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2016/9 塾ジャーナルより一部抜粋

十分な時間をかけた心のケアで
卒業後までを視野に入れた指導を行う

  広域通信制慶風高等学校奈良サポート校 奈良甘樫(あまかし)高等学院
学院長 林 賢治 さん
 
     
 和歌山県にある通信制の慶風高等学校のサポート校として、今年度春に開校した奈良甘樫高等学院。カウンセリングや指導経験豊富なベテラン教職員のみを採用し、生徒の学力と同時に心のケアを十分な時間をかけて行っている。教育内容を聞いたときから開校を心待ちにしていた生徒や保護者も多く、スタート時には定員40名に対し20名という人気ぶりを見せた。

凍った水道を緩やかに溶かすように
子どもたちの心を時間をかけて温める指導を

 和歌山県の慶風高等学校のサポート校として、今年4月に開校した奈良甘樫高等学院。中学〜高校時代に不登校になってしまった生徒や、精神的なストレス、疾病と闘うために通学が難しい生徒、発達障害などの問題を抱えている生徒など、学校へ行きたいが、登校できない子どもたち、学習や勉強する方法がわからなくなった子どもたちを受け入れ、次のステップを踏み出させることを教育目標としている。

 「甘樫に通う生徒は皆、さまざまな理由で心に傷を負った子どもたちです。彼らは凍り付いた冬の水道と同じで、力をかけて一度に水を流そうとすれば、蛇口そのものが壊れてしまう。ゆっくりと時間をかけ、保護者とも協力しながら、蛇口を緩めていき、生徒自身の力で自然に水が流れるようにしたいと考え、甘樫高等学院を設立しました」

 優しい声でそう語る林 賢治学院長は、国公立の進学高校から私立高校、通信制高校と、幅広い高校で教鞭を振るった実力ある教育者。その長い経験を踏まえ、自らが理想とする教育を行いたいという一心で、今年度4月に甘樫高等学院を立ち上げた。教室は静かな環境で、周辺に生徒の心を揺るがすような繁華街のない場所であり、交通至便で保護者の送迎が必要な生徒のために駐車場も併設している立地条件を探していたが、保護者の尽力で、その難しい条件をクリアする場所を探せたという。

 「生徒の中にはこれまでにカウンセラーや臨床心理士などの助力を受けても、状況が改善されなかった生徒も多く、非常に繊細な指導が必要です」

 開校前には近隣の中学や以前の教え子たちを対象に、教育の基本となる林学院長の学院に対する考えを伝える機会を設け、話を聞いた多くの保護者が開校を待ちわびていた。その結果、初年度の4月時点で入学を希望したのは20名超。開校時は数名の生徒で始めることが多いサポート校で、定員の半数に届く生徒数でスタートを切り、現在も年度途中での入学問い合わせが続いている。

難関校進学率より
生徒にベストマッチする進学先を

 教室は土足厳禁のきれいな木目調のフローリングの床で、靴を脱いで過ごすことで、生徒にリラックスさせることができる空間。10人程度が一緒に座り、集団指導ができる大きな机をセンターに置いており、その周囲には少人数、または個別で学べるスペースも設けてある。机同士や椅子の間のスペースも綿密な計算が教室設計時から行われ、近すぎず、されど離れすぎていない距離が保たれている。メンタル状態によっては他人とともに学ぶのが難しいと思われる生徒は、最初は個別指導による授業を受けることができるように、という配慮だが、それでも決して孤立するスペースにはならないように配置されているのが特徴だ。

 「他のテーブルで同級生たちが楽しそうに会話やディスカッションをしている様子が少しでも目に入るようにしています。そして少しずつ他人の存在に慣れ、自分も参加できると思えるようになれば、個別から少人数、そして集団での指導へと進めていくのです」

 この生徒の変化をあせることは絶対にしない。中学卒業で入学した生徒は3年かけてじっくりと心の開放を促していく。また、同時に卒業後の進路も時間をかけて考える。林学院長は近隣の大学の内容を熟知しており、オープンキャンパスやゼミ訪問にも参加。情報を総合的に見て、生徒が入れるレベルの大学への進学をすすめるのではなく、生徒が将来やりたい仕事や学ぶための環境を与えてくれる大学や専門学校への進学をアシストする。

 「現在、甘樫に通う生徒で進学を希望している生徒は全体の90%以上です。甘樫では生徒が進学先で何を学びたいのか、何のために進学するのかを十分に検討した上で、大学や専門学校へ送り出すことにしています。そうすることで、進学先で意欲を失ったり、目標が揺らいで、留年や退学するという状況に陥らず、生き生きとした学生生活が送れるのです」

 この『大学の難易度ではなく、ベストマッチで進学先を決める』方法は林学院長が以前から行っており、担当した生徒たちのほとんどが大学で留年やドロップアウトすることがない。また、生徒の資質に合わせた進学のため、成績重視の進学実績は重要視していないので、今後も広報やパンフレットなどに合格実績を発表する予定がないというのも甘樫高等学院の特徴である。

生徒のことを一番に考えた教育のため
教師はすべてカウンセラー

 基本となる教科の授業は平日午後から。午前中と午後4時以降の放課後の時間には個別指導や自主学習の他に、進学希望者向けの難易度の高い英語やテーマを決めた1コマ100分程度で大学のゼミ形式の特別授業などを行い、生徒の興味や選択範囲を広げていく。

 「心のケアを行いながら指導をするため、講師には教員免許を持ち、且つカウンセリングやメンタルケアの知識や経験のある教職員を募集しました。中には教員の不用意な言葉で不登校に陥った生徒もいるため、何か問題が起きることも考えられますが、そういう場合でも冷静に対応のできる人材が揃っています」

 学院長以下、全教職員が担任という意識をもって生徒の指導にあたっており、生徒にはどの教職員にも自由に話しかけて、さまざまな相談をしてほしいと話している。特に女子生徒は同性しか相談できないこともあるため、問題によっては学院長よりも女性の先生方が活躍する機会も少なくない。

 このように、細部まで丁寧な環境作りや指導を心がけている甘樫高等学院だが、将来的にはビジネスや商業、情報などの技術の指導などが行える技能連携校としてステップアップすることも視野に入れている。

 「設立の主旨や理念に沿った指導ができるのがサポート校の利点です。現状に満足せず、問題を一つひとつ丁寧に解決しながら、私の理想とする教育へのステップを登り続けたいと考えています」

 預かった生徒に責任を持ち、卒業までではなく、卒業後も安心と思えるよう育てていく奈良甘樫高等学院。信頼の置けるサポート校として新卒生だけでなく、年度中途の入学を希望する生徒も多く、定員40名が突破されるのもそう遠くはないと思われる。


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