学校散策 掲載:塾ジャーナル2021年5月号/取材:塾ジャーナル編集部

全教員がGoogle認定教育者資格取得
再編する3つのコースで個を伸ばす学びを実現

四條畷学園高等学校

「四條畷学園高等学校」は、保育園、幼稚園、小学校、中学校、短期大学、4年制大学を擁する男女共学の総合学園「四條畷学園」の一員。1926年「四條畷高等女学院」として創立され、建学の精神「報恩感謝」と教育理念「人をつくる」、4つの教育方針「個性の尊重」「明朗と自主」「実行から学べ」「礼儀と品性」を守る教育を実践している。創立100周年に向け、より教育方針を明確化した学びを提供するため、来春からは特色ある3つのコースに再編するという。募集広報部長の小山宣宏先生に詳しく話を聞いた。


ICTを活用する先進的な学び
好きを磨く「総合キャリアコース」

JR学研都市線四条畷駅から徒歩1分とアクセス至便で、広範囲から生徒が集まる「四條畷学園高等学校」。2022年度より、既存の4コースがよりブラッシュアップされ、「総合キャリア」「発展キャリア」「特別シンガク」の3コースに再編される。その新体制の核になるのは、国が推進する「GIGAスクール構想」に向けた取り組みだ。

小山宣宏先生によると「現在、発展キャリアコースのみ1人1台Chromebookを貸与していますが、来年度は新入生全員に貸与します。さらに、教諭全員がGoogleの認定教育者資格を取得し、多彩なアプリを余すところなく、より実践的に授業や学校生活に活用します。例えば、Googleフォームを使い生徒が回答したデータをリアルタイムで共有、スプレッドシートを使い表やテキストを生徒が同時に編集するなど、より早くわかりやすい授業が実現できます」。
もっとも大きな変化をとげるのが「総合キャリアコース」だ。総合、吹奏楽、情報の各クラスに、これまで独立していた「保育コース」も組み込み、カテゴリーにとらわれず、より個の学びを追求する狙い。

「3年間を通し、総合的な探究(キャリアデザイン)の授業を準備しており、保育分野はもちろん、韓国語、服飾デザインなど、上級学校と連携した、さまざまな分野の授業を選べるので、好きなことを追究し、人の為に役立てることで、ビジネスマインドを磨けます。また、基礎学力を身につける”7つのチカラ”(①マインドセット②日本語運用能力③計算力④調べる力⑤協働力⑥論理的思考⑦ICT活用能力)を設定し、例えば国語の授業以外でも国語力を養うような仕掛けを考えています」

将来、生き抜く力を養う同コース。豊富な大学指定校推薦枠(405枠)が用意され、進路サポートも充実しているので、安心して“好き”を追求できる環境だ。

社会に飛び出し協働的に学ぶ
探究型の「発展キャリアコース」

一方、クラスの仲間と社会に飛び出しながらプロジェクトを基に協働的・主体的に学ぶPBL(Project Based Learning)型の授業を重視するのが「発展キャリアコース」だ。キャッチフレーズは“たくさんの挑戦が君をデキる大人にする”。人気の海外留学プログラムはもちろん、国内地域留学という新たなプログラムも用意している(いずれも希望制)。

「オーストラリアやカナダの2週間・約8週間・1年間の留学が可能で、英語だけで1泊2日を過ごすイングリッシュキャンプや、スピーチ・デイ、プレゼンテーション・デイなど学内行事もあります。加えて、来年度からは内閣府と(一財)地域・教育魅力化プラットフォームが共同で立ち上げた“地域みらい留学365”にも取り組みます。希望者は2年次に、過疎地の学校で1年間の国内地域留学をし、都会ではできない四季折々の貴重な体験ができます。また、長期留学(1年間)に参加しない生徒には、2週間の企業インターンを用意。多彩な企業と提携しているので、行きたい企業を選べます。実際に仕事を体験できる貴重な機会です。また同コースでは来年度から、総合キャリアコースと同様、土曜日が休みになります。時間に余裕ができるので、探究型学習で必要な、社会に飛び出し実行から学ぶ機会を増やしてほしいですね」
進学面では、探究の成果を活用した総合選抜型入試を見据えている。

人気教諭が全教科の授業を監修する
学び無限大「特別シンガクコース」

また、国公立大学や難関私立大学への進学を目指す「特進文理コース」は、「特別シンガクコース」と名称を変え、新たなスタートを切る。コース名の“シンガク”は、「深学」「真学」「伸楽」など、学ぶ人により無限大の意味を持つ。

注目すべきポイントは、3000本以上の授業風景動画をWEB上で公開し、わかりやすいと教育情報サイトで評判になった、同校の世界史教諭・小森一平先生が、教科の垣根を越え授業の監修を行う点だ。教諭間で教え方を気軽に相談し合える場を持つことで、より良い授業を組織的に目指す。目標は「生徒が自学できる力を育成する」だ。

「小森先生は、理論立てて説明することに長けていて、とてもわかりやすい授業をされます。またWEB上で動画を公開することで、生徒が時間や場所の制約を受けることなく学べる機会が生まれています。同コースでは、これまで週4回、7時限目の授業を行っていましたが、来年度からはこの7時限目のみオンライン授業に切り替えます。そうすることでクラブ活動に遅刻せず参加でき、学校でも自宅でも好きな時間に学べるスタイルへと変貌します。新型コロナウイルスの影響で学校でも変化を余儀なくされる場面が多々ありましたが、その結果、変わることに抵抗がなくなったのは小さな光と言えます」
小論文や面接指導など大学受験のサポートはもちろんだが、高校生活を充実させる取り組みも豊富だ。

「肩の力を抜いて楽しめる、コース独自の“月イチ行事”を新たに実施します。さらに、クラブ活動や資格取得、習い事などの課外活動を年間2つ以上取り組む制度もあります」
変化を恐れず、進化を続ける四條畷学園高等学校の学び。オープンスクールでは、より具体的な情報が提供される。WEBサイトでも情報は随時公開されるので見逃さないようにしたい。

四條畷学園高等学校   https://hs.shijonawate-gakuen.ac.jp


■オープンスクール(生徒によるプレゼン)
7月24日、8月21日、9月25日
各土曜、14時から
■オープンスクール(コース別説明会)
10月30日、11月13日、11月27日
各土曜、14時から
■学校説明会(先生によるプレゼン)
10月16日・23日、11月6日・20日、12月4日
各土曜、①11時から②14時からの2部制
※ただし、11月6日は②のみ
※ホームページでWebオープンスクール公開中