マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

世界という教室でしか、学べないことがある
駒込学園では、日本を世界に発信できる人材を育みます

駒込中学校・高等学校

瞑想で自分の心と向き合う「坐禅止観」
将来、活躍する人材には「智徳体」のすべてが求められます。本校ではこれらを仏教的情操教育の中で育成。
他者を敬う健全な心身を持ち、本校の目指す「一隅を照らす」人物を目指します。


伸びる駒込!
コロナ禍の中で躍進する駒込!
その秘訣を河合校長にお聞きしました。


Q:コロナ禍で苦戦する私学が多い中で、今年も目覚ましく伸びていますね。
A:
有難うございます。中学で1100名入試、中高で2500名入試を行うことができました。皆様のご支援のおかげです。

Q:高校は都立日比谷との併願ナンバーワン校になりましたね。
A:
はい、私立併願の検索サイトで、日比谷だけでなく、戸山も西も併願№1校に本校がなっています。

Q:いずれも都立トップ校ですね。どうしてでしょうか?
A:
実は都立校だけではないのです。千葉県下の模試でトップ層の生徒たちも本校を併願で受験してくれています。ある千葉の公立中学は本校の併願推薦の出願基準に合致する生徒52名全員が受験相談の事前登録をしてくださっています。

Q:1校で52名ですか。それはすごいですね。駒込高校の市場偏差値が71に跳ね上がっているのも納得できます。これまでの人気校から実力校に変わって来ているのですね。
A:
塾の先生方には大変申し訳なく思っています。これまで合格できた生徒が軒並み不合格になってしまい、大変ご迷惑をおかけしてしまいました。でも、もう教室が足らないのです。この春休み、中学教員室を教室に改造して、先生たちには会議室に分散してもらい執務をしてもらっています。学則定員1260名のところ、1700名を超えているのです。

Q:学校が伸びて「すみません!」と謝る校長は初めてです。(笑)
A:
ある塾の先生方からは「進学校化するのは許せない! 自由な学校をやめるのなら合掌や般若心経のお唱えなどやめてしまえ!」という怒りのお手紙を下さることもあります。テレビドラマの「ドラゴン桜」の対立構造そのままです。

Q:どのようにお応えを?
A:
大正末期、天台宗中学を駒込中学にした時の本校学園顧問は、今NHKの大河ドラマになっている渋沢栄一子爵です。日本を近代化し、経済的に豊かな国を構築するために心血を注いだ方です。日本資本主義の父と呼ばれます。彼は論語と貨幣経済を融合した資本家でした。金はいくら儲けても良い。しかし、守銭奴となるな。他者を豊かにするために、すなわち、「利他心」の上に「大きな志を立てて励め」と訓育されています。本校が自由な校風の下に東大や早慶に進学する生徒を育てることは、何一つ矛盾しません。志の立て方ひとつで決まるからです。「悪事を己にむかえ好事を他に与え、己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」を建学の精神とする駒込です。自由で伸びやかで広やかな、世界に羽ばたく利他心を有した「有意な青年」を育て上げていきます。その意味で東大も各自の志の通過点にすぎません。それだけのことです。お怒りになる必要もないのです。

Q:ああ、それで納得できました。駒込学園の人気の秘密は建学の精神にあったのですね!
A:
そうです。私たち私学の有志がこの四半世紀勉強会を組織して学校改革を実践してきましたが、そのキーワードは「建学の理念の再構築」でした。なぜ自分の学校が存在するのか、その存在理由はどこにあるのか、熱烈に支持されるには何を取捨選択すべきか、それをAARサイクルで実践して今の本校が生まれているのです。

Q:ではその秘訣であるAARサイクルをお話しいただいて、インタビューの締めに致します。
A:
はい、入試報告会で述べた文章がありますのでそれを紹介しておきます。以下の如くです。

駒込改革‐AARサイクル(Anticipation‐Action‐Reflection)の導入

⑴Anticipation(見通し)


自校の「考えや願望や信念」をひとまず置いて、受験者目線で何が求められているのかを真摯に考察し、将来の「あるべき姿」の学校像を「見通す」取り組みを「Anticipation」と呼ぶ。
・学校本来の役割…学びを必要としているすべての生徒のために存在する。
格言:「虚弱児ほど母の心を占める」(学校もまた同様!)

⑵Action(行動)


思いつきや時代に流されての動きではなく、どのように困難でも、目的に向かって責任ある計画に沿って行動することをActionと呼ぶ。高い「志」に根差した「惜しみない努力」を基盤とした行動。
・「志」を立てて「行動を起こす生徒」を本校は求め育てていく。

⑶Reflection(振り返り)


思いつくままに思慮したり反省したりすることではなく、「次の取り組みや経験」に導く「意味付け(the meaning-making process)」としての「振り返り」を「Reflection」と呼ぶ。科学的でシステマティックな手法として適用する。
・「計画ある営み」を「道を追って」行う時、それは始めて「科学的」となる。万人が共通して理解できる道筋となるからである。「振り返り」も科学的でシステマティックな検討がたいせつである。これまでのような「反省」という名の「犯人捜し会議」のことではない。メンバー全員の肯定感を育て上げ、帰属意識を高めることがReflectionの目的である。AARサイクルを通し、建学の理念である「一隅を照らす人間」を育成する。


日本の代表的なSTEM教育研究機関である埼玉大学STEM教育研究センターとの共同授業を行います。生徒たちは、オリジナルキットとソフトを使ったプログラミングで、身近な課題を実践的に解決していきます。

駒込中学校・高等学校   https://www.komagome.ed.jp/top/

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