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中学・高校受験:学びネット

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2016/9 塾ジャーナルより一部抜粋

塾「もっと知りたい」、学校「もっと知らせたい」
より多くの情報が正確に伝わる説明会のために

  塾対象学校説明会アンケート結果より  
     

 中学受験指導を行う塾にとって、生徒たちを送り出す中学校の情報は常に最新のものが必要となる。正確な多くの情報を入手するために最も有効なのが、受験する学校が開催する説明会に参加することだ。

 最近では学校側でも保護者や生徒に向けた説明会とは別に、塾対象の説明会を開催するところも多い。今回、塾ジャーナルでは読者である塾と全国の中学受験を行っている私学の両方を対象に塾対象学校説明会についてのアンケートを行った。

開催場所はホテルから学校へ
学校の本質を知る説明会を実施

 アンケートの対象は首都圏・関西圏を中心に、私学約400校を抽出して実施。東北や中国地域の私学からの返信もあった。その中で今年度、塾対象説明会を開催した・開催を予定している学校は322校に上る【グラフ1参照】。

 開催時期で最も多いのは夏期休暇明けの9月で、次いで6月。夏期休暇中の実力アップで秋口に受験校を決定しようと考える生徒が多いため、9月に説明会が集中するものと思われる。中には「8月末の開催を考えていたが、塾側から『その時期には参加が不可能』と言われ、断念した」という学校もあった。また、年2回開催するという学校では、6月と9月の2回に行う学校も多い。これは5月〜6月には進学実績や今年度の受験状況、昨年度の取り組みなどを、9月〜10月には来年度の入試内容を報告するというかたちで、時期によって内容が異なる場合もある。

 塾側も春の説明会で情報を収集、それをもとに夏前には志望校を決めるという方針がほとんど。秋には次年度の入試概要を入手して、合格を目指すことになる。そのため、同じ学校の説明会に春・秋をはじめ、複数回参加する塾も少なくない。

 一方、開催場所は学校で行うという回答が多数を占めた。以前は高級ホテルの会議室や広間を貸し切り、豪華な食事やさまざまなイベントグッズで参加者を引きつけようとする学校も少なくなかったが、最近は学校の本質を知りたいという要望が多いのか、校内での開催が最も多く、過半数を超える回答を得た。

 一方、校内以外ではホテル催事場をレンタルしたり、地域の商工会議所を借りるといった意見もあった。校外での開催を選んだ理由としては、「校内で工事を行っているので、駐車場のスペースが少なく、塾に迷惑をかけるため」「年々収容スペースが狭く、来ていただいた塾の関係者に不自由な思いをさせてしまう」といったものがあがった。

DMや直接連絡で告知
当日は塾専用資料の配付も

 一回の説明会で集まった塾関係者の数は50人以上、もしくは100人以上と答えた学校が全体の80%近く。この参加人数によって今後の受験者数が見込めるかという問いに対しては、「はい」「期待できる」という回答が4割。6割は「わからない」という回答だったが【グラフ2参照】、その中には「(説明会を)複数回開催してからわかる」「(時期が)もう少し経ったら期待値が上がる」という個別意見もあった。

 説明会開催の告知は、学校が保有している塾のリストを元に、DMの送付や直接連絡して行うという意見が多数。そのため「開催を知らなかった」という塾もあり、今後ホームページやメール、フェイスブックなどSNSでの告知が増え、説明会開催日などの情報を塾側が手軽に取得できるようになれば、さらに多くの塾からの参加が期待できると思われる。

 配付資料や説明会の内容については、生徒や保護者対象時とは異なる、塾説明会専用のものを用意した学校が多い【グラフ3参照】。内容の差としては「指導者的見地に対しての入試説明を行う」「入試時の成績基準や併願校について説明する」といったものが見られ、教員と塾講師という、生徒を指導する立場同士での冷静な情報提供をしている学校も。また、「詳細な入試情報を明確にし、塾生の受験の判断ができるように考慮した内容で進めている」という学校もあった。

 一方、塾側としては、保護者や生徒対象の説明会とは異なる配付資料や説明を得られるだけでなく、「学校の教育方針や取り組みを直に聞くことができる」「入試前にわざわざ学校に出向いて個別に説明を受けるより、公に説明会が開催されるほうが堂々と参加でき、必要な情報を入手しやすい」という意見が上がっていた。

学校改革内容から具体的なカリキュラムまで
欲しい情報は塾によってさまざま

 今回は学校側だけでなく、約400の個人塾に対してもアンケートを行った。実際に今年度塾長対象の説明会に参加(予定含む)するか、という問いでは、最も多い塾で20校を予定。平均で6校の説明会に参加するという結果が出た。中には「今まで塾長対象の説明会を実施していること自体を知らなかった」という塾もあり、学校からの連絡がまだまだ片寄っていることが明確になった。

 内容については、受験結果報告や大学入学実績などの数値だけでなく、入試の具体的な概要やカリキュラムの内容、学校改革など全体としての取り組みの説明といった、詳細についての説明を期待するという回答がほとんど。学校側でもその点を考慮して、コースの具体的な教育内容や今後の取り組みについて説明する学校は多いようだが、塾側の知りたい内容も「学校の明確な公約」「校長の考え方や理念」といった概要から、「英検は卒業まで何級を目指すのか」「奨学金制度の詳細は」「合格ラインの成績は」といった具体的なものまで幅広く、すべてを口頭で説明するのは不可能。「予定時間をオーバーし、事前に配布したアンケートの回収ができなかった」「時間が限られていて塾側の知りたいと期待する内容をすべて伝えられなかった」などが各学校の課題となっている。そのため、塾用の配付資料に詳細を載せている学校も多い。

 ただし「配付資料には載っていないような情報が知りたい」という塾側の意見もあり、互いにもっと知りたい、もっと知らせたいという思いがあるため、今後はさらに内容に磨きをかけた、より良い説明会が開催されていくと思われる。

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