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2020/3 塾ジャーナルより一部抜粋

2021年度医学部入試を目指す皆さんへ 【新学力テスト編】(第17回)

 

私立・国公立大学医学部に入ろう.com 平野 晃康

 
     

 英語の外部テスト導入の中止、記述式問題の中止など、センター試験からの切り替えの直前で多くの問題を露呈している新学力テストですが、その目標としている思考力の測定には変更はありません。また、記述式でないからと言ってこれまでのセンター試験と同じような出題にはならないでしょう。最後のセンター試験である2020年度本試験においても、数学や理科では新学力テストに向けた多くのメッセージが含まれていました。

 国公立大学医学部の一般入試(前期日程・後期日程)ではセンター試験の受験が必須で、私立大学医学部においても全募集人員の約20%をセンター試験利用入試での募集が占めています。このように医学部入試と密接に関係しているセンター試験ですが、新学力テストではどのように変わると考えられるか。2020年度入試の問題をもとに考察してみようと思います。

【2020年度センター試験にみる新テストへの意識】

【英語】

 外部試験問題で大きく揺れた英語ですが、センター試験最後の2020年度入試は2019年度入試と比べて出題形式、問題数に変化はなかった一方で、選択肢の難易度が上昇し、きちんとした文法知識と内容把握ができていないと正答が選べない形式となっていました。

 本来、2021年度入試において英語は外部試験に移行する予定だったため、今回のセンター試験の内容から新テストの内容を予想するのは適当でないでしょう。本来4技能型の外部試験が目指していたものを意識する可能性もあることから、会話文や個別の文法にとらわれない文章全体の理解が必要な問題などにも当たっておくようにしましょう。

【数学1A】

 データの分析と確率の難易度がやや高く、文系を中心に苦戦した人が多かったと思われます。データの分析においては正しい内容を記述した文章を選ばせる問題が出題されており、内容の理解ができていないと正答できなかったでしょう。また、集合と命題では反例を選ばせる問題が出題されました。確率は終了までの試行回数が決まっていないランダムウォークの問題で、試行の経路を書き込んでいくなどの方法を理解していないと場合分けでつまずく可能性があったでしょう。全体的に計算力より思考力・理解力を問う構成で、新テストでもこの形式が踏襲されると考えられます。

【数学ⅡB】

 微積分と数列の難易度がやや高く、こちらも文系を中心に苦戦した人が多かったと思われます。誘導や場合分けはオーソドックスだけれど、微積分においては二次関数の共通接線、パラメーターの変化によるグラフの動きを考えるなど、グラフについての知識がないとかなり苦戦することになったでしょう。また、漸化式においては「高校レベルの漸化式を解く」ためには何をすればよいかが理解できていないと取り組みにくかったと思われます。

【物理】

 分量は昨年度から変化していません。ただ、全体的に基本的な理解を問う問題が出題されました。例えば、第三問のドップラー効果の問題では、クインケ管を用いた問題でドップラー効果の公式の導出ができないと苦戦するでしょう。第二問のコンデンサーの問題は、あまり見慣れない形の複雑な回路の問題が出題されました。どことどこが等電位なのかをしっかりと考えて取り組めればそれほど難しくありませんが、公式を暗記している程度では解くことができないでしょう。全体的に理解していれば解けるが、単に問題慣れしただけだと厳しい内容だったと言えるでしょう。

【化学】

 グラフ問題が増えました。特に第二問の両対数プロットのグラフは試行テストに出題されたものでしたが、対策をしていなかった人はかなり戸惑ったと思われます。化学はこの問題を含む第二問の難易度がやや高く、化学反応の量的関係と熱化学の誘導問題や質量作用の法則から変色域を考えさせる問題など、柔軟さ、あるいは普段から高度な問題を解いておくなどの準備が要求される内容で差がついたと考えられます。

【生物】

 実験考察問題(グラフを含む)が増加して、マーク数が増えたため、理科の中では最も難化しました。知識としては教科書内容でクリアできるものがほとんどで、実験考察問題の難易度も高くはありませんが、代表的な実験の結果が理解できていないと厳しかったと考えられます。また、実験考察問題のいくつかでは、解答するために正確な知識が必要とされています。

【総括と対策】

 英語は未知数ですが、数学、物理、化学、生物では新テストで求められる思考力がどのようなものであるかが、はっきりと打ち出されていると考えられます。すなわち、公式の暗記・あてはめやパターン演習では点数が取りにくい(または取れない)ような出題意図が読み取れます。

 特に数学では確率、データの取り扱い、集合と命題、数列、関数(微積分を含む)、パラメーターによるグラフの軌跡、物理では力学、波動、熱、電磁気の重要公式の導出と背景理論の理解、化学ではグラフの読み取り問題、化学反応速度論(反応速度、平衡)での式の取り扱い、熱化学、生物では生命現象、生殖、生物の環境応答、生物の進化と系統などに注意が必要です。

 問題慣れをするよりも、センター試験より難易度の高い良問を、背景知識からしっかりと理解するような勉強法が望まれるでしょう。


平野 晃康 プロフィール

 名古屋セミナーグループ医進サクセス室長を経て、現在は私立・国公立大学医学部に入ろう.com代表。医学部受験の指導と正しい入試情報の普及に努める。入試情報誌「私大医学部入学試験を斬る2013」(名古屋セミナー出版)を編集・執筆、医療系データブック(大学通信)にコラムを寄稿。

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