考慮し試行錯誤中だ。率先して取りいれた国々の学力の低下や、SNSを使う子どもたちの集中力低下などが取り沙汰されているからだ。生徒たちにプラスにならなければ意味がない上、教師自体がICTの知識、技術が伴わない中で導入した際、本当に効果が見込めるのかなどの考察を重ね、慎重に取り組んでいる。現在教師にiPadを支給し、まず教師がしっかり使いこなすことを目指す。「私たちの方針としては今までやってきたことはきちっとやり、それにプラスアルファでICT要素を取り入れていく予定です。今までのやり方に置き換えるのはかなり危険だと思っていますし、先生方の負担のないようにICT化を進めている状態です。」

 授業では実際、プロジェクターを使用することで授業が分かりやすくなったと喜ぶ生徒が多い。今までの授業のスタイルがより濃くなったという。

今年からエンパワーメントプログラム導入
留学せずともグローバルなエッセンスを

 また、今年の夏からは"エンパワーメントプログラム"を導入予定だ。留学専門の旅行会社ISAが開発したもので、主にアメリカの難関大学の学生を日本に招き、学生1人と高校生5人の6人グループでグローバルな問題を考えながら英語で意見を交換しあう。論理的な思考力や表現力を養うことを目的としているが、結果として英語力も高まるプログラムとなっている。

 留学のない3コースの生徒たちが、留学のエッセンスに触れて英語力をつけることを狙い、また手頃な参加費で多くの生徒たちが体験できるのも導入理由のひとつだ。最低参加人数は50名だが、生徒たちに呼びかけたところ早速約60名もの希望者が集まった。「2020年の入試改革に向けて、これまで培ってきた英語のノウハウを他のコースにもいかに波及させていくかを次の段階として考えています(松本先生)。」

 コースによって世界に飛び出る生徒もいれば、部活や地域でのボランティア活動で頑張る生徒もいる自校を、「まさに"グローカル"」と嬉しそうに語る松本募集広報課長。故郷沼津を大切にしながらも世界への視点を持つ子どもたちが、今後桐陽高校によってますます増えてゆくに違いない。

 
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