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2013/5 塾ジャーナルより一部抜粋

塾におけるストロークの活用法 〜子供の心に栄養を〜

第1回 ストロークとは何か

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
1975年に学生起業家として英会話教室を開設。その中で数多くの取組みを実践し、独自のノウハウを確立。現在は中小企業診断士として、さまざまな業種の中小企業をサポート。心理カウンセラーとして経営者の悩み相談も受ける。日本交流分析協会の交流分析士として、各地で講演やセミナーを実施。著書も多数。
URL: http://www.oosaki-k.com/

ストロークとは

 人は肉体を維持していくために食べ物を食べます。これを怠ると体は衰弱して、最後には死んでしまいます。人の心も同じで、食べ物を与えなければ心の健康を保つことはできません。心に与える栄養は、ストロークと呼ばれています。

 ストロークとは、本来「撫でる」「さする」「一打」「一撃」という意味です。心理学の上では、「自己および他者の存在を認める働きかけ」と定義づけされています。他人からや自分から自分への言葉や態度、表情などの働きかけが、ストロークと呼ばれているものです。人は、自分にとって良好なストロークを得ることにより、やる気を出したり、行動の動機づけにつながります。

人間関係が影響

 例えば、家庭で子供が「今回のテストは本当によく頑張ったね。素晴らしかったよ」と母親から言われることがよくあります。子供はとても喜び、次も頑張るぞと強く思うに違いありません。なぜ嬉しいのか。なぜやる気になるのか。それは子供にとって良いストロークをもらったからです。

 一人離れ小島に住んでいるのでない限り、社会はすべて他の人とかかわり合いをもって成り立っています。会社の業績でさえも、社内や社外の人との人間関係が大きな影響を与えています。まして成長過程にある子供にとっては、親、塾や学校の先生、クラスメイト、近所の人などからさまざまな影響を与えられて育ちます。子供がやる気一杯に育つのも、意気消沈してうつむき加減になるのも、このストローク次第となると、周りの大人の責任は重大です。

存在を認める

 このように、ストロークを与えられると、心が満ち足りて、本来の自分らしさや人間らしさを取り戻すことができます。ストロークが多ければ多いほど、心も表情も豊かになり、イキイキとしてきます。

 人はストロークという心の栄養なしには、決して幸せに生きることはできません。ストロークを得て、満足感や充足感や喜びを体験することができます。人間は他人からその存在を認められることにより、喜びを感じやる気を出すことができます。

 子供の存在を認め「キミはここにいてもいいんだよ」「あなたのことはしっかりと見ているよ」「あなたのことは大好きだよ」というストロークを与えることで、子供は安定感を感じます。同時に、ストロークを与えてくれた人に信頼感を持つようになります。ストロークを与えるのは、決して時間がかかることでも、手間がかかることでもありません。誰でも、いつでも、どこでもできることです。

北風と太陽

 童話に「北風と太陽」という話があります。旅人が来ているマントを、どちらが早く脱がすことができるかを競争するという話です。

 冷たい風を吹きつける北風に対して、旅人は襟元をしっかり握って決してマントを脱ごうとはしませんでした。一方、太陽は暖かな日差しを与えることで、旅人自らがマントを脱いでしまいます。

 私たち人間も同じで、力づくで相手の心を開かせることはできません。温かい心、優しい励ましの気持ちによって、人の心を開かせることができます。ストロークこそが人の心を開かせ、人をやる気にさせ、人を動機づけるのです。

 塾では、まさか北風のようにしていることはないでしょう。しかし、太陽のように子供自らが自分の意志で学習に取り組むように仕向けているでしょうか。効果的に仕向けるためには、人の心をどのように考えればいいのかを、このシリーズでは交流分析の中のストロークを取り上げて述べていきます。

 交流分析は、実践的な心理学として素晴らしい人間関係を結ぶための技術であり、方法であり、システムです。だからといって決して小手先の技術として使うのではなく、しっかりと本質を理解したうえで、自らの人間観と照らし合わせて行うことが必要です。

ストロークの種類

 ストロークには、肯定的ストロークと否定的ストロークがあります。

 肯定的ストロークとは、文字通り、相手を肯定的に認めているということを伝えることです。

 出会った時に挨拶をする、にっこり微笑む、話をする、応援する、励ます、握手をするなどたくさんあります。これらに共通しているのは、相手の存在を認め、現状を肯定的に認めており、それを素直に相手に伝えているということです。相手の存在を認めていても、それを相手に伝えなければ相手に通じません。伝えることが重要です。

 否定的ストロークは、相手の存在は認めているのですが、憎しみや攻撃など相手の心や身体を傷つけるような言葉や行為をすることで、人の気持ちを不快にさせるものを指します。否定的ストロークをもらった人は決していい気持ちにはなりません。「叱られた、注意された」というネガティブな気持ちになります。

 しかし、これは子供のしつけをする時には、必要な時もあります。子育ては肯定的ストロークだけではできませんから。

 ここで重要なことは、どちらも相手の存在、価値、行動を認めているというスタンスから外れていないということです。そこをしっかり押さえたストロークであれば、否定的ストロークも決して悪いものばかりではないということです。

条件付き、無条件

 肯定的と否定的ストロークの両方に対して、条件付きと無条件というものがあります。条件付きというのは、ある行為や言動に関してのみ肯定的または否定的というものです。

 肯定的条件付きストローク:「今回は良い成績を取ったから、先生はすごく嬉しいぞ」などと、先生が“良い成績”という条件をつけて生徒をほめます。この場合、表情・態度も一致して心から喜んでいる気持ちが生徒に伝われば、「次も頑張ろう」という気持ちを持たせることができる教育的メッセージとなります。

 否定的条件付きストローク:「お母さんは、あなたが弟をいじめたから叱っているのよ」などは、叱っている理由を説明しています。この場合“弟をいじめたから”が条件となり、その裏面には、「弟をいじめていないときのあなたは大好き」というポジティブなメッセージが隠されています。このような叱り方は、否定的ストロークでも相手を気遣った教育的ストロークといえます。

 一方、無条件というのは、すべての面で肯定的、否定的というものです。肯定的はいいのですが、否定的無条件ストロークは全人格を否定することになりますので、使うべきではありません。

塾におけるストロークの活用

 最近の家庭では、ストロークが不足しているために起きている様々なトラブルが多く見受けられます。塾や習い事のかけ持ちで、家にいる時間が少なく両親から十分なストロークを得る機会がない子供もいます。塾に対しても、勉強をしっかりと教えてくれて成績を上げてくれればいいという要求をしている親も多いようです。そこでは、勉強のやる気は教える側との人間関係で大きく違ってくるのは、塾の経営者や講師には自明のことです。

 生徒一人一人と親密なコミュニケーションを図ることで、学習面にも良い効果を出していくようにしたいものです。授業時間の前後に、毎回違う生徒と話をするとか、定期的にレクリエーションの時間を設け、生徒がどういったことに興味をもち、何に不満を持っているのかなどを聞き出ししたいものです。こういった中でストロークを十分活用していただきたいと思います。

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