マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

個性豊かな生徒が男子校の青春を語る!
2022年から「探究」を軸にした新コースに

藤沢翔陵高等学校

2021年に完成した新校舎。窓のデザインが明るくカラフル


「駅伝と珠算の二刀流。将来は公認会計士を目指す」「生き物大好き、夢は水族館の飼育員」「特進で猛勉強、英検準一級合格」「バドミントン一筋、将来はアスリートを支える仕事に」。そんな熱い思いを持っている、藤沢翔陵高等学校の3年生4人。男子高校生の本音トークで、同校の魅力を語ってもらった。
 後半は、来年度から実施される新コース制について、金子好幸校長にインタビュー。「得意なことを見つけ、生涯学び続ける力を付けさせたい」と意欲を語った。



座談会に参加いただいた皆さん(左から)
萩原 寛幸くん【商業科 会計コース 3年生】・髙松 洋介くん【普通科文理コース 3年生】・福島 一航くん【特進コース 3年生】・横山 翔大くん【普通科文理コース 3年生】

男子校という未知の世界へ!
部活に勉強に、充実の3年間

――この学校を選んだ理由は?

髙松くん(以下、髙松) オープンスクールで、在校生の先輩たちが優しく案内してくれたことと、卓球部に惹かれてこの学校を選びました。

萩原くん(以下、萩原) 商業科の授業を受けたかったのと、駅伝が強い陸上部に入りたかったのが理由です。簿記・計算研究部にも入っていて、第68回全国高等学校ビジネス計算競技大会に神奈川代表として出場します。今、珠算が準6段、暗算が7段です。

横山くん(以下、横山) 自分は中学からバドミントンをやっていて、バドミントン室など充実した施設があったので入学を決めました。

福島くん(以下、福島) 僕は高校は男子校という、新しい状況に身を置いてみたいという思いがありました。今では、自分の中の価値観が変わったという気がしています。

――学校生活で楽しいことは?

横山 僕は部活です。悔しい思い出もありますが、振り返ってみると一番楽しかったです。おかげで、きついメニューに耐える忍耐力や、強くなるために努力する力が付きました。

髙松 僕も部活動です。3年最初の大会は初戦で敗退。試合後の反省会で、チームの雰囲気が良い方向に変わり、最後の夏の大会ではシード校を倒して、県ベスト16に入ることができました。チームのみんなと話し合うことで、コミュニケーション能力が身につきました。

福島 施設が充実しているので、できるスポーツが多く、体育の授業が楽しいです。あと女子がいないので、気持ちが楽です。自分らしさをさらけ出せるのもいいです。

萩原 時々ふざけ過ぎて、先生に怒られることもありますが(笑)。女子の目を気にしないで、好きなことができるのは男子校ならでは、です。

――普段の勉強の様子を教えてください。

横山 日曜以外は毎日部活があったので、勉強は隙間時間を見つけてやっていました。

福島 僕は、覚えるまで繰り返すことを実践しています。英単語は夜に覚えて、朝にアウトプットして復習。おかげで、英検準1級の一次まで合格することができました。

萩原 自分は家では一切勉強しません。家に帰ったら、寝る前にそろばんの練習をする以外は、休むと決めています。その分、宿題やテスト勉強は、休み時間や自習時間を使って全部学校で済ませます。

髙松 僕も解けない問題は早めに先生に質問して解決しています。僕は将来、水族館の飼育員になるのが夢で、今では海で採取した幼魚(フグやボラの仲間など)を家で飼育し、成長を記録しています。


地元・藤沢の皆さんと一緒に、ジャンボタニシ駆除のボランティアに参加。地域との交流も盛んに行っている

夢に向かって一直線
自分自身を発見できる学校

――皆さん、それぞれの分野で頑張っていますが、頑張れる理由はなんでしょう。

福島 英語の勉強が楽しいと思えるようになったのは、英検2級に合格してからです。やればできると手応えを感じてからは、積極的に勉強するようになりました。

髙松 僕は幼い頃から生物が好きだったことが理由です。水族館がある藤沢という環境で、その地域の魅力を伝えられるような飼育員になりたいと思っています。

萩原 商業系の授業は本当に面白いです。将来は公認会計士になろうと考えているので、高校在学中に簿記能力検定1級を取得し、大学に進学して夢を実現させたいと思います。

横山 将来、柔道整復師などの職業に就きたいと思っています。自分はずっとそうした方々にお世話になっていました。今度は自分がスポーツをする人を支える職業に就きたいです。

――最後に受験生にメッセージをください。

髙松 男子校ではありますが、和気藹々としていて、自分を見つけられる高校です。

福島 先生方がサポートしてくれるので、色々な資格を取れます。

横山 授業が楽しく、施設も整っていて、運動部で頑張りたい人にはおすすめです!

萩原 マナーや礼儀も教えてくれます。社会で生きる上で必要なことを教えてくれる先生方がいる学校です。

――本日はありがとうございました。


陸上競技部は、全国高校駅伝出場30回以上を誇る強豪

探究を柱とし、コースを刷新
研究発表はダンスや歌でも

2022年、藤沢翔陵は「探究」を中心とした教育を目指し、普通科特進コースは「文理融合探究コース」に、普通科文理コースは「得意分野探究コース」に変わる。商業科の名称は変わらないが、「探究」を軸にした授業となる。

1年次は探究基礎と、自分の考えをディスカッションする授業「哲学対話」を行う。2、3年次は、1人の教員が複数の生徒を担当するゼミ方式での探究がスタート。3年次の最後には、探究テーマを論文にまとめて発表も行う。

「発表の形式はプレゼンテーションでもいいですし、朗読や歌、ダンスでもいいと思っています」と金子好幸校長。発表ができるよう「表現」という授業も設置し、映像クリエーターやダンサーに講師として来てもらう予定だ。

得意分野探究コースでは、得意な分野を見つけられるよう、選択授業を多数用意。科目は2、3年横断で、1つの授業を2、3年生が一緒に受けることも想定する。

商業科では、制服のポロシャツのデザインを手がけたストリートブランド「ラファイエット」と一緒に店舗運営をする計画も進んでいて、学校で学んだ知識を、実践で生かすチャンスがある。同時に「学びのOS」という、日本語力を強化する教科・科目も新設。相手の話をよく聞き、自分の意見を伝える力を磨いていく。

金子校長は「これからは、得意な分野を持つ人々が協働しながら、社会を動かす時代になります。本校では、まず自分の得意なものを発見し、そこから学び続ける術を身につけてもらえたらと思っています」と話している。


藤沢翔陵高等学校  https://shoryo.ed.jp