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中学・高校受験:学びネット

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2015/3 塾ジャーナルより一部抜粋

ズームアップインタビュー この人に聞く111
「あくまでも業者として」
変わらぬ考えで、正確な成績診断を

     

株式会社 五ツ木書房
代表取締役社長 岡本 不二男さん

 1956年の創立以来、数多くの生徒の成績を伸ばす教材作成や模試を続けてきた五ツ木書房。変化する教育内容に合わせた模試や教材作成だけでなく、模試を受けた生徒の正確な成績分析や志望校への合格判定などで、60年の長い間変わらぬ高い信頼を寄せられている。今では関西の学校や塾で『五ツ木』の名前を知らない人を探すほうが難しい。その確固たる立場を築いてきた企業を支えているのは、意外にも『業者としての自覚』だという。岡本社長にインタビューを行った。

創業60年、一貫して
立場を踏まえた業績

── 創業からの沿革を教えていただけますか。

岡本 創業は1956年で、来年60周年を迎えます。当初は学校直販のテストや問題集、ドリルなどの教材の出版・販売を中心に事業を展開しており、学校の先生方に自社の商品をPRして生徒に使用していただくことで、販路を広げていました。1960年には中学1・2年対象の学力テスト会を、1962年には高校入試模擬テスト会を開始。

 その頃、大阪府や市の統一テストが徐々に減り、業者の模擬テストが増えていったのです。他社との競合の中、五ツ木書房は信頼を勝ち取り、伸びていくことができました。1981年には現在の大阪市鶴見区へ社屋を新築移転しました。

── 民間の教育関係者として、長く生徒たちを導かれてきたのですね。

岡本 いいえ、我々は教育関連の仕事をしていますが、立場はあくまでも『業者』です。これは弊社の創業者の考えであり、直接、生徒の進路指導に踏み込むことはありません。先生方の進路指導の役に立つデータを提供することを基本として、できるだけ先生方や受験生の力になれるように、考え抜いた模試を行っています。業者の立場を自覚しつつ、生徒の成績や卒業後の進路追跡などの膨大なデータをもとに、適切な志望校選択ができるよう、五ツ木書房としての資料を作成しています。

── 開始当時の五ツ木模試は、今とどのような点が違ったのでしょう。

岡本 高校入試模擬テスト会では、当初は私立の高校や大学を会場に借り、社員や大学生が試験監督をする公開テストを行っていました。しかし、模擬試験の結果を進路指導の資料としたいと考えられる中学では、校内でテストを行い、先生方が試験監督をする形で、生徒の9割以上が受験していました。

 こういった形で受験生が年々増加していったため、志望校合格基準に達するかどうかの判定に、五ツ木の模擬テストが大きなウエイトを占めるようになったのです。

── 今は学校内で試験をしておられませんよね。

岡本 一部のマスコミがこの模擬テストのやり方を「学校と業者の癒着」と指摘し、それをきっかけに、業者テストと偏差値による合格判定が問題になりました。このままでは学校側に迷惑がかかってしまうと判断し、校内でのテストをやめて、会場で公開テストを行う形式に切り替えたのです。受験申し込みについても、学校指示の受験ではなく、希望者のみを対象とし、受付は学校の近くにある文具店や書店と提携して行うシステムを構築しました。このため、一時は受験者数が減りましたが、やはり模擬テストやその結果分析、志望校の合格判定などは受験生に必要なものでしたから、少しずつ回復してきました。

 その後、駸々堂からの営業権譲渡により、「五ツ木・駸々堂中学進学学力テスト会」を開始。高校受験生を対象とする模擬テストと同様、中学受験生を対象にした模試として、中学受験を目指す多くの小学生たちに利用していただいています。

── 中学生と小学生で、異なるテスト会を実施される理由は。

岡本 同じ受験生と呼ばれる立場でも、中学生と小学生では考え方も受験層も全く異なります。そのために別々の形で進めることが良策です。2008年には「五ツ木・京都模擬テスト会」を始め、京都の高校受験生に対応するようになりました。これは、もともと北大路書房が北大路高校入試模擬試験として行っていた模試を五ツ木書房が引き継ぎ、進めているものです。

少子化や不況でも受験生増
高い信頼性を持つ五ツ木模試

── 少子化に伴い、全国的に受験生が減っていますが、その影響はいかがですか。

岡本 確かに少子化の影響は感じています。そのため、ひとりの受験生が模試を複数回受験するように、価値のあるデータを打ち出しています。模試は毎回問題内容が異なり、生徒の得意範囲や苦手範囲が多く出る可能性もあるため、1〜2回受けただけでは、本当の実力が把握できません。繰り返し受験することで、正確な学力診断と弱点克服ができ、さらに試験会場の雰囲気に慣れることで、本番の受験に対するモチベーションも上がります。年間8回行う中学3年生の五ツ木模試で、受験人数は第6回がピークになっていますが、他の回の人数をもっと増やしていければと考えています。

── 中学受験生のほうはいかがでしょう。

岡本 不況の影響もあり、中学受験は総体的に減っています。そのため、5年生から志望する私学を会場として受験できる模試を行い、模試と同時に私学の良さをアピールすることで、中学受験を推進できればと思っています。また、中学受験の模試の性格も変化しています。以前は、主として志望校の合格判定が求められました。近年は模試の結果を、推薦入学や特待生の選考の資料として利用される中学校が増えてきました。そのため、合格判定に加えて、個々の受験生の全体の中での正確な位置付けが求められています。

── 塾からも五ツ木模試を受けるように推薦されるほど、信頼性が高いのですね。

岡本 五ツ木模試は会場を別に設けて実施しており、試験監督も厳選したスタッフが行います。受験する生徒全員が同じ立場で試験を受けられる公平な模試であるからこそ、信頼も多く寄せられていると思います。

── 採点でミスが出ない工夫などは、どのようにされているのですか。

岡本 模擬テストでは、解答用紙をスキャンし、解答を問題ごとにバラバラにデータ化して、1問につき2人がパソコンで採点することで、ミスを防いでいます。以前は、成績や学力診断表のみを送付していましたが、受験生から「答案用紙も返却してほしい」と希望が寄せられていました。

 しかし、解答用紙を郵送すると郵便事故などで到着しない危険性があり、受験生全員の解答用紙を複製することも容易ではなかったため、なかなか実現できなかったのです。このスキャニングシステムは、採点ミスをなくすばかりでなく、解答用紙を返却する際の懸念を解消し、受験生に渡せるようにもなりました。

── では、現在は解答用紙が手元に戻るのですね。

岡本 はい。正誤の示された解答用紙に、生徒一人ひとりに合わせたアドバイス、得意と苦手が一目でわかるグラフが添付されています。また、学力診断表には現在の成績での合格圏校や挑戦校、どの項目を克服すれば合格圏内に近づけるかなど、詳しく記載されており、先生方や受験生のより良い進路指導につながっています。一方、翌年以降の判断材料とするため、受験生の協力を得て、卒業後の進路状況などの情報も収集、データベースとしています。

── お話を聞いていると、非常に手間がかかっているのがわかります。問題作成だけでも大変なのに、コストがかかりすぎるのではないですか。

岡本 確かに問題作成には、多くの専門のスタッフや執筆者がかかわっているため、時間や費用もかかります。しかし、他の業務内容を省いたり、無駄を排除したりして、模擬テストと学校教材を中心に安定した経営を行うことで、内容を充実させています。現在、それぞれのテスト会の受験生の数も、学校教材の売り上げも増えていく状態を保っています。

変化する教育に対応し
より求められる教材と模試を

── 最近は、社長自ら塾団体のイベントへの参加や講演なども行われています。

岡本 はい。あくまでも教育者ではなく、業者としての立場ですが、要請があれば、応じさせていただきます。大阪府公立高校では、ここ数年、大きく入試制度が変更されています。それに伴い、受験生の動向も変化してきています。その変化は、いち早く模擬テストのデータにも表れますし、卒業後の進路状況もその動向を探る大きな材料となります。あくまでも、弊社の予想・予測ではなく、実態の数値を提供させていただき、一緒に考えるという姿勢でおります。当然ですが、個々の生徒が本当の自分に合った学校に入学できるための有益な資料を提供できるよう努力しています。また、入試制度の変更に合わせた模擬テストにするべく、素早い対応もしています。

── 今後、実践する新しい取り組みがあれば、聞かせてください。

岡本 私の就任後は、模試と学校教材の2つで安定した経営を図っていますが、余力が出るようになれば、他も考えたいですね。私としましては、幼児教育を行いたいという希望はあります。小さな子どもは周囲の環境で学びの基礎を作ります。本をたくさん読める環境にいる子ども、教育熱心な親を持つ子どもなど、与えられる環境が幼児の発達に大きな影響を及ぼします。どの子どもにもふさわしい教育環境を与えられるようなシステムが構築できればと考えています。

 また、大阪府の高校入試が大きく変化するため、その進学に対する不安を解消するようなコンテンツづくりにはすでに取り組んでいますが、今後の大学入試改革による高校の授業内容の変貌や、その変化に対応できる習熟教材や評価教材は必須です。また、タブレットを使う授業などICT教育から目が離せません。いかなる状況の変化の中にあっても、教育の道一筋に常に社会から必要とされる企業たるべく邁進していきたいと思っております。

── これからのさらなる発展をお祈りしております。

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