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2016/9 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 田口塾に学べ!
ホームページなしでも口コミで集まる塾 厳しくも愛情ある指導に信頼

     

田口塾(神奈川県小田原市)
代表 田口 かおりさん

42歳。神奈川県真鶴町出身。大学卒業後「人のためにこんなに一生懸命になれる仕事がある」と感動し、神奈川県内の学習塾に就職。小・中学生を対象に集団授業を担当。10年間さまざまな学習塾で経験を積み、教室長代理まで務めるようになる。32歳のとき、独立して小田原市内に「田口塾」を開塾。小・中学生をメインに少人数による集団指導と個別指導を行っている。

 神奈川県小田原市で、「厳しいけれど面倒見のよい塾」として知られている「田口塾」。塾長の田口かおりさんが32歳のときに独立して開塾。今年、開塾10年の節目を迎えるアットホームな塾だ。授業ごとに生徒一人ひとりにコメントを書いて保護者に連絡する、個別指導では生徒の要望に応えて、さまざまな教材を用意するなどの丁寧な指導に定評があり、ホームページはないが、口コミや紹介で生徒が集まっている。

 家庭との連絡も密にとり、一緒に子どもと向き合っていこうとする姿勢にも大きな信頼を寄せられている。

短歌で報告し合う取り組みで
生徒の様子が見えてくる

 塾選びにインターネットを使うのが当たり前の今、田口塾にはホームページがない。

 「周囲からはホームページをつくったほうがいいと言われるのですが、私自身アナログな人間でスマホを持っていないんです」と、田口塾代表の田口かおり先生。ホームページを立ち上げると必ず更新をしなければいけない。その時間があるならば、いま通ってもらっている生徒や保護者との情報共有に使いたいと考えている。

 同塾では生徒ごとに学習状況を知らせるシートがあり、毎回授業のたびに田口先生が詳細なコメントを書いている。コメント欄には学習のアドバイスがびっしり。生徒一人ひとりの様子をしっかりと見守っていることがわかる。

 微笑ましいのは、生徒のGWの様子を短歌で表現してもらう取り組み。どのように過ごしていたかを生徒と保護者が短歌で報告。それに対する感想を田口先生が短歌で返すというもので、短歌にすることで、休み中の様子がイキイキと見えてくる。

 「保護者の方と連携して子どもたちと向き合っていきたいと考えていますので、このコメントも保護者印がないと、次回は省略させていただいています」と田口先生。コメントには良いことも悪いことも書く。宿題をやってこないなど、決められたことができないと厳しく指導する。

 「そこで妥協してしまうと塾のカラーが変わってしまいますし、親御さんの期待を裏切ることにもなります。その分、頑張ったことはきちんと褒めてあげたいと思っています。時には嬉しくなって、生徒が塾から帰る前に親御さんに電話してしまうこともあります」

 田口塾では「学力と基本姿勢は比例する」という方針の下、忘れ物はしない、人の話は最後まで聞くなど、勉強以外の生活態度にも指導が及ぶ。

 ある女子中学生は靴のかかとを踏む癖があった。田口先生はかかとを踏んではいけないこと、人の家に上がるときは靴を揃えること、きちんと挨拶をすることなどを生徒に伝えた。すると保護者から「靴を踏まなくなりました」と喜びの電話がきた。さらに学校でも教師の問いかけにハキハキと答えるようになり、そのことを褒められたことで本人のやる気がアップ。学校の成績も上がった。

 「田口塾は厳しいけれどもしっかり見てくれる」。こうした評判が口コミで広がり、ホームページがなくても入塾希望者が後を絶たない。

●運営のポイント
毎回の授業後に手書きのコメントを書き、生徒や保護者としっかり連携。口コミで入塾者を集める

小学生新聞や一般紙を活用し
コミュニケーション力をつける

 同塾は小学生と中学生の集団指導がメイン。小学生は1学年5〜7人、中学生でも最大8人の少人数クラスで、その他、個別指導も行っている。小3からの小学部は週1回英・国・算の3教科。中学生は週2回(中3は週3回)5教科を教えている。講師は田口先生の他に講師が2名いる他、個別指導の高校生の英語は高校の英語教員だった田口先生の父君が指導している。

 田口先生が集団指導で心がけているのは、生徒に発言させつつ、以前習ったことから新単元の内容を引っ張ってくること。英語ならbe動詞の過去形の疑問文をつくるとき、「現在形のときなら、be動詞の位置はどうなった?」と、極力生徒に気付かせる指導をしている。

 さらに自分の意見をきちんとまとめることができるように、小学生には朝日小学生新聞の記事を要約させることを続けている。今年からは中学生にも新聞記事の要約をスタート。中学生は一般の新聞を使用する。

 「神奈川の高校入試は面接がありますので、そのときに自分の気持ちを表現できるようになってほしい思いがあります。きちんと人とコミュニケーションが取れることは社会に出てからも必要です。大人になったときに『この塾に通っていて良かった』と気付いてもらえたら嬉しいですね」

 一方、個別指導では、田口先生が生徒一人ひとり要望に合うようカスタマイズした指導を行っている。内容も指導時間も自由に設定。現在通っている生徒は帰国子女、私立中学の生徒、学習障害のある生徒などさまざまで、生徒の学力と能力に合わせて柔軟に対応している。

 英語が堪能でも漢字が苦手な帰国子女の生徒は、朝日小学生新聞の記事を写し、それを英語に置き換えることで日本語として理解する学習を、キャビンアテンダントになる夢を持っている生徒には英検の二次試験(面接)を体験させるなど、田口先生のフットワークは軽い。

 そんな個別指導で田口先生が大切にしているのは、生徒の話をよく聞くことだ。

 「いつも考えているのは、生徒に晴れやかな気持ちで勉強してほしいということです。話すことで、すっきりした気持ちで勉強に臨んでもらいたいですね」

●指導のポイント
集団指導では生徒が自ら気付き、学んでいけるよう指導。個別指導では生徒の要望に合わせて柔軟に指導内容をカスタマイズ

塾を飛び出しワクワク体験
小学生の英語発表会も

 田口塾では、季節ごとに年4回イベントを行っている。春には遠足、夏には工場見学、秋には留学生を交えたハロウィンパーティー、冬にはそば打ちや恵方巻きづくりの体験等だ。

 「こうした体験を通して、勉強以外のいろいろなものに触れて、感じてほしいと思っています。塾では笑顔が見られる限界がありますから(笑)、イベントで子どもたちの元気な姿が見られると私も嬉しいです。特に男子ははしゃぎますね。こんなに元気な子だったのかと驚くこともあります」

 今後は小学生の英語の発表会も計画中。英語の歌を歌ったり、英語劇を上演したりと、活発な小学生の能力をさらに引き出したいと田口先生は考えている。

●運営のポイント
季節ごとのイベントで生徒にさまざまなことを体験させ、能力を引き出すキッカケとする

 

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