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2014/11 塾ジャーナルより一部抜粋

学校法人大阪YMCA 「教育を共に考える集い」
環境と関係性で人は変われる
〜メダリストとして、一人の父親として〜

  2014年10月4日(土)/ 大阪YMCA会館2Fホール
主催 YMCA総合研究所 / 主管 学校法人大阪YMCA
 
     

 YMCA学院高等学校、大阪YMCA国際専門学校高等課程表現・コミュニケーション学科、大阪YMCA国際専門学校国際高等課程国際学科(インターナショナルハイスクール)の3つの学校を持つ大阪YMCA。表現・コミュニケーション学科では不登校などの経験がある生徒たちが、安心できる環境と人間関係で自信を回復し、自分と人を大切にすることを学ぶ。インターナショナルハイスクールでは世界のYMCAとネットワークを使った活動を実践。教室で学ぶことが世界を変えるという意識を持つ子を育成。YMCA学院高等学校はおよそ7割の子が不登校経験者のため、心と身体と進路の3つを大切にし、カウンセラーや臨床心理士によるメンタルケアと、日本体力医学健康科学アドバイザーがフィジカルケアを行う。

 これらの教育を実践するYMCAが、新たな視野から教育を考える講座を主催した。講師は五輪4大会連続出場を果たしたアスリートであり、現在は後進育成やスポーツ解説で活躍する朝原宣治氏。その話しを聞こうと、年配の教育関係者から高校生まで広い年齢層の聴講者が詰めかけ、会場は満員となった。

 開会の挨拶は佐藤裕幸校長。「170年前、イギリスに誕生したYMCAは、現在120の国と地域で活動し、6千万の会員を有する世界最大の青少年育成・教育団体で、単なる学びの場だけでなく、生徒たちの居場所であり、人との関係を作り、自分の目的を達成する場所です。生徒が自分の課題を解決して巣立ち、次世代のこどもたちの課題解決を手伝う担い手として活躍してくれる。そんな教育の場であるYMCAに、何らかの形で皆様が関わっていただけることを願って、挨拶に代えさせていただきます」と頭を下げた。

環境と関係性で人は変われる
〜メダリストとして、一人の父親として〜

講師 朝原宣治

 つい昨日まで私は隣国・韓国の仁川で開催されていたアジア大会に解説者として参加してきました。多くの種目でアフリカ系の人々が国籍を変更し、アジア各国の代表として出場・優勝していたのが印象的でした。日本の大会でも帰化選手やハーフの選手が台頭してきており、コーチも北欧出身者など国際色が豊かになってきました。このように時代とともに進むスポーツのグローバル化の中で、日本人選手がどのように力を発揮していくか。私の経験からお話ししたいと思います。

 私の家では、母が子を褒めて伸ばす教育をしていました。「あなたは私が『できる』ように産んだんだから」と励まされ続け、小さいころから自信を持って育ちました。時には自己評価が高くなりすぎる傾向にありましたが、その時は絶妙のタイミングで3歳上の姉が叱ってくれました。この姉に負けないようにスポーツも勉強も頑張り、姉の趣味の洋画に影響されて海外への憧れも持つようになったのです。

 小学生時代は習い事といえばエレクトーンと書道。本格的に運動を始めたのは中学入学から始めたハンドボール部でした。この指導者がとても厳しく、技術や体力の向上にエネルギーを注いでくれました。そこで自分の力を発揮することや積極性、さらに全国大会へ出場したことで強い達成感を覚えました。

 高校へ進学後は、友人に誘われて陸上部に入部。中学とは異なり、自己管理を必要とされる部活でした。さらに指導者に外部の陸上関係のクラブで違う指導を受けてくるよう薦められ、多種多様な指導の中で自分がどの指導を受け入れて実践するかを自分で決めていく自己管理を学びました。

 大学では生涯で最も私が恐れる(笑)ことになる女性と出会いました。彼女はシンクロナイズドスイミングの選手で「一緒にオリンピックに行こう」と誘われたのです。しかしインカレ優勝に目標をおいていた私に、いきなり五輪は無理。92年のバルセロナに出場し、まさかのメダリストになって帰国した彼女を見て、自分も頑張らなければと努力しました。その結果、大学3年の秋に日本記録を樹立することができたのです。彼女の名は奥野史子、後の私の妻です。

 社会人となって大阪ガスに所属、念願の海外でプロの指導を受けました。ドイツに渡って驚いたのは、日本はコーチには逆らわない空気がありますが、あちらでは対等なこと。自分に合わなければ選手がコーチを変えることも普通でした。ここで自分を磨きながら実力を伸ばしましたが、同時に自分でプレッシャーもかけてしまい、気持ちが先走って怪我を負いました。

 リハビリを経て復帰まで丸2年。その間、心が弱る度に周囲の方々のサポートを受けながら、自分を振り返りました。この2年が無ければ心身ともにバランスの取れた選手としての復帰は不可能だったと思います。

 そして北京五輪。リレー(4×100m)では、4人の選手間でうまく信頼関係をつなぎ、それぞれの特技を生かして順番を決め、バトンを手渡し続け、最終ランナーとして直線を駆け抜けた結果、とうとう銅メダルを手に入れることができたのです。

 色んな人との出会いやきっかけが自分を変えてきました。岐路にさしかかる度に多数の選択から道を選んできましたが、その中でチャンスは色んなところに転がっていました。このチャンスは周囲にアンテナを張っていれば手に入れられるのです。今は私が指導者の立場。指導する選手たちが多くのチャンスを手に入れられるよう、アンテナの張り方や信頼関係の作り方など広く指導していきたいと思います。

講演終了後は、会場からの多くの質問に朝原氏は分りやすく丁寧に答えた。

Q 大会前日にはどんな練習をするのですか

A 大きな大会の前々日は休日を取り、前日に練習を再開して感覚を取り戻します。休みすぎても練習しすぎてもだめ、心身とも試合当日にベストになるよう、自己管理が大切です。

Q ベストを出すにはどのような努力をしますか

A ポテンシャルをアップするため、練習を飽きないようにする努力をします。毎年違う目標や練習メニューを組み、それが面白いと感じる環境を作ることが大事ですね。(抜粋して記載)

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