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2015/3 塾ジャーナルより一部抜粋

緊急取材 個人塾が生き残りをかけて共闘を
グループ化により安定した運営が

  マックス教育グループ/フル・マインド学習塾(大阪府) 代表 濱田 和幸さん  
     
少子化や不況で、個人塾の運営の厳しさが加速。その上大手塾の地方展開が続き、老舗個人塾が運営の危機にさらされている地域も少なくない。さらに個人同士の生徒獲得と、まさに「勝ち残り」を賭けた戦いが全国で始まっている。
この戦いで教室を閉じている塾を横目に「個人塾が手を取り合い、協調し合って伸びていこう」という考えを実践しようと、ある塾長が立ち上がった。それが大阪にあるフル・マインド学習塾を率いる濱田和幸塾長と6つの塾が手を組んだ『マックス教育グループ』である。

互いに手をつなぎ
相互の収益アップを目指したい

 濱田代表が運営するフル・マインド学習塾は現在3教室。以前は4教室あったものの、大手塾進出の影響を受け、残念ながら1教室は閉じた。しかし、残りの3教室は安定した運営状況を保ち、塾長としての多忙な日々を送っている。

 「開塾して10年目、周辺地域に名前が知られてきた頃に、有名大手塾が近隣に教室を展開してきたのです。その状況で生き残るには、塾として磐石の運営体制を取る必要がありました。そのためにはどうすればいいかと考えた時、グループ化構想が思い浮かんだのです」

 最近では、塾見学や体験授業より口コミで塾を選ぶ保護者や生徒が多い。大手塾は教室数や塾生が多いため、口コミ数も個人塾の比ではないから、高い評価を得やすく、入塾希望者に安心感を与えることが容易だ。しかし、個人塾が急に教室数を増やすことはできない。そこで濱田代表は、フル・マインドのように地域に根ざしてはいるが、大手塾の進出で、戦々恐々としている個人塾に声をかけることに決めた。

 「最初は『協力といっても売り上げの数パーセントを回収する話か』と疑われました。しかし、真摯に話をし、費用は事務費のみで安価なこと。グループでまとまれば教室数が一見増加するので、生徒の安心感も高まることなどをプレゼン。相互協力して収益アップを目指したいと訴えたのです」

 アドバンスアカデミーは設立30年以上。北摂を中心に展開している老舗塾だが、展開先のひとつで大手塾複数が競争を激烈化。その影響を受け、一時期13あった教室が6教室に減数していた状況だった。このアドバンスアカデミーと創立60年を超える北野ゼミは経営統合しており、アドバンスアカデミーと同時にグループに参加することが決定した。

 アップ進学塾はハイレベル校への進学率の高さで人気の塾で、開塾33年。フル・マインドの教室に近く、広告配布地域で重なることもあった。グループになることで、生徒の通学範囲を設定、その範囲を超えて問い合わせがあった場合は、相互に教室を紹介する取り決めを組み立てた。これにより、チラシ枚数の制限や校区違いによる指導のしにくさを軽減できたのだ。

 こうして2011年、4塾でマックス教育グループを立ち上げた。

 その後、10年間地元志向の塾として活躍してきたたくみ学院と2013年に開塾した個別指導トライアップも加わり、6つの塾が協調してそれぞれの教室の活性化を目指している。

教育内容や理念を擦り合わせ
より良い指導と運営を

 マックス教育グループの最も大きな目的は、各塾の収益アップである。濱田代表は金融事業や損保事業で働いた経験を生かして、各塾の運営や経営面の助言を行いながら、良い話や情報を収集。集めた情報を他の塾にも伝えてより良い方向へグループ全体を発展させている。事務的なことでの統括は濱田代表だが、グループ内の立場は対等として、教えて教えられる関係を築いている。

 一方、収益アップに欠かせないのが経費削減である。まず、各塾のホームページをマックス教育グループとしてひとつにまとめ、各教室の詳細にリンクさせることで、管理費や作成費を削減。無論、塾長や代表の教育理念を筆頭に、設置コースや指導内容、入塾までの流れなどがわかりやすく表記されている。さらにチラシも配布範囲を相談して重ならないように地域を限定。デザインは塾名や細部を差し替えて使用し、広告費を大幅に削減した。

 「もちろん、それぞれの塾が協調するためには、いろいろな箇所で擦り合わせを行う必要があります。しかし、最初から教育理念は似ている塾を選別していますし、授業料などの費用に関しては、地域によって金額が違うのは普通。これらのことでのクレームは一度もありません」

 指導面でもグループ戦略は進められている。大手塾との住み分けとして、大手塾でついていけない子やシステムに合わない子を近くのグループ塾でフォロー、生徒獲得争いの必要をなくした。また、グループ全体として、使用教材は基本的なものをほぼ統一。模試も全塾で共通のものを受験している。数十人程度のライバルと争うひとつの塾だけの模試より、同じ教材を使っているグループ全体数百人の仲間との順位争いは、生徒のモチベーションを飛躍的にアップできる利点がある。

生きる力のある
おもしろい子を育てたい

 濱田代表が開塾したときから目指したのは「おもしろい子を育てたい」ということ。ハイレベル校に合格できる学習力だけじゃなく、自分一人で考え、判断し、行動に移せるような生徒の育成を目指している。

 「今の子どもたちは、進学先の志望高校や志望大学の名前を挙げることはできても、ではその先で何を学び、どのような仕事に就いてどんな成果を上げたいのかと聞かれると、ほとんどが答えることができません。しかし、実際に企業や海外の人々と仕事の話をするときに、どこの大学の出身かが話題にのぼることはない。学歴よりも自分の将来目標を立て、そのためにどれほど努力するかが大切なのです」

 その考えはグループの塾も共通しているおり、グループ名の「マックス」には、短くて覚えやすいということだけでなく、仕事も学びもMAXで努力するという意味が込められている。

 マックス教育グループは現在、大阪内でのみの展開となっているが、もちろん他府県でも展開は可能。ただし、濱田代表が統括できるのは一人だと10塾程度がやっと。しかし今後、後継者や同調する協力者が出てくれば100塾くらいまで増やし、他府県まで力を広げられると言う。このグループが日本中の個人塾の協調を得て飛躍することを期待する。

  

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