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中学・高校受験:学びネット

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2013/5 塾ジャーナルより一部抜粋

第50回 火曜倶楽部セミナーに
定員を上回る440人が参加

  2013年3月12日(火)/東京ドームホテル  
 前身の「文京火曜会」から「火曜倶楽部」へと発展し18年。私立中学・高校と学習塾のためのシンポジウム「火曜倶楽部セミナー」には、毎回多くの私学や塾から塾長や学校長・広報部長ほか、出版社ら教育関係企業が集う。開催50回目となる今回は、174校340人、50社100人が出席、定員400人を上回る超満員となった。「火曜倶楽部」幹事の一人、(株)リヴィジョン代表の富永光太郎氏の挨拶に続き、中学受験界を代表する首都圏模試センターや四谷大塚、日能研が、最新の私立中学受験戦況の分析を報告。会場は早くも新シーズン到来の気炎に包まれた。

2013年中学入試
これからの入試

 今回のセミナーでは、まず3人の講師による「2013年中学入試総括」がそれぞれ報告された。司会は「火曜倶楽部」幹事の一人、啓明舎の後藤卓也氏。受験を終えたばかりの各校の先生方への労いの後、「本日のデータ報告も決して明るい話題ばかりではないと思いますが、『これからの入試』のポイントを掴んでいただき、御校のご躍進に役立ててほしい」と語った。

総括@
学校選びの「多様化」に
応えられる学校へ――

四谷大塚 中学情報部
部長 岩崎 隆義氏

 首都圏中学入試の全体像として小学生人口に注目すると、全国的な少子化傾向に対して東京では増加、転居や出国・帰国児童も含めて人口流入が多い首都圏には、全国レベルの減少は見られません。受験日ごとの出願数や実受験数、倍率を比較しますと、当初の想定より出願延べ数は減っていない印象です。一都三県の出願延べ数は27万9,000人。実受験は19万3,000人。うち新設校・新設回に1万人が受験、既存試験回は平均5%減。ピークの2009年より10%減ですから「5%減では済まない」のが現場感覚でしょう。実際、受験生の3分の1は、1月入試や2月1・2日で合格すれば後半は受けない。6試験出願・2試験棄権のイメージです。

 「脱ゆとり」とともに公立校への期待感は高まり、私学は受験者数の二極化が加速しています。公立とは明らかに違う私学の優位性、高入生よりアドバンテージのある6年間、教育理念を訴求することが今後の大きなテーマでしょう。学校説明会、オープンスクールと情報開示の機会が多いほど、保護者は複数校を見比べます。最後まで学校を選択する手間を惜しまない。また、保護者全員が同じ方向性、例えば「東大」や「国立理系」を目指しているわけではありません。受験生の数だけ望む学校像があり、そのマッチングから御校が選ばれるべきと私たちも信じています。

総括A
家族ぐるみの受験文化を
社会全体でサポートする

日能研進学情報センター
課長 市川 理香氏

 最近、保護者の会話で交わされる「中高一貫校」が「公立一貫校」を指すムードには違和感があります。日能研生の公立一貫校の併願率もわずかに上昇、私学と公立一貫校の両方に合格した日能研生243人のうち、今年は6割以上が公立に進学。私学の良さを塾側も充分に伝え切れていないのではないかと思います。後半日程の受験率や駆け込み受験の低下から、多くの受験生が2月2日までに合格を勝ち得た満足度の高い入試だったようです。今年は年明けも「まだまだ学校を知りたい」と学校見学・説明会を希望し、厳選する保護者の姿が目立ちました。子ども自身や父親の「行きたい学校」への思い入れも相当強い。改めて、私学受験は家族を成長させる「文化」だと感じます。学校選びのポイントとして「進学実績」は大きな要素です。教育内容や理念のほか、キャリア教育や海外大学進学実績など「実際の出口の状況」への関心が高い。

 一方で「女子的指導を男子に」という学校の個性が保護者の心に響き、男子校人気が急上昇した、かえつ有明などの例も。個性を磨き、魅力を伝えるためには、私学同士の協力や、塾や他機関との連携がより必要な時代といえます。駅から遠い学校なら、通学路が楽しくなるように地元商店街のサポートをいただくなど、広く「社会」と手を携えていく道を、切り拓いていただきたいです。

総括B
受験生も学校も前半勝負
来年2月2日の日曜がカギ

首都圏模試センター
事務局長 新井 隆志氏

 昨秋の三模試の小6生の参加数が昨年よりかなり減少し、今年の受験率は5〜10%減を想定していましたが、実際は2月1日の推定実受験者数が4万4,000人。昨年が4万5,200人。2.7%減に留まりました。4年連続減少している実受験者は、2月1日の午後入試が3年連続上昇しており、2008年に1万1,700人だった2月1日午後入試の推定実受験者が今年は1万6,857人。数値上では、合格率も年々上昇し、選り好みしなければ全員合格できる状況にあるといえます。一人当たりの平均受験校数では6・88校、これは史上2番目に多い数値。例年に増して、受験生家族の私学進学に対する強いこだわりが伝わってきます。共学人気の高さに比べ、男・女子校の応募数が昨年より大幅に減らし、大学付属校も苦戦。難関と呼ばれる男子校では、より熾烈な戦いが展開され、二極化は加速進行している印象です。後半に複数試験回を設置していても、前半で相当数の合格者数を出している学校側の態度には、「焦り」が感じられます。来年2月2日は日曜日。試験日程は、少なくとも6月までに発信することをお勧めします。

<参加塾から分析報告>

SAPIX小学部 教育情報センター
本部長 広野 雅明氏

 志願者数が減少しているものの、進学者数は実は増えているという歩留まりの高い学校と、そうでない学校がかなり分かれていますが、進学した生徒の学力を調査すると、歩留まりの高低と入学生の学力が必ずしも比例カーブを描いていない学校が多いようです。入試に大成功し、いざ授業を始めたら入学生の学力が低かった、逆に厳しい入試結果を経て迎えた入学生のレベルが意外と高かった、という現象が、入学式以降に多くの学校で見られるのではないでしょうか。要因の一つに、中学受験は「親の受験」と言われて久しいですが、最近の保護者は学校を選びきれず、最終的に子どもに選ばせる傾向があります。親の偏差値観よりも、子ども自身の学校へのフィット感が優先される、これも「多様化」なのです。保護者と子どもが学校説明会などに参加する回数は今後もっと増え、ますます学校は、「実際に見比べられて」選ばれる位置に立たされていくと思います。

市進学院 情報出版室
室長 長谷川 一夫氏

 秋の私学模試を受けずに、公立中高一貫校の模試を受ける生徒が増えているのは、「第一志望は私学」という生徒の減少の表れではという話を、昨秋こちらのセミナーでしました。実際、蓋を開けてみると「公立一貫校第一志望」の生徒が私学を併願したため、受験者数には私学模試ほどの目減りは見られなかった。が、私学はやはり危機感を持つべきだと思います。二極化と言われていますが、各学校が集めた受験生の数の差ほど、学校の中身には差がないというのが実感です。では「差」はどこで生まれるか? ひとつには「情報の発信力」だと思います。もちろん、発信源の教育内容にしっかりとした根幹があることが前提で、発信の仕方だけ巧みでは意味がありませんが、まだまだ伝え方に工夫の余地はあると思います。それを先生方でお考えいただき、また我々も協力を惜しみませんので、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。

栄光ゼミナール 広報室
教務部課長 山中 亨氏

 弊塾の私国立コースの生徒たちの受験動向を紹介しますと、1月受験で終えた生徒が7.5%、うち埼玉・千葉の塾生の4分の1が、1月内で地元に進学を決めています。地元の学校の良さをきちんと評価できるご家庭が増えていると感じます。公立一貫校コースの塾生の動向も含めて別の切り口で見ますと、両コース併せて2月3日の公立を併願に含めて受験した生徒は13.5%、公立しか受験しなかったのは全体の3割。私公両方受験し、両方合格した生徒は19.9%。私学のみ合格が65.3%、公立のみ合格が1.8%。私・国立と公立両方受かった生徒の進学先は、公立一貫進学87.5%。私・国立進学の生徒は、昨年9.8%から今年は12.5%。上昇の理由はふたつあると思います。私学の魅力が上回った、という見方がひとつ。都内公立一貫校の補欠合格者ほぼ全員が、繰り上げ合格対象だったことは、塾生への学校側からの連絡で明らかです。一方で、併願パターンに公立も候補に入れる受験生が増えてきているともいえます。中高時代をどの学校で学ぶのか、12歳で選ぶ価値を各学校がどれだけ強く発信できるかにかかっていると思います。

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