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中学・高校受験:学びネット

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2018/5 塾ジャーナルより一部抜粋

現役塾長が実践中の塾教材活用法 第4回
中学生指導用教材その二

 

須原英数教室 塾長 須原 秀和氏

 
     

 私の教室の大きな特徴の一つは、国語の指導に力を入れていることだと思います。講師を雇わず妻と二人で40年近く生徒を指導し、感じますことは、国語力の大切さです。小学校低学年までにおける家庭での親子の会話の豊富さと、高学年における日本語で考える習慣が国語力の養成には欠かせないと思っています。国語力のない子はやがて高校の後半から学力を伸ばすことが難しいことや、進学校として実績を上げている学校では必ず優秀な国語の指導者が揃っているということが、長年の経験から言えると思います。材料がなければ料理が作れないように、知識がないと正しくそしてより深く考える力=智恵を付けることはできません。ですから、漢字や慣用句・ことわざ・故事成語あるいは文法などの知識も大切です。

 しかしさらに大切なことは、それらの知識をもとにどのようにして考える力を付けていくかです。例えば子供が読書をしたときに、楽しかった・面白かった・悲しかったと、単に単語だけの会話で終わらせるのではなく、なぜそう感じたのか、それはどの場面なのかなど、子供が文章で話ができるように、親や指導者が導き出してやる工夫をしなければ日本語で考える力=読解力は付かないと思っています。

 私の教室では、公立中学進学の小学生には育伸社の『ほ〜ぷ』を、中学受験の小学生にはエデュケーショナル・ネットワークの『私国立中学受験新演習』を教材として、小学生高学年を指導していることはすでにお話していますが、今回は中学生用指導教材として、2年生3月から3年生2月までの1年間使っています朝日新聞『今解き教室』を紹介させていただきます。

朝日新聞『今解き教室』との契約

 およそ10年前、新聞を読んでいた妻が『これいいんじゃない…』と、私に話しかけてきたことが『今解き教室』との出会いでした。今では新聞やテレビの宣伝でご存知の方も多いと思います。発刊当時は学校や大手塾のための教材として出発したために、契約は50名からというものでした。『超個人塾』『ザ・個人塾』などと言われている私のような小さな塾では10名集めるのも難しい状況でした。私は朝日新聞東京本社に電話を入れ、今解き教室の担当責任者の方と談判しました。『個人塾のような弱い立場にあるものを応援するのが新聞社の立場じゃないのですか!』と勢いに任せて言ったことを今でもはっきりと覚えています。結局10人で契約を結べるようにご配慮いただき、翌年からは2人で、さらに次の年からは個人でも申し込みが可能になったのです。

『今解き教室』の特徴

 さすがに新聞社が制作しているだけあって、毎月送られてくる『今解き教室』は新聞記事や写真を題材にしているカラー写真・図・表・グラフが大変豊富です。iPS細胞や2017年の総選挙あるいはビットコインといったように、テーマが多岐にわたりタイムリーな話題が掲載されています。社会全般の広い知識を得ることができるばかりではなく、また日本だけではなく世界の動きをも知ることができ、これを学ぶ生徒の視野が広がるのです。『今解き教室』にはこのようなグラビアや解説を中心とした部分と、もう一つ設問部分が用意されています。記事をもとにした問題編で、読解力・記述力を身に付けることができます。

 この10年ほどの間に『今解き教室』の体裁や内容なども何度か変化しています。発売の初年度から使っている経験からしますと、最初の2〜3年の『発展編』は確かにレベルが高く、高校受験の中学生にも十分対応できるものでした。しかし、現在の発展編は問題編の設問レベルが低く中学生には向かないなと思えるのが難点といえば難点です。『今解き教室』には『電子教材』がついており、その中の『天声人語ドリル』の問題で補充している状況です。

『今解き教室』授業風景

私の教室の時間割の都合上、今解き教室を指導できるのは月2回(1回1時間半、4月からは2時間)です。まずウオーミングアップとして、電子教材の『天声人語ドリル』を使って読解問題演習を1枚10分程度で行います。その後テキストに入り、毎号の特集記事(例えば、「地球環境」「暮らしと経済」「医療と健康」など)を生徒に音読させ、『年の功』をフルに活用し自分の体験を交えてわかりやすく解説していきます。新聞記事をもとに作成された読解問題・思考問題などを、少ない時間の関係上生徒には宿題として家庭学習をさせていますが、それを生徒に発表させて、生徒とともに考え議論し合う中で、生徒には『日本語で考える力』=『読解力』の養成を心がけています。2回目の授業の終わりには、付属の原稿用紙に書かせた課題作文を提出させ、こちらで添削指導したものを次回に返却するようにしています。

生徒の反応

グラビアカラーページが豊富で生徒の視覚に訴えてきますので『わかりやすい』とか、グラフや図表を読み取る力が付いたなどと大変好評です。学んだことを作文にすることによって、『書く力』が身に付いたという生徒も多くいます。作文の添削指導を続けていきますと、1年間の終わり頃にはずいぶんと上手に作文を書けるようになります。2万円余りを年間費用として朝日新聞社にお支払いしなければなりませんが、電子教材を含め月2千円弱では値打ちがあると思います。何より指導する側から感じることは、今まで興味のなかった事柄に関心を持つようになった生徒が増えたことや、現在自分たちの生きている社会情勢を知ることによって視野が広がった生徒になっているように思えることです。すなわち、一歩精神的な大人に成長した子が育ち、高校生以降の学習においても、『批判精神』が身に付いた視点からの学習を可能にしているのではないかと考えています。それが証拠に、大学受験を経験した教え子たちからは、『中学時代に勉強した今解き教室の学習が、大学受験勉強で役に立った』とよく話してくれるのです。予想もしなかった副産物です。

指導力が求められる教材

創塾以来、小学生から大学受験生まで国語の指導は妻が引き受けてくれています。『今解き教室』の授業に、高校の先生方が時折参観に来られます。口をそろえて言われることは『国語の授業というより総合学習の授業のようだ』ということです。20年近く前、『総合学習』の授業が世間を賑わせた頃に、この『今解き教室』が『教材』として存在していたら、文部科学省が唱えた『総合学習』もある程度成功していたかもしれません。写真・図・表・グラフが豊富にありますが、それを理解するには数学・理科・社会あるいは英語といった知識が必要となります。『今解き教室』は国語の教師にオールラウンドな指導力を求める『教材』でもあるのです。時々、机に向かって予習をしている妻の姿を見かけます。妻に感謝です。


須原 秀和氏 プロフィール

 1979年、須原英数教室を創塾。講師を雇わず妻と二人だけで指導。『学校の授業』と『自分の勉強』を大切にさせ、教えることばかりではなく、育てることに心を配る『塾教育』を実践。それをテーマに2013年9月、国際教育学会で発表。国際教育学会(ISE)正会員。2 0 1 7 年9月の国際教育学会にて『SUHARA式』テキストを使ったJ-CLIL教育について発表し、好評を得る。

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