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中学・高校受験:学びネット

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2014/11 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 人を育てる株式会社に学べ!
限られた条件の中、個性豊かな発想で人を育てる
政界への進出も視野に入れた壮大なビジョン

     

ITTO個別指導学院金剛東校/堺西鳳北町校
(大阪府富田林市/大阪府堺市)
代表 伊東 寛光さん

平成15年中央大学法学部法律学科卒。
大手塾から地域密着型の中小塾まで多くの塾で指導してきた国語科講師。冬期講習の6日間で中学3年生の平均偏差値を10上げたり、担当した一般クラスが特進クラスの平均点を大幅に上回るなど、数々のあり得ない実績を持つ。生徒全員の成績を上げるべく、日々効果的な学習方法を研究している。
座右の銘は「積小為大」、「百練自得」。夢は総理大臣になって日本の教育を変えること。

 全国にFC教室を展開しているITTO個別指導学院。そのFCに加盟しながら、指導方法や運営方法に独自のアレンジを施すことで、生徒や保護者、講師との信頼関係を築き、成績向上につなげている教室がある。金剛東校と堺西鳳北町校だ。両校を率いるのは「人を育てる株式会社」の伊東寛光代表。「政治の力で日本の教育を変える」という壮大なビジョンを持つ伊東さんにインタビューした。

FC契約による制約の中
さまざまな工夫を凝らす

 学生時代から塾講師をしていた伊東寛光さん。「25歳までに合格する」と決めていた司法試験は不合格に終わったが、塾の仕事は続けていた。失意の中、次の目標を見出せずにいたある日、異業種からFCで塾業界に参入したという会社の社長に出会い、27歳で教室長を任された。それまでは講師として塾にかかわってきた伊東さんだが、マーケティングやマネジメントなど、経営について学ぶと才能を遺憾なく発揮。就任初年度で約120人の生徒を集めた。

 「この辺りは塾の激戦区。大手だけでなく、地域に根ざした有力な塾も多かった。だから、ただ本部の指示に従っているだけでは生徒が集まらない。決められたルールの中で、最大限の工夫をしました」

 FC契約に基づく制約は多い。しかし、生徒や保護者がくつろげる雰囲気の教室を作ろうと、レイアウトを工夫したり、インテリアに気を配っている。また、チラシの配布時期も本部の推奨日程をうのみにはしない。例えば、学期末の通知表を受け取った翌日のように、生徒や保護者が「勉強しなければ!」と思いやすい時期を狙ってポスティングするなど、工夫して生徒募集を行っている。

 現在、伊東さんは「人を育てる株式会社」を設立して、代表取締役を務めている。前職の会社から金剛東校と堺西鳳北町校の2校を買い取って独立したのだ。生徒数は2校合わせて約150人。両校とも若手の社員に任せているが、塾運営の経験はなく、堺西鳳北町校では生徒数に苦しむ時期もあったが、手取り足取り教えることはなかったという。

 「ITTOはテレビCMなど、マスメディアを使った広告をほとんどやっていないため、知名度が低く、塾名だけでは生徒を集められません。だから、教室長をブランディングして、地域に浸透させる方法を取っています。教室長の個性を前面に押し出すために、できるだけ口を出さないようにしています」

 1から10まで教えるよりも、試行錯誤を繰り返すことによって人は育つ。この数年、堺西鳳北町校では少しずつ生徒が増え、地域から支持される塾に成長しつつある。

●運営の方針
FC契約による制約の範囲内で運営面を工夫。権限委譲で教室長の個性を最大限に引き出し、他塾と差別化する

生徒の居場所を作ることで
前向きな気持ちが芽生える

 入塾を希望する生徒のレベルはさまざま。進学指導特色校(文理学科)や国公立大学を目指す生徒がいる一方、成績が伸び悩み、自分に自信を持てない生徒もいる。伊東さんはこういった生徒たちの指導も得意としている。

 「生徒たち一人ひとりに目を配り、『キミのことをちゃんと見ているよ』というメッセージを伝える。すると、生徒の自己重要感が高まり、塾に自分の居場所ができます。前向きな気持ちで学習に取り組めるようになって、成績が向上、結果として、自信を持てるようになります」

 また、生徒が自分で目標を決め、その目標達成を講師と約束させる。講師は土曜や日曜に補習を行うなど、必要なサポートをする。こうして講師と生徒の間に強い絆が結ばれていくのだ。

 さらに、伊東さんは他塾の取り組みにヒントを得て、自習の「質」の向上を目指す「ITTO部」を始めた。ITTO部では、最初にその日の目標と計画を立ててから自主トレ(自習)に取り組む。終了後の「振り返り」も重視していて、その日の良かった点、悪かった点とその改善策などを具体的に記録する。翌日までに教室長が激励のメッセージやアドバイスを記入して返却する。この地道な取り組みが、学習意欲の向上や勉強の「やり方」の改善につながっている。

●指導のポイント
生徒の自己重要感を高めて、向上心を引き出す。勉強の「やり方」を改善させることで、努力が実を結ぶようになる

人間性を重視した人材採用
塾を任せられる人材を育て
自らの夢に挑戦

 年間を通して入塾を希望する生徒は多いが、常に講師が不足しているため、塾生を増やすことができないのが、今の伊東さんの悩みだ。中には近隣の塾を紹介したり、入塾を待機してもらっている生徒もいる。しかし、だからといって、伊東さんは講師の採用基準を下げたりしない。知識だけでなく人間性も高い人材でなければ、大切な生徒を任せられないからだ。

 「素直さ・謙虚さ・向上心に加え、『何のために塾で働くのか』という目的意識をはっきりと持った、責任感の強い人を求めています」

 講師希望者には、まず伊東さんの考えや業務内容を書いたメールが送られる。きれいごとは一切書かれていないこのメールを読んだ段階で、約3割の希望者が脱落する。それを乗り越えて面接に参加した人とは、厳しい質問を交えながら1時間以上にわたって話し込み、適性を判断するという。

 この厳しさは生徒のためであるのと同時に、伊東さん自身の夢とも関係している。実は伊東さんは政治家になる夢を抱いているのだ。

 「日本の教育はもっと多様化させるべきです。例えば、正負の数でつまずいている中学3年生には中1の内容から教えるべきではないのか。事実、私たちの教室でつまずいているところまで戻って指導すれば、数ヵ月で追いつけるというケースも少なくありません。塾なら簡単にできることなのに、なぜ公教育ではできないのか。他にも問題点はたくさんありますが、今の教育を根本から変えるために政治家になりたい。将来的には政治活動に専念するために、塾を任せる人材を育てる必要があるので、人材選びは慎重に行っています」

 自分の夢に向かって突き進む伊東さんの生き方が、周囲の人間を成長させる。まさに「人を育てる」企業の代表の姿である。

●講師採用のポイント
知識だけでなく人間性も高い人材だけを採用する。講師が不足しても採用基準は下げない

 

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