本日訪問したのは、ステューディアコース中1生の英語授業。このコースは、中学より6年一貫教育のもと、少人数のクラス編成によるきめ細やかな指導で知られており、国公立大学および難関私立大学へも多数合格。記者が訪れた3月上旬時、東京大学と京都大学への合格者が出ており、新年度に向け好スタートを切ったところだ。
中1生の英語科教師長江先生は、大学でスペイン語学を専攻。卒業後、教育産業に7年間従事し、その後教職の道へと進み今年で5年目を迎える。この12年間、生徒を指導する要職に在る中で、一貫して変わらないものがあるという。それは、一人ひとりの生徒に寄り添うことの大切さ、褒めて伸ばすことの大切さ、夢を語ることの大切さだ。「教員の言動によってエネルギーややる気を起こさせたり、なくさせてしまったりしてしまいます。生徒たちが何事も真剣に取り組めるように、‘強い部活’をイメージした授業の雰囲気作りを心がけています」と長江先生は語る。
笑顔で教室に入り、明るい声と笑顔でオールイングリッシュ授業をスタートする長江先生。先生のネイティブな発音と体全体を使った表現力により、教室は英語を使ったコミュニケーションの場へと切り替わる。英語の授業における大きなテーマは生徒たちが身体で英語を吸収すること。文法事項を使わずなるべく声に出しながら、新しいことを自然に学べるように工夫しているという。
歌うようにオールイングリッシュで授業する長江先生。
本日から「比較級」の単元だ。最初にI am tall.の単文を示し、次に比較級にしたらどうなるかを例文で示す。tall の単語をlong large busy などといった異なる単語に言い換えて練習するパターンプラクティスである。こうした学習により、ごく簡単な文章の書き換え作文を瞬時に行う練習ができ、知識として理解している文法事項をアウトプットできる効果もある。また、例文などを絶えず生徒たちに答えさせていくことで、知らず知らずのうちにスピーキング力も身に付いていく。
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自律と自立を育む‘強い部活’のコーチのような存在として
文法用語を使わずに比較級の英文を
頭に叩き込み、その後で「文法はこう
ですよ」と比較級の様々なパターンを
確認していく。大成では、2020年
度の大学入試改革に向け「読む、聞く、
書く、話す」いわゆる4技能をバラン
スよく養う授業を展開。また、学年ご
とに英検の目標級を設定し、取得に向
けた対策も徹底している。
「中高一貫校は、入学した当初はまだ幼いです。勉強は、やらなければいけないことが積み重なり、その先に本当の楽しさや学ぶ喜びを味わえます。まずは、自分を律することができる"自律"から始まり、それができるようになって初めて親からの"自立"につながる。それをしっかり身につけられるよう指導しています」
流れるような英語のリズムやアクセントが
生徒たちの身体に自然に染み込んでいく。
長江先生は、広報の担当でもあり、保護者の方々と接する中で、大成の人間教育に魅力を感じていると言われる機会が多いという。大成中学柔道部は男女ともに中学三大大会を完全制覇した唯一の学校としても有名であり、文化祭や体育祭なども、すべて生徒主体で運営。少人数制であるため何事にも一生懸命に取り組む生徒たちを、教員たちも全力で応援する恵まれた環境が整っていることが人気の所以でもある。「学校は生徒たちが作るものですよと伝えています。大成には脈々と受け継がれている‘大成イズム’があるんです」強い部活には、きちんとした規律があり、生徒たちには覇気がある。英語科もまた、一つの部活だととらえているという長江先生。強く育っていく集団を引っ張っていくコーチのような存在として、長江先生の挑戦と活躍は続く。
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