東海地域で強い
中学受験塾を設立
名古屋セミナーと資本提携を行った浜学園だが、もともとの塾のカラーを消すことはなく、両社の強さを合致できるように、新たな塾設置を行ったのが、このMY SHiFTだ。現在400名の塾生が学んでおり、その中で中学受験を目指す生徒は約半数。愛知県では、中学受験に失敗し、公立中学に入学しても、トップクラスの成績で高校受験に臨めるため、生徒たちは積極的に中学受験に挑んでいる。
「MY SHiFTは中学受験指導では東海地区の中学校に重点を置いています。また、小学校低学年での基礎力を磨くなら「なごやはま道場」、個別指導を受けたいなら「HAMAX」と、それぞれ専門分野でコースを分け、中学受験をしない生徒の学力アップにも力を注いでいます」(村上正取締役)
「MY SHiFTでは手厚く指導してほしいと願う生徒が集まっておりますので、志望校ごとの教材を充実させ、一人ひとりのニーズに合った指導をしています」(杉原成彦部長)
教材はオリジナルのものを使用。細かく難易度が設定されており、現状の学力に合わせた的確な対応ができる内容になっている。また、教室運営やイベントに関しては、現場の若い社員が中心になって企画し、運営をしているが、保護者との個人面談は、杉原部長も一人につき、年に数回はこなしている。もちろん、そのときの情報は共有され、即座に生徒指導に反映されることになる。さらに講師陣は自分の授業を動画で撮影、講師同士がそれを見ることで、お互いの授業内容や方針を評価し、より良い指導ができるように自分たちで努力している。
「まだMY SHiFTは創設したばかりの若い塾です。そのため、短所を一つひとつ追求するよりも、前向きに長所を伸ばすことで、短所を消していく方向で進んでいます。また、上司からの指示で動くのではなく、現場に携わる者の意見を重視するので、スタッフ同士のチームワークが非常に良いのも自慢ですね。MY SHiFTの名前をどれひとつ欠けさせないように、スタッフ全員が力を合わせて塾を伸ばしていく時期だと考えています」(村上)
今年度より講師の採用枠も少しずつ増やしていき、名大附属中学受検コースには過半数が合格することを目標にして、指導内容の研究を続けていくという。
価値観は塾でさまざま
他塾を意識しても
真似はしない
名古屋の私立中学では、約1ヵ月間にわたって複数回の受験が可能で、入学チャンスが多いのが特徴。だが、名大附属中学受検は非常に情報が少なく、受験生にとって厳しい関門である。在校生が話す内容や学校側の発表する情報を精査し、受検に役立つようにまとめて生徒に渡したり、カリキュラムや授業内容に反映したりするのがMY SHiFTの名大附属中学受検コースだ。また、入学のための適性検査を想定したオープン模試や、専用の作文用紙を使った誤字脱字・着眼点のポイントなどを教える作文指導も実践している。これはすべてMY SHiFTのオリジナルであり、他塾がやっているから取り入れたというものではない。
「他塾には他塾の良いところがあるでしょうが、あえてその運営方法を学んだり、研究することはありません。塾個々の教育論は異なるため、我々の目指すものとは合わない可能性もあります。ですから、MY SHiFTではMY SHiFTの良いところを全面的に出して、価値観が合う生徒や保護者に選んでいただければいいと、社員にも話しています」(村上)
独自の考えや企画内容で勝負するMY SHiFTでは、塾のチラシも個性的だ。まず、塾ではあまり使用しない赤をイメージカラーに打ち出し、必ずイベントを掲載する。また、Webサイトも大きく表示。ホームページやブログの更新もこまめに行っている。常に新しいものがあることで、見る人の興味を引くためだ。
「浜学園は中学受験においては大きなブランド名。その浜学園グループであることで、保護者が安心感を抱いて、子どもを預けていただけます。これもグループ化のメリットのひとつですね」(杉原)
こういったさまざまなMY SHiFTの努力の結果、塾生は立ち上げたときの倍に達した。目標はMY SHiFTだけで、現在の400名の塾生を500名まで増やすことと、村上取締役は語るが、一方で「焦らずに」という言葉も付け加えた。
「生徒や保護者に対して、満足のいく指導をすること。そして、全員を合格させること、これが塾の使命だと考えています。それができれば、自然と生徒は集まってくるでしょう」
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