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中学・高校受験:学びネット

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一宮女子高等学校

 
  知識を裏付けとして、「生き方を学ぶ」学校
 
「楽しくなければ学校じゃない! 面白くなければ授業じゃない!」をキャッチフレーズに、全教職員が一丸となって学校改革を進めてきた。大学進学率は大幅にアップし、私立大学からの指定校推薦が急増。今春は初の国公立大学合格者も出た。しかし先生方は「進学実績を上げることが目的ではありません」と口を揃える。授業で、行事で、そして部活動で、日々生徒たちと真正面から向き合っている先生方が、具体的な取り組みについて語る。

校 長: 内田 憙男
住 所: 〒491-0938 愛知県一宮市日光町6−1
電 話: 0586-45-2102
交 通: JR「尾張一宮」駅・名鉄「一宮」駅より徒歩15分、専用バス5分
学生数: 730名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.ichinomiya.ac.jp/

 

全科目オリジナルテキスト
教務主任 大橋達也先生

同校には普通科・商業科・家政科・食物調理科の4コースが揃い、それぞれ特色ある授業を行っている。このうち食物調理科をのぞく3コースで、1年次のカリキュラムを共通とし2年進級時の転科を認めている。

授業では全科目にわたり、教科書とは別に教科担当が作成したオリジナルテキストを使用。テキストは、1時間の学習内容をA4用紙1枚にまとめている。
「生徒が興味を持てるように学習テーマを身近な問題と結び付けたり、ゲーム性を持たせたりと工夫を凝らしています」と大橋先生。
英語と数学は3段階の習熟度別授業のため、それぞれテキストの内容も異なる。生徒たちは授業が分かるようになると自信がつき、意欲的に学び始める。これまで「できない」と自ら設けていた「限界」が取り払われ、成績も大きく伸びていく。

なお、オリジナルテキストは毎年改訂される。年々伸びていく生徒の学力に合わせ、センター試験にも十分に対応できるように内容をさらに充実させるためだ。
「本校では授業だけでなく行事や部活動においても、『例年通り』という言葉は存在しません。常にスパイラルアップを目指しています」。

改革のベクトルを明確化

「改革の成果が実を結びはじめました」と青山教頭は笑顔を見せる。
伸び悩んでいた一宮女子高等学校の入学者数は、5年前に増加へと転じた。生徒の成績も順調に伸びている。改革前には平均30だった偏差値が、50近くにまで上がってきた。そして何よりも、学校全体に活気がみなぎっている。
改革は、学校が進むべき方向を明確にするところからスタートした。
「教職員一人ひとりは、『生徒と向き合い、より良い方向へと導きたい』と思っていても、統一がとれていない状態でした」。

そこで生まれたテーマが、「どう生きていけば幸せになれるのか」の追求だった。生徒に「生き方」について真剣に考えさせ、学校をジャンプ台にして次のステージへ進んでもらいたいという思いが込められている。
しかし生徒の心を動かすには、まず教師自身が毎日の生活を充実させ、幅広い知識と豊かな人間性を備えていなければならない。授業を通して生徒に伝わるものは、教師の人間性にほかならないからだ。そのために「教員研修を徹底的に行い、外部研修にも積極的に参加させました」。わかりやすく面白い授業を目指し、全授業を公開。互いに刺激し合いながら改善に努めてきた。

方向性を一致させるためには教職員間での情報の共有と、緊密なコミュニケーションも欠かせない。「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底しています」と青山教頭。
パソコンの掲示板を利用し、必要な情報や伝達事項を速やかに伝える。職員室の机の上には本立てなどを置かず、互いの顔が見える状態でスムーズな意志疎通を図っている。
青山教頭のもとには連日、何件もの生徒に関する報告や相談が集まる。例えば、ある生徒が「試合で活躍した」「今日は体調が悪そうだ」など。
「良いことがあれば何人もの教員がその生徒に声をかけ、具合が悪そうなら、授業担当者に申し送りし配慮してもらいます」。
こうした教師陣の姿勢と熱意をベースに、学校生活のあらゆる場面で、生徒と真剣に向き合う教育が展開されている。

一人ひとりを輝かせる学校行事
特活指導主任  小栗 孝司先生

「4年前にスタートしたときはわずか数名でしたが、今年は200名もの生徒が名乗りを挙げてくれました」。
小栗先生の顔から笑みがこぼれる。毎年5月下旬に開催される体育祭で、新入生歓迎の思いを込めて2・3年生の有志が踊る「よさこいソーラン節」のことだ。
生徒たちは放課後、自主的に体育館に集まって練習。体育祭当日はオリジナルの赤色や白色のハッピ姿で、見事に揃った踊りを披露し、来賓として臨席していた多数の中学校校長の絶賛を浴びた。体育祭は学科単位でチームを編成。それぞれチームカラーのTシャツを着て、競技に参加。優勝を争う。華やかな応援合戦も繰り広げられる。「チアガール風や硬派のガクラン姿など、学科ごとに個性を発揮しています」。
趣向を凝らした競技や催しが満載の体育祭だが、準備期間は驚くほど短い。10日足らずの期間に、生徒たちは休憩時間や放課後を利用して準備を進める。これは文化祭など、他のイベントにおいても同様という。「短期間に集中して取り組み、本番で思い切り力を発揮する。メリハリをつけることで、学校生活の良いリズムがつくられます」。
同校の行事は多彩だ。数も多い。小栗先生はアイデアを駆使し、毎年新しい企画を考案してきた。今、その一つひとつで、生徒たちは自分らしさを発揮し輝きを放っている。 

負けない心をつくる部活動
生徒指導主事 寺田吉利先生

今年、ソフトボール部・陸上部・スキー部がインターハイ出場を決めた。テニス部や卓球部・バドミントン部、さらに一時は部員がゼロになってしまった弓道部も県大会に出場し、2年生の生徒が国体の県代表にも選ばれた。文化系では、吹奏楽部が昨年の西尾張大会で銀賞を受賞。創部5年目の和太鼓部が「愛・地球博」で演奏を披露するなど、活躍が目立つ。寺田先生は部活動全体を統括する立場であると同時に、強豪で知られるソフトボール部の顧問でもある。毎日の練習は当然ながら厳しい。しかし生徒たちは、練習でくたくたになって帰宅しても、自分で洗濯。朝も自分で弁当を作る。自分のことを自分でするのが伝統だからだ。

「優勝候補となるようなチームの選手たちは皆、実力にそれほど差がありません。勝敗を決めるのは、いざというときの精神力。甘えは敗北につながります」。
部活動は勝つことがすべてではない。しかし、勝つために「負けない心」を養うことが、人生に大きなプラスとなる。

同校では部活動を奨励し、1年生は全員が何らかの部に所属する。二年次以降は自由だが、三年次の1学期でも部加入率は60%に上る。その後、進学を目指す生徒たちは「補習部」に入部。これまで鍛えた体力と精神力・集中力で受験勉強に励み、次のステージへと巣立っていく。
一宮女子高等学校では、教育の3本柱である授業・行事・部活動を通じ、知識を裏付けとした「生き方」を学ばせようとしている。

 
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