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2012/9 塾ジャーナルより一部抜粋

新しいエンジンを注ぎ込む「第二創業」という事業承継

第3回 現社長がすべきことと後継者育成計画

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

経営承継と資産承継

 事業承継には、大きく二つあります。実際の経営を誰がやっていくのかという「経営承継」、株式や土地建物などの相続をどのように分割するのかという「資産承継」です。どちらも重要ですが、会社は日々動いているということからすると、経営は待ってくれません。

 塾では講師や生徒・保護者に、誰がトップになるのか不安にさせてはいけません。すぐ業績に影響するからです。そういった意味では、経営承継は、現社長の責任において承継前に計画的に決めておく必要があります。

変化したことを認識する

 オーナー経営者では、一人の経営者がトップになっている期間は、30年程度です。現社長は、自分が歩んできた30年と後継者がこれから歩む30年とは、まったく違う世界であると認識してください。

 30年前には、当初はインターネットも携帯電話も普及していませんでした。子供の数も増え続けていました。これらがガラリと変化しました。この30年間でさえ、これだけの変化です。これからの変化のスピードは今までの数倍になります。何が出てくるか想像もできません。自分の意思を通すより、後継者を信頼する以外にないと認識することが最初に学ぶべき事柄です。

交代は静かに

 「終わりよければ、すべて良し」。引き際をキレイにするのは、どの場面でも同じです。これは現社長、後継者双方にとって重要です。自身の引退パーティや後継者の結婚式で、承継の発表をして、その際、ご自身の自慢話をされる方がいます。今後の会社経営のことを考えると、必ずしも適切とはいえません。これらは、結局は現社長を目立たせることに他ならないからです。

 これをやられたら、後継者はたまりません。誰に会ってもこの話題から始まり、相手側も気を使って「お父さんは偉かったね!」で終わります。

 冒頭でお話ししましたように、経営に待ったはありません。すぐ翌日から、新リーダーの下で動かないといけません。片時も過去を引きずることは許されないのですから。交代は、「スムースに」「静かに」が原則です。

経営の信念を伝える

 それでは、現社長は何もせずに引退すればいいのかというとそうではありません。天秤棒で知られる近江商人は、「家訓」を代々引き継いでいます。「三方よし」(五個荘商人中村治兵衛の家訓)、「義を先にすれば後に利は栄え、富を好とし其の徳を施せ」(八幡商人西川利右衛門の家訓)、「奢れる者かならず久しからず」(五個荘商人松居遊見の座右の銘)、「積善の家に必ず余慶あり」(五個荘商人塚本喜左衛門の家訓)などどの商家にも家訓がありました。自分の代だけでなく子子孫孫まで繁栄することを望んで作られた経営のエッセンスといえます。

 業務内容が時代と共に変化していっても、経営の根本理念や思想は変わるものではありません。自分の会社だけが得をするものではいけませんが、代々続いていってほしいと思うのであれば、社員やお客様、取引先の繁栄も同時に願うものであるはずです。これらを盛り込んだ言葉を後継者に伝えていくことは、非常に重要と考えます。額に入れて壁に飾るものではなく、ミーティングの際、講師と共に唱和できるものであることが望まれます。

「親父の背中を見て育つ」は昔の話

 職人の世界では、「仕事は教わるものではなく盗むもの」と言われていました。でもこれは昔の話。今の職人になろうとする人は、そんな効率の悪いことはやりたがりません。職業の選択も多様化しているため、このような面倒くさいことは避ける方向にあります。

 企業経営においても同じです。短時間で決着がつくゲームばかりやっていた若い世代に、「背中で語る」は流行りません。きちんと計画を立てて、双方が了解したうえで開始しなければいけません。
守破離の育成計画

 武道の修業過程を表す言葉に、「守破離」があります。師のやり方をそのまま真似る段階(守)、学んだやり方に少し自分なりのやり方を試してみる段階(破)、自分のオリジナルを作り、師の下を巣立つ段階(離)。これの着目すべき点は、階段式ではなく、スパイラル(らせん状)であるということです。

 同じことを何度も繰り返すが、次に同じことをする際には、前のものに少しだけ新たな工夫を加えます。少しずつ、しかし着実に上方へ向かって進んでいく、それがスパイラルのやり方です。

スピード時代のスパイラル方式

 これを後継者育成計画に落とし込んで考えると、このようになります。

 後継者が学ぶことは、生徒募集、労務・人材育成、商品開発、財務管理など多岐にわたります。一つのことを全部終えてから、次を学ぶというやり方では、遅々として進みません。だからこれを短期間に次々と変わっていき、また同じところに戻る「スパイラル方式」が有効です。これだと、ゲームのように短期決戦なので今のスピード時代にも合っています。

 経営者は、それぞれの部門の担当者ではありません。そこのスペシャリストである必要はありません。内容をきちんと把握するだけの知識は必要です。重要ポイントを明確にする能力を鍛えるようにします。

他社での修業の是非

 後継者が他社で修業をしてくることがあります。非常に良いことですが、何を学んでくるかが大切です。一社員として入社するのですから、経営者としての社長学を学ぶことはありません。他社で下積みの体験をするのは、経営を学ぶよりも、使われて働くものの心理を学ぶためです。

 サラリーマンの悲哀を味わい、何が彼らをダメにし、やる気を失わせ、反対に何が彼らをやる気にし、奮起させるのかをつかんでくるのが後継者の課題です。

 就職したら、いちばん人のいやがる仕事や苦労の多い仕事をすすんで引き受け、親しくなった同僚から、働くものの悲しみ、苦しみや生きがいといったものを学びとらなければいけません。そのため、社長からの紹介で就職することは絶対に避ける必要があります。たんなる腰掛と思われたら、お荷物として適当な閑職に追いやられかねません。就職先は、後継者自らが探すべきです。

メンターを探す

 後継者は、創業者とは違う苦悩があります。いくら頑張っても二代目だからとみられるのです。後継者に、社外で気持ちを理解し相談に乗ってくれる人がいると安心です。これは「メンター」と呼ばれる存在で、他社の経営者、コンサルタント、カウンセラーなど経営と心の問題が理解できる人が適任です。

 アメリカの管理職や起業家を対象としたアンケートでは、90%以上の人が最低一人のメンターを持っているという結果がでています。日本でもこれからの時代には、絶対に必要とされる人材です。
メンターが必要な理由としては、例えば次の項目が挙げられます。

@ 仕事上で次のステージに導いてもらうため

A さらに能力を引き出してもらうため

B 会社全体の業績を上げるため

C モチベーションを上げて仕事を効率化するため

D 意欲的に人生を送るため

 意識するしないにかかわらず、人は誰でも他人の影響を受けて学び、影響を受けて活動しています。ならば自ら進んで、自分に良い影響を与えてくれる人、眠っている能力を引出し、仕事を成功に導いてくれる人と積極的に出会うようにしたいものです。そのようにしてくれるのが、メンターと呼ばれる人です。

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