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中学・高校受験:学びネット

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2013/11 塾ジャーナルより一部抜粋

教育付加価値日本一の大学への挑戦
大学ランキング「学長からの総合評価」全国3位!
学園共同体の理想とする工学アカデミアへ
金沢工業大学 常任理事・産学連携推進部長 谷 正史氏に聞く

     
 「大学は本来、就職率100%であるべきで、そこに大学が目指すべき社会的使命がある」。日本の教育界全体へ投げかけられているこの問いに、応える大学がある。「我々の使命は、それぞれの業界が求める人材を世に送り出すことと、学生たちに『この大学で大きく成長できた』と思ってもらえること」。学生・理事・教職員が三位一体となり、何のために、どんな大学を、いかに創り上げてきたか。金沢工業大学が己の存在意義をかけて具現化する「教育の付加価値」を紐解いていきたい。

就職内定率96.8%
究極の顧客満足度とは

 金沢工業大学が、アイデンティティとして語り継ぐ言葉がある。1977年、「勉強する大学」と注目され取り上げられた新聞記事の中で、当時の学長が語った言葉「付加価値で大学の評価は決まる」。――それから37年後、「週刊朝日進学MOOK大学ランキング2014年版」(朝日新聞出版)で、同大学は「学長からの評価」総合3位、教育分野2位、進路・キャリア指導部門では1位を獲得。「大学就職率ランキング」(サンデー毎日掲載)でも「面倒見が良い大学」9年連続1位と高評価をキープしている。女子学生の就職率も国公私立工業系大学の中でトップ。この絶大な外部評価に対して、同大学常任理事であり、産学連携推進部長の谷正史氏の反応は、何のてらいもない。

 「『面倒見が良い』というより『厳しい大学だな』と学生は思っています。でも、卒業して社会に出たときに『良い学校だったな』と思ってもらえること、それが私たちにとって大学の学生満足度の最終定義、究極の顧客満足度です」

4年間で学生を成長させる
自己検証の学習プログラム

 昭和32年創立の北陸電波学校が、金沢工業高等専門学校となり、昭和40年金沢工業大学が開学。現在は高専3学科、大学4学部14学科、大学院2研究科11専攻から構成されている。工学系のみならず、情報分野では心理情報学科、臨床心理専攻(大学院)を設置、東京虎ノ門キャンパスは「知的創造システム専攻」の社会人大学院(1年制)で「ビジネス」や「知財」のプロフェショナルを養成する。目指すのは、「自ら考え行動する技術者の育成」だ。

 「学部教育では『研究者の養成』は掲げていません。米国のMITも研究者になるのは5%。養成するのは、新たな価値を生み出す汎用性のあるエンジニアです」(谷氏)

 年間160日の授業に加えて、日祝日以外の土曜日や夏期・春期休業など、約140日も同大学では「学生が活動すべき日数」とカウントし、年間300日22時までキャンパスを開放、オープン自習室は24時間年中無休だ。

 すべての学習活動をキャンパス内で行う行動様式を学生自らが身に付けるために、教職員にも教育の重点を変えるさまざまな方向指針を打ち出した。ひとつには、知識の伝達に加えて、学生の意欲を触発し、獲得した知識を自らが知恵にしていく教育へと重点を移した。授業で「教員個人が伝達したい知識の量・質」ではなく「学生が消化できる分量、実社会において必要な知識の質」を精査した。テキストは基礎基本を徹底して学び、応用編は自力で読解できるようにした。

 必修授業では、問題発見から解決に至る過程や方法を実践しながら学び、課外教育でも、常時100近いプログラム、プロジェクトが進行している。チーム活動を重視し、プロジェクトの公開発表会では、学生や企業との間でシビアな質疑応答が交わされる。

 「課外教育に経営資源を投入しているのも本学の特色です。学生の興味・関心を高めるために始めましたが、結果的に授業への意欲が高まる相乗効果をもたらしています」(谷氏)

 同大学のシラバスは「学習支援計画書」と称され、授業目標のほか、予習・復習の課題内容や所要時間までガイドがあり、まさに「学習支援」。成績の評価方法も開示されており、教員のつけた成績に対し、学生が自己点検を行い、異議申し立てをすることも可能だ。成績評価は、同大学が開発したオリジナル学習プロセス「CLIP」が掲げた5つの総合力指標に基づく。総合評価点数は100点。60点以上が合格となるが、「試験」が占める割合は最大でも4割にとどめ、小テストやレポートなど多様な方法で評価した。授業はもちろん、予習復習・課題の提出と学生生活は多忙だ。目標の達成度を確認しながら、意欲的に学習に取り組めるよう、国内で先駆けて全学生を対象に「ポートフォリオシステム」(図表参照)も導入した。一週間の行動履歴や自己評価レポートなど、活動プロセスや成果の記録を蓄積して、新たな目標とアクションプランを立てるもので、ポートフォリオを元にクラス担任に相当する修学アドバイザーが、生活や自習時間にまで踏み込んだアドバイスをすることもある。

社会の要求に応える
実学志向のキャリア教育

 全国の大学から注目されている同大学のキャリア教育。特徴的なのは1年次から行うリスク型キャリア教育と、学内インターンシップだ。前者では、人生で起りうるリスクを想定し、いかに回避し、未然に防ぐかを考えつつ、高い就業意識を養う。インターンシップは通常3年次から企業が受け入れるが、同大学ではキャンパス内でもインターンシップを実施している。

 「いま約1,200人の学生がキャンパス内で働いていますが、そのうち500人が学内インターンシップです。職員が管理者となり、学生を指導していきます」(谷氏)

 可視化された24項目のジェネリックスキル(自己評価)を元に、伸ばしたい能力を選定し、アクションプランを作成。定期的に職員と共に振り返りを行う。

 「卒業するまで大事なことは、学生がどれだけ成長したのか」。その判断を学生の主観だけに任せることはしない。在学生・卒業生・教職員・企業に対し、評価や満足度の調査アンケートを定期的に実施し、詳細に分析。独りよがりな教育にならないよう、積極的に外部評価を受審している。例えば、授業満足度では、教員の熱意とともにシラバス通りに授業が進行することに、学生はより高い評価をつけることが判明。それらは教員へフィードバックされる。企業へのアンケートで得られた、業界・働く地域によって社員に求められる能力の違いなどは、キャリア教育の教材として学生に提供される。面接指導では、企業の求める能力をアピールできるかどうか、学生はビデオ撮影した映像を見て、自己点検評価する。

 「他人からの指摘に加え、『振り返り』の機会を与えることで『気づき』があり、学生は格段に自分自身で成長していきます」(谷氏)

 保護者へのキャリア教育もきめ細かい。毎年12月27日、学生の帰省日に合わせて、パンフレットを送付している。昔と今の就職事情の違い、子どもの学年ごとに適した対応など、かなり具体的な「親の就活マニュアル」だ。出色なのは「就職活動中の子どもに言っていいこと・いけないこと」。曰く、「そんな会社、聞いたことない」、「地元に就職しろ」、「土日は休めるところに」、「営業は大変だぞ」……子どもを袋小路に追い詰める言葉が並ぶ。保護者からは、「子どもを萎縮させるつもりはなく、言ってしまうことがあった」との反応が何件も寄せられた、と谷氏。

 「実は3年前、このパンフレットを初めて送付する時、かなり躊躇しました。でも、ふたを開けてみたら、保護者からのクレームは一切ありませんでした」

 学園の実践ビジョン「卓越性」に、教育・研究と並び「サービスの卓越性」を掲げる同大学。自虐的な含みは一切なく、谷氏は断言する。

 「学生たち一人ひとりが、自分で自分を最大限に成長させ、それぞれの業界で活躍することが我々の使命であり、社会貢献だと思っています。なくてはならぬ大学を目指して、我々自身も常に自らを磨いていかねばなりません」

 付加価値とは、自らの内側から磨き上げて生み出すもの。金沢工業大学の輝きは確実に日本の未来を灯している。

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