特徴ある各コースは体験を重視した充実内容
現在行われている4コースは、大きく2系統に分けられる。難関私学・国公立大学への進学系である特進・進学の2コースと、短大・大学の専門課程や専門学校への進学、または就職を目指す総合・情報の2コースである。
特進コースは、難関私立・国公立大学への現役合格を目指すコース。30名1クラスの少人数制で、90分授業を1日に4限実践するのである。ただし、この90分間は講師からの一方的な授業ではなく、演習や質問など、個々に対応する工夫が凝らしてある。また、河合塾と提携したサテライト講座、夜間学習、合宿、夏期講習などで充分な授業時間を確保した上で、年間7〜10回の試験で確実な学力を身につけるようになっている。さらに、自ら見つけたテーマで研究し、その結果を報告・討論する定期シンポジウムも開催。自己表現と同時に、コミュニケーション能力を鍛えていく。
「最も特筆すべきは、地域のことをテーマにした研究会活動でしょうか。1年・2年が学年を越えて同じテーマで研究し、講師にも自分たちで選んだ地元企業の社長や商工会会長などの地域に密着した人間を招いて、御殿場のことを考えていきます。
勝間田校長の話の中に出てくる『自分たちで』は、特進コースのサロンカルチャーにも活かされている。生徒自身がリサイタルや観劇を主催し、ホールや外部施設を使用する場合は会場設定や飾り付けも行うのである。
一方、進学系のもう一つのコースである進学コースでも90分授業が行われている。こちらでは特進コースとは異なり、90分を3限と通常の7時間目の授業を行うのだが、この7時限目が進学コースの特徴ともなっている。この時間は選択授業で、学力アップ講座や福祉、国際、コンピュータ、小論文といった様々な科目の中から、自分の知的好奇心を満たす科目を生徒自身が選べるのだ。また、7限目以降は、クラブ活動にも参加できる。空手道部や柔道部、陸上部といったインターハイ出場を狙える強豪クラブで活躍することも、このコースなら可能である。
「このコースは、クラブに参加できるという利点そのままに、全体が特進コースにさらに近付けるような改革を行っていきたいと考えています」。
勝間田校長の話すとおり、現在、特進コースとの合同授業やサテライト授業の実施、また、朝の英数国15分小テスト、放課後の補習といった充実した学習時間を取り入れている。無論、成績次第では特進コースへの移行も、生徒が望むなら可能である。
総合系である情報コースは、高度パソコン技術の修得を目的としたコース。複雑なプログラム構築は、高校の授業時間では対応しきれないため、既存のソフトをいかに使いこなすかを目標としている。
3年間でワープロ検定1級、情報処理検定1級、データベース2級取得を基本目標とし、簿記検定・英検・漢検なども奨励しているこのコースは、地域企業からも注目されており、進路決定率98%という非常に高い実績を上げている。もちろん、大学進学希望者も年々増えており、資格保持者に門戸を開く大学も増えているために、今後、このコースから大学や専門校への進学率がアップするのはほぼ間違いない。
総合コースはインターンシップを含め、多くの体験の中から自分の目標を探していくコース。基礎学力の徹底を図りながら、校外活動として「300年後に富士山に「総合の森」を」を目標にした富士山への植樹や富士山学習、野外炊飯といった様々な体験を通じ、将来の目標実現へと導いていく。つまり、基礎学力アップと「体験」を通じて、将来の「自分探し」「自分作り」をしていくコース。また、就職実績・進学実績共に90%以上の高さを示しており、近隣校の併願受験としても人気の高いコースである。
また、学校全体で、環境・福祉教育とともに、ボランティア精神を育てる機会を作っている。例えば、「クリーン富士山デー」は、昭和54年から毎年山開きの前に実施。献血活動は昭和52年から続いており、社会に貢献することの大切さを身を持って教えている。献血は、すでに延べ29,000人を超えている。
さらに、国際理解教育にも特に力を入れており、全校生徒に在学中に一度は海外で生の英会話と異文化体験をさせたいという考えから、様々なプログラムを用意している。系列校としてオーストラリアにカーディニア・インターナショナル・カレッジを持っている本校だけに、進学・情報処理・総合の3つのコースでは、ここでのホームステイを取り入れた修学旅行の実施。海外学生との交流を通じて国際的視野を身につけて帰国するのだ。また、夏休みには近隣の中学生を含めた希望者による3週間のホームステイプログラムも魅力的だ。また、どのコースからも交換留学や短期・長期留学が可能(審査基準を満たした生徒に限る)であり、国際力を養いたい生徒から非常に注目されている。
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