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中学・高校受験:学びネット

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2016/1 塾ジャーナルより一部抜粋

ズームアップインタビュー この人に聞く114
中学受験市場はまだまだ拡大する
私学と協働で顧客開拓に集中できる強み

     

株式会社 日能研関東
代表取締役 小嶋 隆さん

 創業43年目。創立時から「日能研」とともに全国展開の機軸を担う「日能研関東」。10年前に会長・小嶋 勇氏から代表取締役を引き継いだ小嶋 隆氏は、日能研関東グループ5社を、大胆かつ繊細なマーケティングセンスで牽引している。グループ売り上げ127億円、直属一教室あたり330人、在籍生総数12,000人。首都圏の中学受験専門塾の先駆者は、現代の世の動き、保護者・生徒の心をどう掌握しているのか。親子二代「塾屋」の立場に徹しながら、私学と切磋琢磨をしてきた業界のリーディング・カンパニーが、中学受験マーケット拡大の戦略を、いま赤裸々に解き明かす。

10年間で明確になったのは
「世間はまだ私学を知らない」

── 38歳で代表取締役に就任されてからの10年を振り返りつつ、今の心境をお聞かせください。

小嶋 まず、世の中のスピードが10年前とは全く違います。保護者・学校の意識、社会が求めるものも変わり、教育産業としてどうかかわるか、その準備はしていかなくてはならない。ただ、私たちの「やるべきこと」の軸は10年間変わっていないと思います。一つ目は子どもたちの成績を上げて、志望校に合格させること。ただし、合格させて終わりとは思わない。中学・高校で伸び続ける「地頭」を育てるという永遠のテーマがあります。二つ目は、私学の良さをどう伝えるか、中学受験マーケットを増やすためにどうしたら良いのか。日能研全体で対応していかなくてはならないと思っています。

── 少子化への企業戦略として、中・高・幼児と対象を広げて事業拡大する道もあります。

小嶋 弊社は「中学受験しか」やっていないので、そこにすべてのパワーを集中できるんです。私自身は「塾屋」だと思っています。多様な体験をさせる学校のようなものを創ろうとしているわけではない。私立学校とともに歩んできましたから、「今の私学が何を考えているか」に沿ってカリキュラムを作り、進めていく。それは私学との「協働」だと思っています。2020年の大学入試改革に向けて、中学入試問題はすでに変化している。私たちから何かを発信するのではなく、「私学が求める教育」から逆算して、エッセンスを加えていく。

── 具体的な取り組みとしては。

小嶋 昨年、実験的に無料テスト時の保護者会場を、親自身も含め、中学入試の経験がある層とない層の2つに分けました。日本全国で私立中学校数は7%にすぎません。大雑把に言って93%は公立出身者です。自身の経験値から、小学生からの塾通いや私立に行く意味や価値が全くわからない…というより「知らなくて当然」という人のほうが世間ではまだ圧倒的に多い。また「中学入試はどうせ詰め込み教育」と誤った情報をうのみにする人も。こうした層には日能研の話は一切せず、思考力や記述力を問う中学入試問題の事例を示し、私立中・高からの大学進学実績等を説明していきます。

── どんな反応が見られますか。

小嶋 これは私らのせいでもあるんですが、特に「偏差値50=平均で真ん中」というイメージから50以下だと「平均以下の私学」と見なす傾向が強い。説明会では、難関10大学の現役合格実績と学校別偏差値の表を示します。すると、偏差値50以下の学校の実績の卒業生比が200%を超えたり、そこまで行かずとも、卒業生比60%〜70%の10大学合格実績がある。「入学後に伸ばす」学校の存在を知るわけです。それが名前だけ知っている、印象が良くない、地味な学校と思っていると相当な衝撃を受けます。

 また「草の根運動」として、町の公民館で無料の「私立中学受験ミニ説明会」を昨年9月から実施しています。お申し込みの際、「住所・氏名・年齢・お子様の有無・学年の情報は一切不要、勧誘もしません。マーケットの話をしたいので集まってください」とハードルを下げたんです。そうしたら意外と集まる。アンケートも「提出は自由。中学受験に関して続きを知りたい方はぜひご住所を」という形にしたら、半分以上の人が書いてくれましたから。潜在的な関心度は高いんです。

── 中学受験マーケットはまだまだまだ開拓の余地があると。

小嶋 捉え方次第だと思うんですよね。少子化も首都圏全体での子どもの数は今後10年あまり変わらない。地域性はあります。既存の日能研も、多摩地区周辺は減少傾向ですが、武蔵小杉や大井町・汐留・豊洲の湾岸エリアは教室が足りない。多少強がりを言えば、予備校の生徒が5%減ると「何十万人」の世界。でも、中学受験マーケットは所詮5万人、5%減っても「何千人」の世界です。減ったらもちろん大打撃ですよ。パーセンテージの比率が違う。公立出身の保護者93%のうち、3%でも振り向かせられたら、私学マーケットはまだまだ成長すると、私は思っています。

「私学の価値・意味」を
伝えていくための妙案

小嶋 今の保護者は「建学の精神」だけに100万円は出しません。私は私学の先生と話をするときに「私学に100万円払う価値」をきちんとマーケットに伝えないといけない、とお話しています。弊社は中学受験しかやっていませんから、自分たちで資本を投入して、マーケットを大きくする努力をしないといけない。私らも頑張りますが「行きたい私学」のラインナップがそもそも増えなかったら、マーケットは買ってくれません。

 そこで、一昨年に立ち上げたのが「私学妙案研究所」。あえて「日能研関東」の名前は出さずに「私学妙案研究所の小嶋です」と名乗っています(笑)。

── 学校にどのような提案をする会社なのでしょうか。

小嶋 関心のない人にストレートに「私学、私学」と語りかけても敬遠されるだけ。そこで、全然違う要素を絡めて「私学を見せよう」と。

 オルセー美術館の公認レプリカを30数点、3校の私学で並べました。絵画を解説するのは生徒たち。昨年9月に開催の晃華学園では、9日間約4,000人の来場者のうち、半分が初めて私学に足を踏み入れた人たちでした。「こんなことができる生徒たちがいる学校とは」、「私学の内部ってこうなっているんだ」とギャップの反響がすごかった。「お金を出しても孫を入れたい」という声を聴き、より強く確信しました。「私学を知らないだけなんだ」と。

── 私学の先生方には、どういう働きかけを。

小嶋 例えば、首都圏380の私立校のうち100校がオルセーのような取り組みをしたとしたら、初めて私学に訪れた人が平均1,500人なら15万人ですよね。そのうち10%が私学に来たら大成功です。先生方にはそういう考え方をしませんか、と問いかけをしていきたいと思います。

小学生にとって真の成長が
親子の満足度を高める

── 「ガウディア」(河合塾との共同出資)では、幼児・小学生の学習教室の展開をなさっています。

小嶋 幼児・小学生を中心に、現在FCも含め、約350教室展開しています。その他に学童向け教材も提供しています。

 ここ最近の動きとしては、算数は全世界共通のコンテンツですので、算数の英語版教材を作成し、近々、ASEANを中心に海外輸出する予定です。現在、北米・イギリス・中国・台湾・香港・ジャカルタ・シンガポールなどでの販売展開が決まっています。

── 個別指導教室「ユリウス」では、中高生に指導対象を広げて、事業展開なさっています。

小嶋 個別指導は差別化がすごく難しいですね。

 「ユリウス」は中学受験対策の小学生が多く、個別指導の小学部の講師は90%近くが日能研卒なんです。講師が自分自身の中学受験経験を語れる。「ウチにはそういう強みを持つ先生がいますよ」ということをどう「見える化」していくのかが課題です。

── 講師研修のあり方も変わりますか。

小嶋 それらも含めて、保護者に「個別指導の使い方」をキチンと発信していかないと。今の親たちを見ていると、子どもの学習に「親の満足度」が優先される傾向がすごくあります。

 極端な例ですが、日能研の30人クラスで埋もれるわが子が忍びなくて、「マンツーマンでしっかり見てもらいましょう」と、個別指導に流れる。私も親だから「面倒を見てほしい」という想いはわかります。でも、子どもに「あとで個人的に聞けばいいや」という癖がついてしまうと中学に入ってからも依存傾向が続くかもしれません。だからスタッフには「ウチは1年でやめてほしい個別指導です」とキチンと伝えるようにと言っています。

── それは勇気が要ることですね。

小嶋 だけど、本当のこと。そういう部分での「差別化」を考えたい。ビジネスなら継続してもらうほうが断然良い。でも、親が求めるのは「子どもが自分で勉強する」ことであり、それがベストで本質ですから。

── それこそが、子ども自身の満足度につながっていくと。

小嶋 ただ、中学受験で難しいのは、お金を出す人と満足する人が違うんですよ。子どもは「すごく楽しい」と思っても、親が「ダメ」と判断したらやめさせる。そこは上手く発信して、両方を説得していかないといけないです。

── 親の価値観を変えたい想いはありますか。

小嶋 どんな考え方も正しい・悪いという見方はしません。ただ、中学受験に関しては知られていない、間違った情報も多い。日能研関東の今のキーワードは「伝える」より「伝わっているかどうか」。それが重要です。

── 子ども自体は、小嶋勇会長の時代に象徴される「熱い指導」を今も望んでいると思いますか。

小嶋 会長が言っていたのは「教師なんか誰でもなれる、恩師にならなければ」ということです。あの先生に教わったことが、今も自分の中で生きている、という何かが伝わらないと。

 それに弊社は相手が「小学生」なんですよね。目を見て、唾飛ばして、引きつけてテンション上げないと、小学生教育はできないと私は思います。

── 創業40年、日能研のスピリットは変わっていないと。

小嶋 変えるつもりもない。変わるときが来るとしたら、そのときは「塾」として最期だと思います。

── 御社の真の原動力を感じます。この度はありがとうございました。

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