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2020/11 塾ジャーナルより一部抜粋

オンライン説明会で学校の力量が見える

安田教育研究所 代表 安田 理

     

まだ学校開催よりオンライン

 9月に入り、学校で開く学校説明会の案内がポツポツ届きだした。が、まだオンライン(WEB)学校説明会の案内のほうが多数派である。

 学校で開く場合には、「3密」を避けるためには完全予約制で人数を制限すること、席間を空けることが必要だし、感染防止では教職員のフェイスシールド、来場者の入校時の検温、手指の消毒液の用意、玄関から会場までの消毒、椅子の消毒、トイレ使用の集中防止、冷房と換気の兼ね合い……ちょっと考えただけでも、先生・事務職員の負担はかなりのものになる。

 このようにかなり手間がかかるうえに人数的にも大勢を集められないので、これからもオンライン学校説明会を行う学校が多いだろう。

 で、これまで私が視聴した経験から気が付いたことを、ジャンルごとに整理してお届けしよう。自分ではとてもできないことを承知の上で、上から目線で申し訳ないが、お役に立ちたいという思いからなのでお許しいただきたい。ポイントのみの記述ではあるが、それでもご参考にはなると思う。

 箇条書きで記していくが、わかりやすくするために、良いと感じた点には〇を、改善したほうがいいと思った点には●を付けてみた。

形式は「ライブ説明会」?
「録画説明会」?

 オンライン学校説明会の場合、まさに学校説明会と同時にライブで視聴する形式と録画したものを一定期間視聴できる形式がある。「ライブ説明会」はZoom等を通じて視聴するので、当然事前にURLまたはQRコードから申し込んで、ミーティングID、パスコードを取得しておかなければならない。「録画説明会」は事前申し込みが必要なケースと学校のHP経由で視聴できるケース、学校指定のURLまたはQRコードから入るケースといろいろある。

 「ライブ説明会」はリアルな学校説明会に自宅から参加ということで、参加者は熱心なご家庭と判断でき、なおかつ学校側にとってはメールアドレスを取得できるというメリットがある。

 が、保護者側からすると、その日時に参加しなければならないという拘束感がある。オンライン学校説明会がなかったときはそれが当たり前の感覚であったが、オンラインで視聴することに慣れてくると、この拘束感がマイナスイメージになったりする。また1時間なり1時間半であるから内容的にも基本的なものになる。もちろん回数を多くして回ごとにテーマを設ければ、多様な情報を伝えることは可能である。

 「録画説明会」は後日の公開になるが、構成にいろいろ変化をつけられる。私が観た中には、最初の画面に、一本の樹から様々なカテゴリーの葉が出ている図があり、葉をクリックするとその内容に直接進めるようにできていた。これだと子どもが苦手な校長の話、入試結果などを飛ばして部活、生徒の様子などにダイレクトに進むことができる。視聴期間も2週間程度は設定できるようだ。その間なら夜でも休日でも視聴できるので視てもらいやすい。

 こうしてみてくると、両方の形式で実施するのがいいのではないだろうか。

目的は「学校情報」を伝えること?

 オンラインといえど主たる目的は「学校の教育内容の説明」「学校情報の伝達」。それはそうなのだが、以下のような学校が多い。

〈全体〉

●紙の学校案内をそのままWEB化したというものが多い。

●そのため一通り盛り込みすぎで、平板になってしまっている。

●固定したカメラの前に校長、進路指導部長、広報部長が入れ替わり出てくるパターン↓人物が替わるだけなので非常に長く感じ、退屈する。

●校長が登場するだけ。今後何回かアップする予定の第1回ということなのだろうが、沿革、建学の精神、教育方針、教育の全体像といった話になり、家族で見ているときにまったく盛り上がらない。第1回で惹きつけないと、次回以降にアクセスし てくれないのではないかと心配になった。

●オンライン学校説明会はリアルなそれよりはるかにたくさんの学校にアクセスする。回数多く発信するより、1回、1回を充実したものにした方がいい。

●6人の先生が登場した学校があったが多すぎ。受験生はとても持たない。

●逆に、校長以外、すべてのカテゴリーを1人の先生が説明した学校があった。人材不足もしくは協力者がいない、というイメージを持たれかねない。

△校長は画面の向こうにいるであろう受験生に向けて語り掛ける口調なのに、他の先生はリアルな説明会と同様に話しているから難しい言葉が普通に出てくる。統一感のないバラバラな印象を与える。

〇堅い話ばかりでは持たない。教育理念、教育用語はリビングにいる保護者・受験生に入っていかないが、先生の話の中に行事、普段の生活の映像を入れ込めば、変化に富むので長時間見てもらえる。

〇3部構成、4部構成になっていて、関心のあるテーマにダイレクトにアクセスできるようになっていると、実にバラエティーに富んだものを掲載できる。

〈校長の話〉

●パワポも字幕もなしで、顔出しでの話はキツイ。

〇挨拶だけで、「あとは担当から話させます」はマズイ。「学校全体を把握している」信頼感を持たせ、「自分がこの学校を牽引していく」姿勢を見せ、「生徒を自立した人間に育てる」といった強いメッセージ性を感じさせたい。

〇固定カメラの前で動かないで話すより、リアルな説明会でのように身振り手振りをし、カメラもそれに合わせてアップにしたり、引いたりすることで変化をつけると単調でなくなる。パワポを使わない場合も字幕を入れる。このコピーのセンスが意外に重要。

〈惹きつける工夫〉

リアルな説明会とオンライン説明会とは何が違うのだろう? 視聴する側から考えてみる。

  • リアルな説明会より格段に多くの学校を訪れることが可能……出かける時間がかからない。開催日しかダメということがない。
  • 家族全員で見られる……その場で意見を交わせる↓子どもの反応を保護者はダイレクトにつかめる↓リアルな説明会より、子ども(受験生)を意識することが必要。
  • リアルな説明会はわざわざ出かけてくるのであるから、「何かしら持って帰りたい」という積極的な姿勢で臨んでいる。一方オンライン説明会はリビングで気楽に視聴しているので、つまらなければすぐ退出してしまう。
  • リアルな説明会が話(耳)の内容の比重が大きいとすれば、オンライン説明会は耳からはあまり入らず(今回の私の経験でも)、画面(目)の比重が大きい……これから作成する場合、このことはぜひ意識していただきたい。

「信頼」と「安心」を得る方策

 「オンライン説明会は目の比重が大きい」「子ども(受験生)を意識することが大事」とお話ししたが、保護者の信頼、安心を獲得することももちろん大切。学校の状況によって「信頼」の中身はいろいろだろうが、総じていえることは「英語教育」「国際理解教育」「思考力」「表現力」「主体性」「多様性」……といった用語をいくら多用しても、抽象的な内容、どこでも語っているような語り口ではすでにどこかで聞いてしまっていて、敬意も信頼も得られない。

 こうして原稿を書く段になって、振り返った時に思い出すのは、数字やエピソードであり、オリジナルな言葉である。

〈プラスアルファがもたらすもの〉

 今回、学校の説明という幹以外の部分でより学校の差を感じた。1つは、
〇行事、普段の生活の映像で、「楽しそう、面白そうな学校」という気持ちを受験生に起こさせ、思わず「ここに行きたい!」と言わせることまで意図しているかどうかである。多くの学校は、説明、情報の提供で終わっている。

 もう1つは、
〇視聴している受験生・保護者の今に想像力を働かせているかどうかである。ある学校は最後に「『安心感』が子どもの頑張りの原動力」という話を持ってきた。コロナ禍で例年以上にストレスを抱えている保護者からすれば、この学校は現在の自分にまなざしを向けてくれていると感じるに違いない。

 学校の説明自体の巧拙の差はもちろん大きいが、最後に上げた2つの部分が案外学校選びに影響するのではないかと感じた次第である。


●安田 理氏 プロフィール

東京都出身。大手出版社にて雑誌の編集長を務めた後、教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。教職員研修・講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。「進学レーダー」、NEWSポスト&セブンなど各種新聞・雑誌、ウエブサイトにコラムを連載中。中高一貫校の理事、外部評議員も務める。
http://www.yasudaken.com/

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