学校散策 掲載:塾ジャーナル2020年11月号/取材:塾ジャーナル編集部

創立100周年を機に校舎と制服がリニューアル
女性の自立を目指す教育方針で人気増に拍車

宣真高等学校

今年記念すべき創立100 周年を迎えた宣真高等学校が、新しい学び舎を完成させた。華やかでテーマパークのような校舎に地域の話題が持ち切りだ。近年志願者数が右肩上がりの人気校で、創立当初より女性の自立を柱に資格取得に重きを置く教育方針を掲げている。生徒たちの笑顔を生きがいとする教師陣が揃い、一人ひとりの個性を見据えた「面倒見教育」が自慢だ。次年度からは「看護系進学コース」に文系特進エリアを加え、「看護医療/特進コース」の改編、ますます躍進する宣真高等学校の中川千津江校長と津田昌一教頭にお話を伺った。


まるでヨーロッパの宮殿のよう!
サーモンピンクとライトグレーを基調とした新校舎

道を歩く人が思わず振り返る。園児たちに「大きくなったらここに行きたい!」と言わせる、華やかな校舎をつくり上げた同校。ピンク色をあしらった外観、イギリスから取り寄せた赤い時計台。廊下にはシャンデリアとドロップ式のカーテン、行くのが楽しくなるシャンデリアが付いたゴージャスなお手洗い。女子の「好き!」を凝縮した造りだ。
本来は耐震対策がメインであったが、学園関係者の「どうせなら生徒に喜んでほしい!」という思いが今回のリニューアルとなった。
「『行きたい!』と思ってもらえる、ワクワク感を持った学校にしたいというのが一番にありました。ではどうしたらそう思ってもらえるかを考えた時に、まずは校舎を綺麗にする。シャンデリアやドロップ式のカーテン、トイレも居心地良いフィッティングルームのような形にしています。思いつく限り女子を意識した内装です」(中川千津江校長)
「女性は感性で学校を選ぶことがあるので、可愛い制服、綺麗な学校、楽しい行事、この3つを基本にしています」(津田昌一教頭)
今回の制服のリニューアルについては、若い教員たちに任せたという中川校長。「最初は生地を見て個人的に心配な部分もあったんですが、いざ制服になったら品があるし可愛い。近隣の方からは『宣真は生まれ変わった、校舎も綺麗になったけど、生徒も素晴らしい!』とすごく評判が上がってきてますね。嬉しい話です」と笑顔で語った。

真言宗の教えをもとに
一人ひとりの生徒にあった教育を

1920年開校以来、一貫して女性のキャリア教育に邁進してきた同校。仏教の教えに従い、奉仕や慈愛の精神を踏まえ、心の教育を重要視する。女性ならではのキャリア教育を行う中、自尊心を持ち、繊細な心配りができる女性に育て、社会に出てからもその場その場で周りの方々とともに輝けるような存在になることを目指す。
今年のテーマは『Be Next』。生徒には「次なる私へ」、学校には「次のステージへ」という意味がある。もともと「面倒見教育」で知られる同校だが、そこに『3つのABC』という考え方がある。
A(アミューズメント)は楽しい学校、楽しい行事を考える。ディズニーランドや吉本新喜劇、宝塚歌劇に行くなど、どう行事を楽しくするかがテーマだ。B(ブロードエデュケーション)は幅広い学力層に対してそれぞれの進度でしっかり向き合い、相応の結果を出していく。Cは、同校の看板でもあるキャリア教育(キャリアエデュケーション)だ。
学びのコースは「保育系進学」「看護医療/特進」「アニメ・アート」「総合」の4種類。指定校推薦枠1500名分以上、進学率は100%という実績が、同校の高い人気の理由の一つだ。今年も280人の募集定員に倍以上の志願者が集まり、最終的に412名の入学となった。看護医療、保育系進学、アニメ・アートは、1クラスの予定が2クラスになり、年々同校を求める生徒たちの増加が実感されているという。

保育系進学コースは保育技術検定の合格者数が大阪府でトップという実績がある。中川校長が認定こども園の園長も兼ねるため、現場に必要な知識や動きをすべて把握し、実践的な教育を行っている。特に音楽教師は7人在籍、ほぼ個人レッスンのようなかたちになるため、ピアノに縁がなかった生徒たちでも3年間で保育技術検定1級を見事にクリアしていくという。
看護医療は26年の実績と高い進路実績がある。次年度からは特進コースを加え、「看護医療/特進コース」として本格稼働、ますます注目されている。2年度より理系と文系に分かれ、看護医療系入試と、難関私大入試に対応。学校の学力のさらなる底上げが期待される。
「全国高等学校長協会家庭部会小学科校長保育系理事(保育技術検定)は日本で7人。そのうちの1人が私です。今年は大阪の公立私立全校合わせての家庭部会の代表理事もやらせていただいています。保育も看護も他校とコース名は一緒でも、中身で差別化をしています。それが募集の成功につながっている理由の一つであると思います」(中川校長)

生きた体験、生きた教育
生徒の成長だけを考える

今年は2クラスとなったアニメ・アートコースは、各生徒の進路にかかわらず、全員が絵を描くだけでなく造形やものづくりを一通り体験する。その上で最終的に自分に合ったものを見極め、3年目にはその方向の学びを深めていく。基礎からしっかり学び、成長させていく宣真ならではの学習カリキュラムだ。現在卒業生はさまざまな分野で活躍、プロの漫画家になった人もいるという。
総合コースは1年次で4つのエリアを体験し、2年次からエリアを選択する。4つのエリアとは「パティシエ・クッキング」「情報デザイン」「キャリアデザイン」「ウェルネススポーツ」。それぞれ多様な体験をしていく中で、自分が極めたいコースを選んでいく。

パティシエ・クッキングは大手食品会社と連携をとり、メニュー開発に携わることもあれば、農園で田植えや収穫、調理と、一から自然に触れてものづくりを体験させることもある。実践・体験重視の教育は子どもを大きく成長させる。
「本校の先生方は、生徒たちが大好きなんです。生徒ありきで、生徒の喜ぶことをいつも考えている。たまにやりすぎて自分たちがしんどくもなるのですが(笑)、結局生徒が喜ぶと先生方も喜んで、『良かったね』で終わるんです。人を育てる・人をつくる仕事であるということの重みを感じている先生がたくさんいらっしゃるので、とてもありがたいです」(中川校長)
教師・生徒間のプラスのスパイラルが明るい校風をつくり上げているようだ。
生徒たちがそれぞれに望む道へと進む手助けをしたいと強く語る中川校長。
「生徒も『校長先生好きー!』と言ってくれる。生徒とのそういう距離感は嬉しいですね。生徒との距離が近ければ生徒の気持ちもわかります。離れてしまうと、今の生徒が何を求めているかがわからなくなる。だから常に近い距離でいたいと思っています」
常に生徒を思い、学校が一丸となって進む姿に、さらに多くの共感が集まっていくに違いない。

宣真高等学校 https://senshin-gakuen.jp/