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2013/3 塾ジャーナルより一部抜粋

新しいエンジンを注ぎ込む「第二創業」という事業承継

第6回 次世代経営体制の立て方と経営資源の棚卸

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

昔話はご法度

 トップに立つにあたって一番嫌なことは、年配の社員から「昔、アンタのおしめを替えてやった」とか「幼い時によく遊んでやった」などと恩着せがましく言われることです。言っている本人はそのつもりがなくても、経営者としてはやりづらく感じるのは事実です。

 自分の力を目一杯発揮するには、経営者と同じ目線で仕事をしてくれるスタッフが周りにいることです。昔を引きずっている人が1人でもいると、必要のないブレーキがかかり、会社は前に進めません。

現社長の選択眼

 事業承継をするには、現社長は少なくとも第一線からは退くべきです。その際、創業当時から一緒に仕事をしてきたというような古参社員は、同時に引退をすることが望ましいと考えます。

 製品にライフサイクルがあるように、企業にもライフサイクルがあります。誕生期、成長期、成熟期、衰退期。それぞれの時期には、その時に見合った人が従事すべきです。

 ただ、若いスタッフへの技術の承継のためなどに、人を残すことは必要かもしれません。どの人を残し、どの人と一緒に引退するかは、現社長の人を見る目にかかってきます。情に流されて決定することは、避けなければいけません。現社長の経営者としての最後の大仕事です。

面従腹背はダメ!

 残す人を選ぶのに後継者の合意は必要です。今後の会社にとって有用な働きをしてくれるかということと、後継者が使いやすいかということです。

 この観点から、残ってもらうと決めた人には、きちんと言い含めてお願いすることが必要です。決して面従腹背にならないようにすべきです。

後継者の選択眼

 後継者は、まずは自分の中の今後の会社のグランドデザインを明確にすること。その中で、自分と一緒に働いてもらう幹部社員として、どういった人が必要なのかを決めてください。そして、現在の社員の中でそれに見合った人がいるのか、いないのなら外部から迎え入れることを考えなくてはいけません。

 副社長とか○○部長など役職の名前だけの人は要りません。実際に自分の右腕となって働いてくれ、戦力となる人を求めなくてはいけません。このシリーズ名で「第二創業」と示しているように、後継者が行うのは、新たな創業です。提供する教育サービスや対象とする生徒の見直しとともに、社内スタッフの見直しも視野に入れてすべきことです。

スタッフをワクワクさせる

 次世代の経営体制は、それぞれが自分の責任において、会社の方針に則って目標達成のために邁進することが求められます。スタッフは、会社に寄りかかるのではなく、自分が会社を支えている気持ちを持たなくてはいけません。

 そのため、後継者は自分の右腕と決めた人と徹底した話し合いの場を持って、今後の会社の経営方針や目標、あるいは自分の夢を語る必要があります。

 現社長が創り上げたものを土台にはするが、まったく新たな会社を作っていく、仕事をして社会に貢献していくという気持ちをスタッフ全員が共有していかなくてはいけません。スタッフをワクワクさせる。後継者の大切な最初の仕事です。

自社の経営資源って何?

 「第二創業」を遂行するということは、今までの路線を大きく変える可能性もあります。その際でも、従来からある会社の経営資源を有効に活用していくようにしなければいけません。

 経営資源というとまず頭に浮かぶのが、建物、車両、什器などのハードです。そして、指導ノウハウ、教材作成力などのソフト。講師・スタッフ、生徒・保護者、卒業生、それらの人とのチームワークなどのヒューマン・ウェアも大きな要素です。金銭に換算できるものだけでなく、発想力やこだわり、情熱、向学心なども重要な資源です。

全員参加で再発見

 このようにして自社の経営資源を棚卸し、紙に書きあげてください。そうすると今まで見過ごしていたものを再発見することがあります。

 この作業は一人では行わず、できるだけ多くの人、全スタッフを交えて行います。保護者まで参加してもらえると、どうして自塾を選んでいただいたのかという顧客視点からの経営資源を見つけ出すことができます。これには思わぬ発見があり、これからの方向性に大きな示唆を与えることがあります。

経営資源を活用する

 次の作業として、ここに挙げた経営資源を、決定した自塾の経営方針や方向性に照らし合わせてどのように活用していくかを検討します。

 ある進学塾でこれを実行してくれました。いつも塾の通信を作成してくれている講師の文章が人を引き付け、読む人の心をとらえていることに気づきました。文章を書くというのは、様々なところで必要とされていますが、苦手意識が強い人が大半です。しかし、入試に小論文を試験科目にしている大学があるくらい重要なことです。

 そこで、高校生対象の小論文書き方講座を開設し、その講師に担当してもらうことを提案しました。

 その講師は、もとより文章を書くことが好きな人であったため、喜んで引き受けてくれました。生徒にとっても大好評で、他の塾ではなしえない大きな差別化になったことは間違いありません。

 将来的には、この文章書き方講座は、報告書やプレゼン資料作成などで頭を痛めているビジネスマン向けのものを開設することも可能です。これによって事業の幅を広げることができます。

経営資源を強化する

 逆に弱い点を発見することもあります。スタッフの数は少ないにもかかわらず、チームワークが十分でないことが分かることもあります。

 塾長と講師が3名という小規模な学習塾での話です。保護者からのクレームが頻発する時期がありました。原因を探っていくと、担当講師が保護者との連絡を十分にしていなかったため、意見の行き違いが生じていたことが分かりました。これは、講師と保護者、塾長と講師、講師同士などのコミュニケーションが十分にできていなかったことが原因でした。

 これへの対処法としては、生徒一人ひとりに目を配っているということを、保護者への連絡帳への記載や電話連絡でもって今まで以上にこまめにすることを決めました。また、塾長やスタッフ同士のコミュニケーションをよくするように意味で、毎日始業前にミーティングをするようにしました。

 経営資源の棚卸は、事業承継の時だけでなくいつでもできることです。特に、新たな局面を切り開いていこうとする「第二創業」の際には、必ず実行していただきたいものです。

出でよ!ニューヒーロー

 1年間6回にわたり、新しい事業承継のやり方について述べてきました。21世紀になって早や13年が経ちました。21世紀になるとそれまでの経験などが全く役に立たない時代になる、そのように言われていましたが、まさしくそのようになってきています。事業承継も例外ではありません。

 昔と同じようにやっていたのでは、生徒募集はおろか塾経営自体が成り立っていかない時代です。このような時には、従来とは全く違う発想で経営をしていく「第二創業」の考えが必要です。

 親の後継ぎではなく、創業者としての塾経営。「出でよ!ニューヒーロー」。時代があなたを待っています。

 1年間のご愛読ありがとうございました。皆様方のスムースな事業承継を願っています。

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