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中学・高校受験:学びネット

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2017/11 塾ジャーナルより一部抜粋

〜成功事例に学ぶ〜

第1回 生徒を増やすためには@

齋藤 正志(さいとう まさし)
1954年生まれ。元「茨進グループ(株)」(現 株式会社茨進)の創業者で元代表取締役。大学生時代に実家の6畳2間、生徒数20名で「斎藤学習塾」を創業。その後「茨進グループ(株)」として法人化。2012年3月引退。引退時の規模は茨城県内に31教場、生徒数6,000名、売上額24億円。現在は実体験に基づいて若手塾経営者向けの勉強会「二創会」を主催。二創会代表(株式会社オフィスあかり代表取締役)

 今回から六回にわたりこのコーナーを担当させて戴くことになりました。過去の経験の中から少しでも有効なアドバイスをお伝えしたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 さて、第一回目の今回は、来月に迫った冬期講習と年明け早々に始まる新年度募集について書かせていただきたいと思います。

冬期講習

 先ずは冬期講習。時期が迫っていますので混乱されないように、ポイントを個別指導・クラス指導一点ずつに絞ってお話したいと思います。

 最初に個別指導の冬期講習から。今回お話するのは、コース分けした提案書を作成していますか?という、この一点です。

 個別だからと言って何もかも個別では、営業的に大きな無駄を生んでしまいます。確かに名は個別ですが、それは時間帯だけにして、カリキュラムや教材はできるだけコース分けして営業的に(講習の時期は特に)効率性を高めることが大切です。

 お預かりしている対象は各塾によっても異なるとは思いますが、大別すると、中学受験生、高校受験生、大学受験生、中学一・二年生、高校一・二年生、小学低学年、小学高学年、ということになりますでしょうか。そして、このグループのそれぞれに、例えば、「受験苦手三科コース」とか「五科コース」とか「復習&予習W強化コース」とか、あるいは「冬期特訓・理社国コース」などもあるかもしれません。そうしてコース名を付けてパターン化し、提案書を作成するわけです。

 ただ、ここで最も大切なことは、ご家庭に少し無理をしてとっていただきたいコースと、落としどころのコースを用意しておくということです。人は多くの場合、選択肢を用意されるとその選択肢の中から選ばざるを得ないと考えるものです。特にお母さん方はその傾向が強いように思います。「これ以外はダメなのか?」と尋ねてくるのは、もっぱらお父さん方です。

 この、少し無理をしてとって戴くコースと落としどころのコースの設定をお勧めするのには二つの理由があります。

 一つ目の理由は、落としどころの設定によって売り上げが下振れしないということです。それどころか、力のある教室長であれば上振れさせてくれます。ですから、その上振れの度合いによって教室長の営業成績が正しく評価できます。

 二つ目の理由は、営業のし易さです。特に、経験の浅い教室長の場合、コース設定があることによって面談前の準備が格段に軽減されますし、面談の際にもスムーズに提案ができると思います。

 ただ、ここで一つだけお願いしたいのは、ぜひオリジナルの提案書ファイルをお作りいただきたいということです。そこは塾長先生のこだわりをもって、偉人や有名スポーツ選手の名言やショートストーリー、あるいは卒塾者の笑顔などを載せ、講習に向けてのやる気を喚起していただきたいと思います。

 続いて、クラス指導の冬期講習。これも、一点に絞ってお話したいと思います。

 私が現役時代にクラス指導の講習生募集で一番成功させられたと思えるのは「ライバル紹介キャンペーン」です。内容は、新規二人で受講するとお互いの講習料が半額。内部生が新規の外部生を誘っても共に半額、三人の場合は全員三分の一になるという強烈なものです。

 こうお話すると、安さ目当ては継続しない、内部生の保護者からのクレームが心配、とお考えになる塾長先生も多いかと思います。それでは、安さ目当ては継続しない、から反論いたします。一般的なキャンペーンではその通りです。確かに、一人で(正規料金で)講習を受けにきてくれた生徒の方が意志が固くて継続してくれそうに思えます。が、答えはノーです。

 外部生にとってクラスに友達がいる、あるいは友達ができるということは、とても重要なことです。いくら意志が強固だからと言っても、知った顔のない中で継続するのはなかなか難しいことです。講師の教え方が上手いなどということより、友達がいるかいないかは生徒にとっては遥かに重要なことなのです。

 つまり、講習中に友達ができることが継続の可能性を格段にアップさせる(友達の作り方については別の機会に)わけですが、ライバル紹介キャンペーンで入ってくる生徒は最初から友達がいるわけですから、それは継続率が高くなるのは当たり前のことなのです。

 また、このキャンペーンの良いところは、半額にしようが三分の一にしようが売り上げは、減りはしないということです。もちろん増えはしませんが――。お分かりのようにこのキャンペーンは継続生をとるための奇策なのです。

 次に、(紹介する友達のいない)内部生の保護者からのクレームですが、これは私の現役時代(生徒六〇〇〇名)が全く心配のないことを実証しています。

新年度募集

 さて、最後に新年度生募集に関してですが、これも一点だけチラシ広告について簡潔にお話したいと思います。

 年が明けるや否や、大手は新年度生募集のチラシを折り込んできます。私も、当時は一月の第一日曜日を新年度募集のチラシの初回折り込み日と決めていましたから、一発目のチラシは冬期講習の前には完成させていました。(塾のチラシは火曜日折り込み、などという根拠のない風説に惑わされていませんか?私は毎回日曜日に折り込んでいました)

 チラシで塾長先生の頭をいちばん悩ませるのはキャッチコピーではないでしょうか。「新年度生募集」とだけいきなり書けるのは大手か、超有名塾。チラシがいつ出るのか待ち構えているご家庭が多いわけですから、キャッチコピーなどいらないのです。「新年度生募集」と過去の合格実績だけ載せておけば皆が喰らいついてきます。

 それに対して、中小塾が「新年度生募集」とだけ書いても誰も見向きもしてくれません。だからと言って、生徒に呼びかけるようなキャッチコピーを書いたところで、生徒は新聞折り込みのチラシなど見ないわけですから、これもまた的外れです。

 それでは一体どうすればいいのでしょうか。保護者がチラシをめくっていて目を留めてくれる塾のチラシを中小塾はどう作成すればよいのでしょうか?何を載せたら目を留めてくれるのでしょうか?――― それは私の経験則からして合格体験記に尽きると思います。もちろん顔写真付きです。

 同じ小学校、同じ中学・高校の先輩が載っているなら、少なくとも目を留めます。多くは体験記を読んでいただけます。たとえ合格者数は載せられなくても、合格体験記は載せられるでしょう。そしてインパクトを強めるために四色カラーの顔写真付きは絶対不可欠なのです。

 さて、紙幅の制限もありますので、今回はここまでとなります。次回は来年一月にお目にかかります。ただ、今月の十六日には東京八重洲の会場で講演会も行いますし、「二創会」のホームページでは月に二・三回はコラムを更新しております。少しは参考になることもあるかと思いますので、検索してぜひご覧になって下さい。尚、二〇一八年 B2判 感動カレンダーを無料配布していますので、よろしかったらどうぞご請求ください。
■http://www.akari-nisoukai.jp


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