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中学・高校受験:学びネット

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2019/1 塾ジャーナルより一部抜粋

2018年 第2回 中学入試を考える会

     

2018年度中学入試実績と2019年に向けての
中・大学入試動向を分析

 今年度2回目の「中学入試を考える会」では、前回に引き続き約100名もの私学関係者が集い、現時点での中学入試に関する情報共有が行われた。加えて大学入試改革の現状に関し、大学入試共通テストの試行調査の結果分析も交えて紹介。出題傾向の具体的な変化についても解説した。また英語4技能のフォロー情報として、学内留学や英語村などの英語学習プログラム、スマホで利用できる辞書アプリなどのプレゼンも行われた。

日能研東海代表が語る
これからの日本の教育

最初に日能研東海代表の野田幹人氏より近況報告を兼ねた挨拶があった。現在、野田氏は2019年4月に東京都調布市に開校予定のドルトン東京学園中等部・高等部の開校準備室長としても活動しているので、多忙を極めているという。調布に建設された本校は、各設備やICT環境も充実しており、募集も1学年100名で4学級、生徒1名に対して約10名の教員が対応できる体制を整えている。各方面からの期待を背負った新しい学校といえる。

大学入試では、文部科学省の私立大学「定員厳格化」措置により、合格者数を大幅に減らしたことで、首都圏・関西圏の私立大学は難化した。早慶を始めGMARCHへの入学が難しくなったことで、私立中学入試では、大学附属校に限らず、系列校も同様に人気が高まっている。このことは、私立高校入試も同様なことになっている。

現状の教育改革では、内閣府ならびに文部科学省中央教育審議会の提唱による「ソサエティ5・0」をもとに、国際社会の中で日本人としてどのような人材が必要かという今後の高等教育の方向性が議論されている。以前のようにただ学んで良い大学に入ることを目的とするのではなく、いかにこれからの国際社会の中で勝ち得る人材を作っていくのか、このグローバル社会の中で、活躍するとともに自分のやりたいことができる人材を学校の中で育てていくかが今後の課題であると語った。

増加傾向の受験率と
さまざまな受験形態

続いて、日能研東海学習推進部の藤原氏が、来年度の中学入試動向をパワーポイントの資料をもとに解説した。

昨年度の延べ受験者数は愛知・岐阜・三重ともに一昨年度を上回った。理由としては受験機会の増加や、さまざまな受験の形態が生まれたことが挙げられる。大学入試改革というキーワードも大きく響き、受験率自体も向上している。

2019年度の入試は1月12日からがピークとなり、この日は東海三県の12校で実施される。名古屋経済大学市邨中、名古屋経済大学高蔵中、名古屋女子大学中の三校は新たに1月前半入試の仲間入りをした。また、金城学院中が奨学金制度を新設、入試上位の生徒に奨学金を給付する。女子校では特待生入試の形式は珍しく、今後の動向が注目される。

愛知県では約8割の学校がWEB出願を導入するとしている。今後は全国的に定番の出願形式になると考えられ、現在が過渡期と考えられる。またWEBで合格発表を行う学校も年々増加。時間や場所を選ばず、定刻で合格状況が分かるため、家庭の負担が軽減される。

英語入試も増えており、今年はより具体的に英検の級を優遇条件に組みいれた学校もある。また、調査書や通知表について、入試に関係する割合などを気にする保護者が多いため、使用目的などの明示を提言。面接も減少傾向にあり、面接練習のない分、子どもたちが勉強に集中できる環境という。

全体的に愛知県は入試の前倒しが進んでおり、併願の幅が広がっている。受験率もますます増加し、今後の児童数の増加に伴いさらに受験者数増加につながっていくと考えられる。

首都圏・関西圏は、大学附属校に人気が集中するとともに、WEB出願の増加が顕著。東海地区ではほとんど見かけない午後入試が、関東圏では目に見えて増加している。上位校でも算数一科目だけの午後入試があり、得意科目のある子たちを取るという傾向が見られる。

入試動向解説の後、日能研東海の今年のイベント実施報告を行った。『愛知・岐阜・三重 私立中学校合同相談会』は、想定を超える1604名の来場者で賑わった。参加者は4、5年の子どもたちとその保護者が中心で、尾張地区からの来場者の増加が顕著だった。低学年限定イベントの『私立中学へ行ってみよう会』も台風が接近する中、260名110組もの参加者が来場した。

今年から新しく始めた『日能研東海ツアーズ』は、日能研生の保護者を対象に、平日学校を訪問し、授業風景など子どもたちの生の様子を見て、体験する企画だ。南山中男子部、名古屋女子大学中へのツアーがそれぞれ行われ、好評を得た。

大学入試改革の現状を
問題とともにレポート

後半は河合塾教育情報部の富沢氏から「大学入試改革の現状について」と題して報告が行われた。2021年からセンター試験に替わって実施される「大学入試共通テスト」は昨年7月に実施方針が文部科学省から発表された。現在に至るまでに試行調査が2回実施され、2018年11月に行われる3回目の調査を踏まえて2019年度初頭に実施大綱が策定される。現時点では共通テストの仕様の詳細について確定していないことも多く、各大学が共通テストの具体的な活用方法を公表するのはもう少し先になりそうだ。

共通テストは当面、実施日程・科目ともにセンター入試と同様に行われる。ただし数学と国語だけマークシート+記述式問題となる。また、英語4技能評価のために民間の資格試験が活用される。

昨年度の試行調査では、数学の記述式問題は数Ⅰから3問出題されたが、正答率は各問題1割未満。難易度も含め改善の余地ありという結果となった。国語は「生徒会活動内での部活動規約に関する議論」を題材に設問された。従来の文学や評論を扱うセンター試験の現代文とは異なり、身近な題材というのが大きなポイントだ。さまざまな文章や資料を読み込ませ、そこから解答を導き出す出題形式となっている。

問題作成の方向性としては「思考力・判断力・表現力」を一層問うものとなっている。今年度の試行調査では、平均点はセンター試験が6割程度になるように作成されるのに対し、5割程度になるように作問される。また、英語は筆記100点、リスニング100点の配点となり、センター試験に比べてリスニングの比重を高めた配点となった。2019年度初頭に発表される実施大綱が待たれるところだ。

最後に、アドバンストインターナショナルからのプレゼンが行われた。学内英語キャンプや学研プラスのオンライン英会話、辞書アプリなどの紹介を行った。

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