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中学・高校受験:学びネット

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2013/5 塾ジャーナルより一部抜粋

緊急取材 確実に収益を出して店舗展開できる
仕組みつくりにチャレンジ
ビジネスモデルを実践中

  少数精鋭・個人指導 マイベスト代表 安田 卓史さん  
     
埼玉県戸田市にある少数精鋭・個人指導マイベスト(以下マイベスト)は、開校2年目の自立学習オンリーの塾だ。日々のホームルームの中、子どもたちはやるべき学習メニューを自分で設定し、必要な勉強を黙々とやり続ける。「教えない指導」という新しい形の塾モデルを模索し続ける安田卓史代表の考えは、「小さな規模で定員制の教室だが、確実に収益を出し、店舗展開できる」というもの。早くに損益分岐点を突破し、確かな手ごたえを感じている。そこには個人経営の抱える問題点をクリアし、進化し続けるということが条件にある。

12坪の教室に
生徒50人が学ぶ狭小塾

 埼玉県戸田市は近年人口が増加している地域で、30歳代の子育て世代が多い町だ。マイベストはその北戸田駅から車で10分ほどのところに立地する。幹線道路沿いにあり、狭小塾といえども大きな看板や窓には赤や黄色を使った実績が掲示され、存在感を示している。教室内は12坪といっても真四角なため、イメージしていたよりもはるかに広く感じる。机と椅子が24席設置されているが、板書を使っての授業はない。マイベストでは「無学年式自立演習システム教材」を使って、基礎基本のトレーニングを徹底的に行っている。

 開校2年目で生徒数は50人(中学生がメーン)。講師は教室長を含め2人ないし3人。安田代表によると、生徒数の伸びが遅かったのには理由がある。

 「開校が2011年3月8日で、その3日後が東日本大震災でした。2月下旬から広告は入れていましたが、バッタリと問い合わせは止まりましたね。それでも18人の生徒が来ていたので、その子どもたちの面倒をとにかく見ようと春期講習を無料で実施し、空いている時間にできるだけ来てもらうようにしました」

 こうなれば開き直って「中間試験で良い点とろうぜ!」を合言葉に徹底的に指導をしたと安田さんは振り返る。

 そのかいあって、中間テストで良い成果が出て、そこから紹介があり、夏には生徒が30数人に増えた。これで塾としてやっていけると思った後、冬期講習で折り込みチラシをまくと、一気に15人が入塾してきた。とことん面倒を見た内塾生が友達を呼んできてくれたのだ。

その日の学習メニューは
生徒自ら決める

 教室では、20人ほどの生徒を対象に市川祐也教室長が10分ほどのホームルームを実施。その日の授業で何をやるか生徒たちが考えた内容をチェックしている。5教科指導だが、基本的に曜日ごとに教科は振り分けている。例えば火曜日は数学、木曜日は英語といったように。自分にとって一番いま必要なことを選ぶのだ。指示されたものではなく、自分で設定した学習メニューのため、「決めた以上は必死にがんばる」ということだ。たとえそのメニューが間違っていても、「本当にそれでいいの?」と講師は問い、否定することはしない。

 「自習・自律・自制・自発・自学といった教育理念がベースにあります。勉強を通じて学習の自立化もそうですし、行動を選択する主体性とか、将来社会に出るにあたって、大事な力を勉強と一緒に身に付けることができればなと、強く思っています」

 自立学習の肝は、教えないことによる教育力だともいう。教えすぎることによって、考える力を奪ってしまったり、依存心を植えつけたりするのではなくて、自分の目標に対して自分で行動を選び、自分で成果を勝ち取っていくという過程をできるだけ経験させたいと安田代表はいう。

 在籍している生徒たちの学習効果を見ると、この勉強法がマッチした中3生の女子は、入塾時の中1のテストが310点だったが、中3の2学期末テストでは450点を超え、偏差値も10ポイント上がった。昨年初めて送り出した中3生は公立高校に全員合格した。

根幹となる教材と
誠実なスタッフで
教室展開を

 では、何を使って徹底的に勉強をするのか、気になるところだ。マイベストでは中学生は主に「即アップミラクル」を使用。塾の根幹となる教材だと安田代表はいう。達成感がすぐに感じられ、生徒たちからは、「第一志望の高校に絶対合格します。勉強をしていると身に付いてきていることがわかります」、「中間・期末テストで4連続学年1位。ワークを何度も解き直しました。ミラクルロードで基礎をしっかり理解しました」などと力強い声が上がる。講師がやることは、生徒から質問が出たときにヒントを与え、自分で答えを導き出す方法をとる。あくまでも教えたり指示したりはしない。

 「塾の命はそこに携わる人間だと思います。生徒のことを第一に考え、誠実であること。コミュニケーション能力に長け、リーダーシップがあればいいのです」

 ちなみにマイベストの市川教室長は安田代表の教え子で、他塾から引き抜き、教室長に抜擢した。25歳の誠実な市川さんだが、期待以上の働きをしてくれているという。

 一方で、マイベストがここに至るまでには、安田代表の意識改革があった。

 「以前は営業努力を一切せず、内部の充実のみに力を注いでいました。成績が上がってよかったね、で終わりなのです。報われなかったですね」

 それが悔しかった安田代表は最先端のマーケティング手法を勉強し、内側の土台作りと外に向けての発信をこの3年間徹底的に追及してきた。それによって、劇的に塾は改善できたと自信を持って話す。

 現在、視野にあるのは、マイベストをビジネスモデルとして教室展開していくことだ。「規模は小さく、定員制、確実に収益を出して、店舗展開できる」。加えて人件費が押さえられ、授業料も低価格だ。40人、50人集めて、“とんとん”ではなくて、利益の出る教室を作りたいと語る安田代表だが、早い段階で損益分岐点を突破し、収益を上げることに成功しているという。

 「100人集める教室よりも40人で利益の出る教室のほうが絶対に簡単です。でも、このモデルには利点と欠点があり、損益分岐点は突破できるが、天井が異常に低い(笑)」。よって店舗展開は必須のようだ。

 開校2年だが、安田さんは手ごたえを感じている。まずは5校から10校の教室展開をし、ゆくゆくはFC展開も考えている。個人経営の塾はリーダーが進化し続けることが条件だというが、まさしくそれを実践している。

 

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