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2014/3 塾ジャーナルより一部抜粋

医学部をタダで卒業できる、自治体奨学金と目的別大学

第1回 医学部受験者の増加と、増える自治体奨学金

NPO法人 私立大学医学部へ入ろう.COM 平野 晃康
名古屋セミナーグループ医進サクセス室長を経て、現在はNPO法人私立大学医学部へ入ろう.com代表。私大医学部受験の指導と正しい入試情報の普及に努める。入試情報誌「私大医学部入学試験を斬る2013」(名古屋セミナー出版)を編集・執筆、医療系データブック(大学通信)にコラムを寄稿。

@医学部受験者の増加と奨学金へのニーズの高まり

 アベノミクスで株価が上昇し、企業の資金繰りが楽になったことから経済は上向きになったが、一方で、原子力発電所の停止による燃料コストの増加等に円安が加わって貿易収支は2011年から赤字に転落した。

 また、団塊の世代が引退して購買力を失うとともに、少子化によって国内の需要は減少するなどの理由から、大幅な景気の回復は見込めず、経済の見通しは不透明である。

 このような中で、将来の生活が保障される国家資格を取得できる医療系学部に人気が集まるのは当然といえる。実際、ここ10年ほどの間に医学部志望者は急激に増加した。塾や予備校にとって、このような医療系学部に対応できるコースを持つことは一つの強みになるであろう。私は医学部受験が専門であるので、以下は医学部に特化してお話ししたいと思う。

 さて、現在活況を呈する医学部受験であるが、今後は、医学部受験生が少子化に伴って大きく減少してしまう懸念がある。対応できる先生を揃えてみたところで、指導する生徒がいなくなってしまっては意味がない。
しかし、この点に関しては問題ないと考える。ここ10年ほどの間に医学部を志望する学生は大幅に増加したが、これは1970年ごろから医師国家試験の定員数が大幅に増加し、医師数が増加した結果である。そして、医師国家試験の定員数は、ピーク時に比べて若干減少したものの、現在に至るまでさほど少なくなってはいない。この層の子弟が医学部を志望するため、医学部受験者数は底固めされるだろう。また、経済の先行きが不透明であるほど資格には人気が出るため、今後も医学部には根強い人気があり、増加した受験者数が急激に減少するような事態は考えられない。確かに全体に従って受験者数は減少するであろうが、そのスピードは医学部以外の学部に比べて相当緩やかであると考えられる。

年度 1975年 1987年 2013年
医師国家試験合格者数 3,731人 8,573人 7,696人

 さらに、医師が魅力的な職業であっても、学費が高額で通学させられない家庭も多く、そのためにこれ以上の広がりを持たないのではないのかという懸念がある。私立大学医学部は学費の平均が6年間で3800万円、国公立は年間58万円程度だが、教材費などが高額であり、医学部のない県もあるから、その場合は一人暮らしをする必要があり、生活費等が余分にかかる。しかし、これについても奨学金の知識を正しくもてばクリアできる。医学部には多数の奨学金があるためである。
教師・講師としては、資金的な問題で医学部進学をあきらめる学生に教えてあげることで、その学生の人生の選択肢と可能性を広げてあげることができるだろう。

A奨学金の種類

 以下、医学部における奨学金について説明する。医学部の奨学金には様々なものがあるが、これを大きく分ければ3種類である。1つ目は自治体奨学金、名称の通り自治体が実施する奨学金で、額が大きく、月額15〜30万円ほどが支給される。これは、卒業後、一定期間知事の指定する医療機関で勤務すれば返済が免除となる。2つ目は大学独自の奨学金で、これは額も少なく、事故や天災によって学費支給者(両親など)に不幸があった場合の一時的措置か、成績優秀者に対する特待制度である。3つ目は日本学生支援機構の育英会奨学金である。これについてはご存じの方も多いと思うが、第二種奨学金の上限が私立大学医学部のみ月額16万円であることはあまり知られていないようだ。

 この連載では、今月号と5月号の2回を使って、金額が大きく、枠も大きな自治体奨学金について説明し、最終回の7月号で目的別大学について詳しく説明する。

B地域医療の再生を目指す自治体の奨学金

 医師の偏在が問題となり、へき地や特定委診療科では医師不足に陥っている。これに対して特定診療科やへき地医療を支える医師を確保するため、厚生労働省、総務省、文部科学省の3省合同連絡会議において2006年「新医師確保対策」2007年「緊急医師確保対策」が打ち出され、これによって全国の自治体が医学生対象の奨学金を設置した。

 自治体奨学金には2種類あり、1つは入学と同時に受給の権利を得るもの(これを便宜的に自治体奨学金@と呼ぶ。)と、入学後に各自治体に申し込みをするもの(自治体奨学金Aと呼ぶ。)がある。今回は、自治体奨学金@について大まかに説明し、自治体奨学金Aと詳しい金額や返済免除の条件などについては5月号で説明する。

C自治体奨学金+育英会奨学金で富裕層でなくても私大医学部に進学できる

 自治体奨学金@は、私立大学医学部に100名、国公立大学に442名の枠があり、地域枠として募集されている。(全ての地域枠が奨学金の対象という訳ではない。)医学部の定員は国公立私立を合計して9061名であるから、医学部生の6%がこの奨学金を受給している。ちなみに、自治体奨学金全体の枠は1142名(年度により変動)であるから、医学部生の10人に1人以上が自治体からの奨学金を受給している。

 自治体奨学金@は地域枠として募集するため、その多くは大学が存在する県の出身者を対象とするが、一部には出身県を限定しないものもある。出身県を限定しないものは私立大学を対象として11校47名があり、うち8名は学費が全額支給される。また、国公立大学を対象とするものは15枠98名あり、すべて学費は全額支給である。

 さらに、返済が必要ではあるが育英会奨学金を自治体奨学金と合わせれば、学納金の負担はかなり軽減し、特別な富裕層ではない一般家庭でも私立大学医学部を卒業することが可能である。月額16万円を借り入れた場合、返済は月額およそ6万円となるが、医師の年収平均1477万円(日本経済新聞社調べ)を考えれば返済は無理ではないだろう。

 このように返済が不要な奨学金と、必要な奨学金をうまく組み合わせれば、家計の不安から医師の道を自ら閉ざす必要はなくなるのである。

D奨学金と所得税

 このように、自治体奨学金は額が大きく返済が免除されることから良いことずくめに思えるが、1つ問題点がある。それは、自治体奨学金は返済が免除されると同時に給与とみなされ、所得税を課される可能性があるということだ。大阪国税局はこの件に関する医師会の照会に対して「給与とみなし、課税する」という文章回答を行った。しかし、同じ照会に対して名古屋国税局は「給与とみなさず、課税しない」という回答を行っており(国税局のHPで確認できる)地域によって方針が分かれている。

 奨学金に申し込む際は、一度、地域の税務署に相談するとともに、不必要な分まで借り入れないように心掛けることが大切だ。


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