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中学・高校受験:学びネット

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2012/9 塾ジャーナルより一部抜粋

緊急取材 完全個別指導の「平成の寺子屋」を目指して
自分で考える力を鍛える指導

  SDC安田塾 塾長 安田 英二さん  
 綿密なカリキュラムを組み立て、ひたすら教え込む指導でなく、生徒の理解度を確認しながら一人ひとりに合わせた個別指導を貫く安田英二さん。問題の解き方を練習させるプロセスを大切にし、もし答案用紙に答えしか書いていなければ、「なぜその答えになるのか」という過程を書かせる指導を徹底している。その理由は、勉強へ取り組むことの基本的意味を分かってほしいと思うからだ。また、生徒に応じた教育指導を重視するが故に、目的や場合によっては大手進学塾を進めることもあるという。寺子屋式の個別指導に力を入れる「SDC安田塾」を緊急取材した。

目的に応じた完全個別指導
一人ひとりと向き合い
ともに成長を

 学校の通常の授業についていけるように指導することを基本に、5教科を一人で教える個別指導塾。平成の寺子屋と呼ぶにふさわしい、古民家の2階にある机6席の部屋では、塾生が学年と教科を関係なく、共に机を並べ、勉学に励んでいる。通塾する生徒たちは、「学校のテストで平均点を取りたい子」や「公立高校に入学したい子」が多く通う。

 長岡京市で開塾して25年間、月曜日から金曜日までと、要望があれば土曜日と日曜日にも教室を開く。生徒たちの年齢は幅広く、小学4年生から高校3年生までと、目的があり、もう一度学びたいという社会人にも教えている。生徒募集に関しては、春に一回、手作りのチラシを新聞折り込みに入れることのほか、ネットや紹介で訪れる生徒が多い。

 安田さんが教えたいことは、「勉強の仕方」であり「取り組む姿勢」なのだと語る。教育方針は、一人ひとりと向き合い、生徒に合わせた個人指導をすること。学校でのテストの結果と成績表をもとに、本人の希望とすり合わせながら、塾での進め方を決めていく。また面談では、子どもたちが塾に通う目的は何かを見極めることも大事にしている。例えば、進学校に入って、難関国立大学に入学したいと考えているのであれば、生徒に見合ったカリキュラムが用意されている大手進学塾を進める場合もあるという。それでも生徒によっては、一斉に授業を受ける集合のスタイルが合わない子どももいる。だから、一度は大手へ進んでも、個別の授業スタイルを好む子どもは戻ってくることがあり、塾生となることも珍しくない。

生徒同士が教え合う教室
誰かに教えると
自信を持てる

 基本の指導法は、間違ってもよいので、自分で考える力を身に付けさせること。教科書を読んでわからないことがあれば、参考書で調べさせる。答えだけを求めるのでなく、「なぜ、そうなるのか」と考える癖をつけさせ、勉強の仕方を覚えさせる。それを小学生から続けていくと、高校生になったときに自主的に勉強できるようになり、取り組む姿勢に差が出てくる。

 また、学校で解いたプリントに「○」がついていても、その過程が書かれていなければ、塾で復習させることにしている。そうすると、生徒たちがどこでつまずいたかがわかるので、力がつく。特に数学の問題集では、計算式を書かせることを徹底しており、答えを記入する欄しか示されていなくても、それは同じだ。また、自らの経験から暗記と反復練習を重視。

 「まず、覚えることが大切です。覚えて終わりでなく、覚えることは、頭が理解していくようになること。理解力につながっていくのです」

 安田塾の生徒たちは、長岡京市周辺に住んでいる子どもが多いので、入塾時の実力よりも少し高めの公立高校を目指すことを目標にする。無学年で教えるため、学年が似かよっている日は、科目を統一し、同じ問題をやらせてみる。そうすると、生徒たちは学年を越えて互いに教え合うようになり、教えたほうは理解を深められ、知識の再確認ができると話す。

 「『誰かに教える』という、やったことのない経験をさせることは大切。生徒たちにとっては、今の自分の実力よりレベルの高い問題を解くほうが楽しく、やりがいが感じられるのです。成績の伸びも早く、誰かに教えるという行為を通して、『教えることができるんだ』と自信を持つようになります」

 普段は、生徒の反応を見ながら、言葉を選んで指導しているが、生徒が真剣にやらないときとやる気が見られないときは本気で叱る。そのときは「帰りなさい!」と一言、明確だ。

あらゆる側面から
能力を伸ばす
機会を与える

 興味のある分野の才能を伸ばすことを目的に、小学生向けのロボット教室や理科実験、パズル道場や英会話教室など、幅広く能力開発コースを設置。「井の中の蛙」になってほしくないという思いから、公開模試を受けさせたり、学力カップに参加させたりする。また、年に1回は勉強会を開き、生徒の要望によっては合宿を開くなど、積極的に学びの場を提供する。科学館や水族館に行き、「環境を変えて」勉強の機会を持ち、塾以外での生徒たちとの交流を楽しむ。

 生徒たちのやる気を起こさせることにも熱心だ。勉強をスポーツにたとえ、腕を上げるための努力がいかに大切かを伝える。やりたくないことを我慢しながらするのでなく、自分なりの楽しみや喜びを見つけていってほしいと考えている。

 感心なのは、「生徒から学ばせてもらっている」こと。それが大切だと気付いたのは、入院中に見舞いに来てくれた卒業生の「今まで解けないと思い込んでいたけれど、解き方がわかると楽しくなっていった」という言葉がきっかけだった。その生徒は通塾当初、学校の成績が中間より下で、手間もかかったが、最終的には公立高校から難関私立大学へ進んだ。

 「子どもたちは、問題を最初から解けないと決めつけているが、やっていくうちにわかるようになり、『○』の数が増えていきます。できないと思い込んでいた子どもが、『なぜ、そうなるの』をわかってくれるようになり、そのうち楽しくなって積極的に解いていこうとするのです」

 生徒の定着率が高いのも、安田さんの正面から生徒に向き合う姿勢が伝わるからに違いない。

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