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2015/11 塾ジャーナルより一部抜粋

第一希望の決め手は「教育内容」。相談は「予備校・塾の先生」
大学受験に関するアンケート結果から見えるもの

  調査分析:株式会社オプト・ジャパン
(入学検定料収納代行に関するシステム開発・運用、
インターネット出願および入試関連サービスを提供)
 
     
 (株)オプト・ジャパン(柳田謙治代表取締役)が主催する大学受験志望校選定に関するアンケート結果が発表され、話題となっている。調査対象は大学受験志願者(以下、志願者)と保護者。3,000名弱が回答し、比率は志願者と保護者が約半数ずつとなった。

 「1年の受験期間に何校受けるのか」という設問においては、全国的に多かったのが「5校以上」という答え【グラフ1参照】。受験内容が新指導要領に基づく出題に移行しており、浪人は避けたいという意識が働いたこと。さらに一般家庭には影響の少ない現在の景気回復傾向もあり、安全策をとった家庭が多かったことも原因と思われる。また、地域ごとの差も大きく、特に関東地域では60%近い数が「5校以上」と答え、最も低い結果となった東北の約21%と比較して3倍近い差が出た。地域内の大学が多いか少ないか、選択肢の差が出た結果となった。

 その志願者たちに第一志望校の決め手を問う設問(複数回答)ではその多くが「教育内容が充実している」を挙げ、「(学校の)知名度が高い」や「(大学名の)ブランドへの憧れ」を引き離した【グラフ2-1参照】。

 ただし、この区分には回答者が第一志望とする大学の種類で差が表れた【グラフ2-2参照】。第一志望校が国立の志願者または保護者は「教育内容が充実している」より「学校の種類(国公立/女子大等)」で決定したという数が多い。この学校の種類での選択は、全体結果では全体の約37%であり、総合4位となっているため、結果を逆転した形となる。特に第一志望校が公立の志願者または保護者は、「学校の種類(国公立/女子大等)」と答えたのが全体の約92%。「教育内容が充実している」を選択したのは約56%にとどまり、その差が大きく開いたのが特徴である。

 前年度比較では国立に大きな変化があり、「教育内容が充実している」は約8%減少。「学校の設備・雰囲気がよい」・「知名度が高い」は約5%増加した。これにより、国立大学希望者は学名のイメージに大きな影響を受けていることがうかがえる。

 受験する大学を決める際に最も参考になった意見を問う設問は、志願者に対してのみ行われた【グラフ3-1参照】。その結果、全体では僅差ではあるが、「予備校・塾の先生」が1位となり、昨年の「高校の先生」を上回った。ただし、男女別に見ると、「母親」とした女子が約26%あったのに対し、男子は半数となる約13%。「高校の先生」、「予備校・塾の先生」と答えた割合には大きな差はないものの、男子は最も多い回答が「誰にも相談していない」であり、この結果は3年連続で同じ。男子は自分の意志で進路を決定する志願者が相変わらず多いことがうかがえる。これは大学出願校を決めるための最も参考となった情報が、「大学のホームページ」という他のアンケートの結果を踏まえて考察すると、他者に頼らずともネット環境の充実により、個々での情報入手が容易になったことも、その一因ではないかと思われる。

 地域別に見ると、どの地域も「母親」、「高校の先生」、「予備校・塾の先生」が多い傾向だが、地域ごとに異なる結果が出た【グラフ3-2参照】。

 また、全体解答と比較したとき、その差が顕著なのは中国地域。「高校の先生」と「誰にも相談していない」という答えが最も多い同比となり、次いで「予備校・塾の先生」という結果に。また、「父親」との答えは全国的にも低いが、特に中国地域では0%。「母親」という答えも全国的に最も低い12%足らずであり、「母親」、「父親」の合計が最も多い四国地域とは大きな差が出た。

 全体回答の昨年度との差も大きく、「高校の先生」と「予備校・塾の先生」が1位と2位で逆転。新学習指導要領の影響で毎年受験内容が大きく動く現状では、学校より頻繁に受験生と向き合うため、より多くの情報を入手し、傾向を分析している予備校や塾への信頼が高まったためと思われる。

 2015年の入試は一部新課程に移行が始まっており、2016年には全面移行する。また、家庭状況も反映して、浪人してまで第一志望の大学へ…と考える志願者が減少したこともアンケート結果が表している。

 今後、ネット環境がさらに整備され、情報の入手先や受験校の決定にかかわる意見を誰から受け取るのかなど、来年以降もアンケートには大きな動きが出てくると予想されるが、ネットから得られる情報には必ずしも正確とは言えないものも含まれている。より正しい情報をどれだけ自ら引き出すことができるか、予備校や高校の先生ではなく、志願者自身にも求められていくことになるだろう。


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