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2013/7 塾ジャーナルより一部抜粋

塾におけるストロークの活用法 〜子供の心に栄養を〜

第2回 ディスカウントは学力さえも阻害する

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
1975年に学生起業家として英会話教室を開設。その中で数多くの取組みを実践し、独自のノウハウを確立。現在は中小企業診断士として、さまざまな業種の中小企業をサポート。心理カウンセラーとして経営者の悩み相談も受ける。日本交流分析協会の交流分析士として、各地で講演やセミナーを実施。著書も多数。
URL: http://www.oosaki-k.com/

ディスカウントって何?

 ディスカウントといって多くの人が思い描くのは、たくさんの商品を低価格で販売しているディスカウントストアでしょう。他の店で販売しているのと同じ商品を、どこの店よりも安く値引きをしています。これを人間関係に当てはめると、一人の人間を実際の能力よりも低く、すなわちディスカウントして評価していくということです。

 ディスカウントは、前号で述べたストロークと対極にあるものです。ストロークが、相手の存在を認めてあげ、その価値を評価しているのに対して、ディスカウントでは、存在や価値を無視や軽視します。その行為や言葉、表情がディスカウントということです。

 ストロークは安らぎや幸福感をもたらします。しかしディスカウントは、苦痛を伴い、やる気をそぎます。また、必要ではない悲しみ、怒り、寂しさといった感情まで破壊してしまいます。人間関係において絶対に避けなければいけないことですが、これが日常的に頻繁に行われているのが現状です。ニュースで報じられている学校でのいじめをはじめとして、複数の人間がいるところではディスカウントが存在する可能性があります。

ディスカウントの領域

 ディスカウントは、目の前にいる他人だけに行われるのかというとそうではありません。ここには3つの領域が存在します。

 その3つは、@自分に対するディスカウント。A他人に対するディスカウント。B現実の状況に関するディスカウント。これについて詳しく述べていきます。

@自分をディスカウント

 自分はダメな人間だ、自分は何もできないなどというように自信を失い、劣等感を持ち、何もしたくなくなってしまいます。周囲からは変な目で見られ、人間関係にも悪い影響が出てきます。これが続くと組織の中でも、人から避けられるようになります。

A他人をディスカウント

 相手に対して自分が優越感をもつあまり、相手を見下す、バカにする、無視するなどの態度をとります。相手からは、嫌われ、時には喧嘩になります。そうなると、周囲からも嫌われることになり、人が寄り付かない状況に陥ります。

B状況をディスカウント

 現実を直視せず、適切な情報を収集しないことで自分自身が悪い立場にたってしまうことです。たとえば、高い山に登る時、軽装で出かけていき、あげくの果ては遭難騒ぎになり、多くの人に迷惑をかけてしまうようなことです。

 自分や他人に対しての肯定的ストロークは、愛と関心のあらわれであり、否定的ストロークでさえも、相手に対しての「承認の欲求」を満たすことはできます。しかし、ディスカウントは、無関心であり愛情の欠如のあらわれです。そのため人格や能力を値引きしてしまい、本来解決すべき問題に気がつかずに大きくしてしまうことがあります。状況のディスカウントは、時には自分の生命さえも脅かすことになりかねません。

 しかし、人がたくさんいる歩道を携帯電話で話しながら突っ走る自転車や、規制が強化されているにも関わらず行われる飲酒運転など後を絶たないのが現状です。

ディスカウントの4つのレベル

 自分と他人と状況の領域には、それぞれレベル1からレベル4まであります。レベルが高いほど悪いことは言うまでもありません。いじめを例にとって状況のディスカウントを考えます。

レベル1
問題の「存在」をディスカウント

 A先生は、2年3組の担任です。男子が15名、女子が15名で合計30名のクラスです。皆勉強も部活も一生懸命にするいい子たちだと感心しています。時には、自分を避けるように校舎の裏に行ったり、校舎内でも一部の生徒が小突きあいをしたりしているのを見かけるが、気にかけることはない、自分のクラスには、いじめなど存在しないと思っています。問題の存在をディスカウントしています。

レベル2
問題の「重要性」をディスカウント

 生徒からの訴えで、C君がD君たち数名からいじめをされていることを知りました。A先生は彼らを入学した時から見ているが、非常に仲の良い関係だと思っていました。そのため、これはいじめではない、仲が良いことからくる、単なるじゃれ合いだと考え、何の手も打ちませんでした。問題の重要性をディスカウントしています。

レベル3
問題の「解決の可能性」をディスカウント

 他の先生や生徒からもいじめの状況が聞かされ、A先生は、C君がいじめを受けていると認識をしました。そこで、どのようにしたらいいかを考えました。

 しかし、今は期末試験の問題作成で忙しい時期だから無理、D君の親は、以前に会った時、学校批判をする非常に厳しい人だったので、多分話をしても分かってくれないだろうから無理と考えてしまいます。問題の解決の可能性をディスカウントしています。

レベル4
問題の「解決能力(個人の能力)」をディスカウント

 他の先生や校長にも相談し、解決方法を提案してもらいました。提案されたことを実行するといじめがなくなるかもしれないと思いました。しかし、「他の先生だったらできるかもしれないが、自分はまた教師になって2年目、自分にはそんな能力はない」「あの厳しいD君の親を説得する能力は自分にはない」と考えます。問題の解決能力をディスカウントしています。

 私たちは、多くの場合問題の存在を気づくことから始まります。大切なのは、存在に気づいたら根本的な解決方法を考え、実行することです。ニュースでのいじめの記者会見で、関係者がまったく気がつかなかったと、問題の存在を否定することがよくあります。本当に記者会見の通り、レベル1の段階すらクリアできていないのならば、それこそ大きな問題です。この段階で、関係するすべての人間が共通認識をもってことにあたるべきだと考えます。

塾としてディスカウントを防止するには

 ディスカウントにプラスの面は、まったくありません。自分や他人にディスカウントをしていると思った時点でやめることが重要ですが、なかなか気がつかないことがあります。

 塾の講師としては、生徒が自信をなくしたり落ち込んだりしているのをみたら、ディスカウントだと考えてください。そして、一人一人とじっくりと話をする機会をもうけ、その生徒の良い面を示して励ますようにしたいものです。前号でお話ししたストロークをたくさん与えてあげてください。

 いじめのように他人をディスカウントしていると感じたら、いじめている生徒と一人づつ話し合う機会をつくってください。いじめている生徒も、やはり家族などからのストローク不足が原因であることが多く見受けられます。

 別の機会に、保護者と話し合う機会をつくることも必要です。その際には、他人をディスカウントするいじめの話だけでなく、ストロークを十分に与えることの重要性をお話ししていただきたいと思います。

 子供には、ストロークをいっぱい与えてストロークの壺を満杯にしてあげることです。貯まったストロークは溢れ出すとどんどん人に与えていくようになります。そうすれば、いじめのような他人をディスカウントする余地はなくなってしまいます。

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