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中学・高校受験:学びネット

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2013/3 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート せんだい賢成館から学べ!
昨年度の公立高校合格率100% 「意味づけ」をして生徒の能力を引き出す

     

せんだい賢成館(宮城県仙台市)
代表 高橋 健史さん

1981年秋田県生まれ。東北大学教育学部卒業。家庭教師や学習塾講師として10年の指導ののち、理想の教育を求めて、せんだい賢成館を設立。本物の実力と自信をつけるための「熱い」「手厚い」指導が、生徒および保護者の支持を得ている。

 仙台市営南北線の富沢駅で下車、徒歩8分にあるせんだい賢成館。仙台市でも1、2を争う大消費地であるこの地で開塾して4年、小・中・高生対象に確かな実績を出す個人塾として定着してきた。過去2年半、チラシをまかず集客はすべて口コミによるもの。昨年度の公立高校合格率は100%で、3度の受験の合格率は9割に達している。「ビジョンなきところ、民は滅びる」をモットーに、生徒が「どういう人になりたいのか」を知り、その目標に向かい、「今」をいかに夢中にさせられるかという指導法をとっている。

将来どんな人になりたいのか
「今」できることを積み重ねる

 「生徒は好きな子のことやご両親のことなど、いろいろな話をしてくれます」と、にこやかに話す高橋代表。生徒にやる気を出させるためには、目の前に“餌”を与えるのではなく、「自分が将来どういう人になりたいのか」という着地点を探るところから会話を始めるという。

 「職業が具体的に決まっていなくても、“こういう生活がしたい”“将来こうなっていたい”といった思いは誰にでもありますので、それを引き出して、そのために今、何をするかを考えながら進めていきます」

 各学年の定員は12人。講師は高橋代表と、代表を慕って講師になった元教え子の教育大生の2人。きめ細かい指導が可能な人数だ。受験前に駆け込みで入塾するというより、低学年からの生徒が多い。「学習習慣をきちんとつけ、自己達成するために必要な手段として通っていただいています」とのこと。

 テスト対策と1、2年生の講習会はすべて、吉備システムのプリントを利用している。講習会の後に弱点対策プリントを出し、自学で取り組んでいけるので、講習会を受けっ放しになることがない。「答え合わせだけとか、解説を聞いてわかった気がしたけれど、本当にはわかってない」といった講習会とは一線を画しているという。講習会は必修でも強制でもないが、出席率100%。

 吉備を選んだ理由は、「大手塾にいた頃には使ったことがないものを使ってみたかったというのと、ご担当の方の人柄ですね。実は、吉備を導入すると決めたとき、生徒は4人しかいなかったんです。普通なら、塾をたたむことを考えますよね。でも、ご担当の方からいただいた、『本当に提供したいのはプリントシステムではなく、塾のネットワークだ』というお話に感動しまして。自分が積み上げてきたものを一回捨てて勉強し直そう、自分の指導や子どもたちの学力を、独り善がりではなく客観的に把握しよう」と決心しました。

 土日も開いている自習室では、最低1時間は勉強するように指導している。自習最高記録はなんと14時間30分。ある程度やっていくと、科目の内容よりも自分のやり方が正しいのかどうかなど、“勉強の仕方”を質問してくるようになるという。「そういう意味ではスポーツのコーチのような役割もありますね。講師の役割は、子どもたちが自分で見えないところを見て、それをためらわずに客観的に伝えること」と高橋代表。

 “ものごとに意味はない。意味をつけるのは自分自身”が座右の銘。受験に関しても、まず“意味づけ”を考えていく。「塾がいくら大きなシステムや面構えを持っていても、目の前の生徒を救えるとは限らない。商売として成り立つかもしれないけれど、一人の生徒を救う基準にはならない。最後は自分を磨いていかないと、と思っています」。

●指導のポイント
座右の銘を実践
テスト対策と講習会は吉備システムを利用

「考えられる人」になるための
国語力アップのコースが開始

 大手塾が乱立しているこの地域では個人塾は数える程度。「保護者には入塾の際に、誠実に、こういうシステムでこういうお子さんが通っていますよ、と詳しく説明します。お互いのビジョンが一致していることが大事ですから」

 これからについては、「芯は変わらないですが、教育は時代のニーズだと考えているので、時代に合わせて変わらないといけないこともあると思います。英語が求められるからといって英語ばかりをやるのではなく、その前に物事を考えられる自立した人間、自分でご飯が食べられる人間を育てることが大切です」。

 今年は、その土台となる日本語を鍛える新しい取り組みとして、国語力を上げるための専門コースをスタートした。高橋代表は、生徒間で国語力が二極化していること、漢字の読み書き能力の低下を憂慮しているという。

 子どもたちが感情を表に出すのが下手になっているという実感もあるという。それにはさまざまな理由があるが、「言葉を知らないので、自分の感情を適切に表現する術を知らず、“ウザ・キモ”で終わる。もっと言葉を知っていれば、自分を発散できるのです」。

 一昨年の東日本大震災では、教室の壁紙がはがれ、建て付けがずれ、ホワイトボードが落下した。直後は電気も通じなかった。「その時に塾生やご家族の顔が浮かんできて、無性に会いたくなって、次の日の朝からひたすら家庭訪問をしました。避難所にも行き、そこから避難所のお手伝いをすることになって。2ヵ月ほどたつと、生徒たちから、まだ日常を取り戻していない沿岸部の子たちに、何かしてあげたいと声が挙がるようになりました。子どもたちは大人には思いつかないような、自分たちの部活道具やゲームなどを提供してくれました。人間的な部分が育てられたなと、自分のやっていることは間違ってなかったなと思いましたね」。

 合格率を上げることを狙っているわけでもなく、進路についての強制もしない。「どの学校に行きたいかより、その学校で何をしたいのかが大事だよ、と言っています。ものを知るということは人生を楽しむことで、楽しむために勉強はするんだよ、と」。

●経営のポイント
謙虚・誠実であれ
時代のニーズに応じて、塾を変化する

 

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