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2018/9 塾ジャーナルより一部抜粋

―関西私塾教育連盟結成55周年―
記念講演や記念式典に250名が参加連盟会員たちとともに祝う

 

2018年6月10日(日)大阪大成閣主催 関西私塾教育連盟

 
     

全国の塾団体の中で最も歴史あ る関西私塾教育連盟(以後:関私 連)が今年結成55 周年を迎え、6 月1 0 日(日)大阪の大成閣で盛大 に記念式典を開催した。私学や塾 および教育関連企業から250名 超が参加し共に祝った。式典は時 代を反映して英語をテーマとして おり、鳥枝義則理事長の英語での 挨拶を皮切りに、講演では須原秀 和氏やショウ・ブライアン氏によ る「英語で数学を教える方法」と 続いた。記念祝賀会では来賓から の挨拶も英語が入るなど、英語尽 くしのグローバルな5 5周年となっ た。

1963年。胸いっぱいの夢・強い志・子どもたちへの溢れる愛を持って若者が参集

55周年記念式典を開催できることは、最大の喜びと語る鳥枝義則理事長

 会場となる大成閣では、開催時間に は多くの参加者が訪れ、関私連の役員 ―関西私塾教育連盟結成55周年― や会員たち全員が出迎えての受付とな った。「5 5周年、おめでとうございま す!」との挨拶が飛び交い、久しぶり に出会う先生方のにこやかな表情が印 象的であり、関私連の普段のお付き合 いを象徴するような一面も垣間見えた。 大成閣の中でも一番大きな会場ではあ ったが、参加人数が250名と多く、 設置されたテーブル席は超満員となっ た。

 今回の55周年は英語がテーマで展開 された。式次第も英語で記載。“The 55th Anniversary of the Association of Kansai Private Juku School Education”

 鳥枝理事長が壇上に立つと会場は一 気に静まり緊張が走ったが、理事長は 機転を利かしてか「今回は英語の会と いうことで英語の原稿を暗唱してきま したが、直前になりましたら全部飛ん でしまいました」と笑いの前置き。参 加者にはすでに配布された挨拶の文面 (日本語と英語)があり、それをもと に英語で挨拶をした。

 「私が深く尊敬し、お慕いしており ます200人以上の方々にお越しいた だき、本日5 5周年記念式典を開催でき ますことは、私たちにとって最大の喜 びでございます。私たちの連盟、関私 連は私塾を主催していた若者たちによ って、1963年に設立されました。 設立者たちは、胸いっぱいの夢、強い 志、そして子どもたちへの溢れる愛を もって連盟に参集いたしました」  (日本語で、一部を紹介)

 会場から多くの拍手があり、第一部 の記念講演と移った。一講目は関西私 塾教育連盟理事の須原秀和氏。テーマ は「グローバル時代における教育、塾 からの指導法の提案」。二講目はショ ウ・ブライアン氏による「英語で数学 を教える方法」というオールイングリ ッシュでの講演。

独学ではじめた、小中生に英語で算数・数学の指導
講師 須原 秀和 氏

須原秀和氏は独自で考案したSUHARA式テキストを画期的だと紹介

 須原先生は自塾や大阪府立八尾高校 で実践されてきた『SUHARA 式 J-CLIL 教育テキストmathematics』 を使った授業風景を映像で紹介。 SUHARA 式テキストの考案について、 既存の教科書からオリジナルの「見開 き2頁で日英両言語参照型」の教材と してSUHARA 式ができるまでを語り 出した。

 語学力を高める主な教育方法には3 つある。1つは教科教育のイマージョ ン教育。2つ目は語学教師が教える語 学教育のCBI教育。3つ目は非ネイ ティブが教える、「科目と語学」の両 方の取得を目指す、語学教育の CLIL教育だと須原先生は話す。た だ、その定義は非常に難しく、定義を することにどれぐらいの意義があるの かという疑問を呈することも行われて いるという。

 「私はそのような指導理論の存在を 知らないままに、自分の楽しみとして 小中学生に英語で算数や数学を教えら れたら良いだろうなという思いで、7 ~8年前から独学でやってまいりまし た」と当時を振り返る。しかし、当時 はそういった教材が見つからず、本格 的に指導ができたのは2015年秋、 教育開発出版から発刊されたTHE S H I N - C H U - M O N 7 t h g r a d e と 2016年春に帰国子女用数学教科書 英語版との出会いがあったからだとい う。これに関しては、今回参加されて いた西大和学園の先生から「英語版の 数学の問題集が出ました」と塾の方に 持参されたことが良いきっかけとなっ たという。

 会場にはそのテキスト230冊が教 育開発出版から無償提供されている。

SUHARA式J-CLIL教育の誕生

 須原先生は独自で考案した SUHARA 式テキストについて、こう 語る。「これは、帰国子女用である数 学の英語の教科書を右側に、全く同じ 内容の日本語の教科書を左側に配し、 既存の教科書を単に見開き2頁にした だけのものです。ですが、当時はそう いう教科書すらなかったのです」。

関私連の出発点で一緒に勉強させてもらったと 話す平岡英信理事長

 そこで、須原先生はオリジナルの教 材として「見開き2頁で日英両言語参 照型」を『SUHARA 式』と名付けた。 出版社から自塾での使用許可も得てお り、「画期的なテキストである」と自 信を持って話した。

 教える者も、教えられる者も左の頁 に日本語があるというだけで、安心し て使えるテキストであり、これまでの 英語から日本語の思考過程に加えて、 世界共通の数式や図形・グラフなどに よって、日本語から英語にという新し い思考過程が加わることにより、生徒 には英語を身近に考えてもらえること がわかった。さらには、予想しなかっ たことも起こった。学校からは日本に きている留学生にも役に立つという評 価も出ているのだ。

 話は続く。自分が実践している教育 について、どのように定義するべきか を語る。「私が実践している算数・数 学の授業は、非ネイティブである日本 人ですから、英語イマージョン教育と は少し違う。教科教育という点で、 CBI教育でもCLIL教育とも違う。 CLIL教育はあくまでも語学教育で あり、自分がやっている内容とは質も レベルも違う」。

 こういった疑問から、須原先生は新 しいカテゴリーを提案した。その名を 「J-CLIL 教育」と命名し、なぜ、その 名になったかを力強く語った。

次の世代に関私連とのつながりをつないで行き たいと草島葉子校長

 「それは塾(JUKU)で始まり、他 の教科と英語が結合(JOIN)した教 科指導法であり、やがてこれから迎え るグローバル時代に、日本(JAPAN) 中に広がればという願いを込めて、3 つのJを組み合わせて、J-CLIL 教育 と名付けました」

 では、どれぐらいの英語を交えて指 導できるのか?指導者の英語力や指導 される側の生徒の英語力で臨機応変に できると話し、SUHARA 式J-CLIL 教育テキストを使った場合、アルファ ベットから勉強している中1の場合は 10%か ら 2 0%。中2で3 0%から4 0%。 中3で7 0%から8 0%が英語を交えて対 応できると話す。さらに2020年以 降、小学校で英語の授業がスタートす れば、中1でも最初から5 0%は指導で きるのではないかと期待を込められた。

 その後は、須原英数教室での SUHARA 式J-CLIL 教育テキストを 使った授業風景を映像で紹介した。 (講演の一部を抜粋)

 会場では、須原氏の画期的な取り組 みに脱帽している先生方が多く、講演 終了後には多くの拍手が鳴り響いた。

 2講目のショウ・ブライアン氏は全 国の学校や企業に授業や講演に出かけ 英語イマージョン教育の指導・普及に 取り組み、また『THE SHIN-CHUMON8th grade 9th grade』の監修も 担当している。オールイングリッシュ で、「英語で数学、ネイティブによる 英語での数学指導」「英語イマージョ ン教育」について、具体的な提案を行 った。

 また、この日出席者に配布された 『創立5 5周年記念誌』には、大阪教育 大学英語教育講座教授、加賀田哲也先 生の『2020年度以降の学校英語教 育の展望』と題する寄稿や、須原秀和 氏やショウ・ブライアン氏の原稿とそ の英語翻訳が掲載され、さながら学術 書のようだと、それを手にした先生方 からは好評を得ていた。

永年勤続職員表彰と祝賀会同窓会のようだと懐かしむ先生も

にこやかに閉会の辞を述べる山口幸子副理事 長

 講演終了後は第二部の記念式典へと 移り、祝電の披露や同連盟の亡くなら れた会員への黙祷が行われた。職員表 彰では永年勤続職員表彰として8人の 先生方が鳥枝理事長より表彰状を授与 された。各塾舎自慢の先生方が表彰さ れ、会場からは暖かな拍手が送られた。

 第三部の祝賀会では、会場はなごや かな雰囲気に一変。二人の来賓が登壇 した。平岡英信清風学園理事長は関私 連との付き合いは5 0年以上におよび、 今日は同窓会のようで、懐かしい先生 方と会えて嬉しいと語り、関私連の出 発点では一緒に勉強をさせてもらった ことも多かったと敬意を表した。そし て、英語でも挨拶を付け加えた。興国 高校の草島葉子校長は最初に流暢な英 語で挨拶をし、「平岡先生が勇気を持 って塾の先生から、いろいろな情報を 頂き、それを私の父の世代は教えて頂 いたと聞いております。一緒にカラオ ケを歌い一緒にお勉強をさせてもらっ たと。そうやって、つながってこられ たから、今、ここにつながりがあるの かなと感じています。これからは、平 岡先生とともに、次の世代につないで 行くべきだと強く思っています」と語 った。

 その後は各テーブルだけでなく、参 加者らは会場の中を行き交い、挨拶や 情報交換などが行われた。「肩肘のは らない会」として浸透している関私連 のメンバーとともに多くの先生方が語 り、笑い、なごやかな時間が続いた。 閉会の辞を山口幸子副理事長が述べる と、会場からは拍手や声援が飛びさら に盛り上がりをみせた。

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