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中学・高校受験:学びネット

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2012/7 塾ジャーナルより一部抜粋

2012年度 中学入試情報セミナー
[研究会] 2012年度 関西地区中学入試の総括

  2012年4月26日(木)/於 AP梅田大阪
主催 株式会社エデュケーショナルネットワーク
 

 株式会社エデュケーショナルネットワークが主催する、2012年度中学入試情報セミナー。多くの情報がわかりやすく説明されると評判を呼び、毎回160人を超える多くの参加者が集まっている。

 今回の関西地区中学入試、解禁日初日の午前受験者数は昨年度比95.6%。5年連続で低下の一途をたどっている。新卒業生であり、今年度の対象受験年齢となった小6生は、昨年度比98.1%。児童数の減少率を超える受験者数のマイナス数値が表すものは何か、セミナーでじっくりと検証する。

講師 株式会社エデュケーショナルネットワーク
藤川 享氏

初日受験率推移から見る
関西地区志願者動向

 大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀の6府県で、解禁日初日(午前)の受験者は計1万8,066人。昨年度の1万8,893人より微減で、昨年度比95.6%となった(表1)。小6児童数を分母とする受験率は9.0%で、2006年度の統一入試以降、最低の数字となった。府県別に見ると、大阪・兵庫・和歌山・滋賀が低下傾向を示しており、京都・奈良は前年並みに落ち着いている。

●大阪

 前期入試の志願者動向では、約半数の私学が、昨年より志願者数を減らす結果となった(図1)。志願者数を大きく増加させたのは、大阪星光学院・高槻・大阪桐蔭の難関校。大阪星光学院は安定した人気を維持しており、高槻は入試回数を3回としたことで話題となった。また大阪桐蔭は、初日の午後入試で、昨年をさらに大幅にオーバーする受験生を集めた。清風の初日午後入試と併せて、大阪星光学院や四天王寺といった最難関校の受験生が、その日の午後入試を受験する流れができあがったといえる。その他には医進コースの評価が高い帝塚山学院泉ヶ丘、コース制を復活させた明星、関学コースの帝塚山学院、開校2年目の常翔学園などが前年度比増となっている。一方、清風(午前のみ)・関西大学第一・関西大学・金蘭千里など、目標偏差値が55から59必要とされる難関校の志願者数が伸び悩む結果となっている。

●兵庫

 統一入試以降比較的安定した入試状況であったが、ここ3年は受験率の低下が全体的に見られる状況の兵庫県(図2)。最難関校の灘は、今年大幅に志願者数を増やしている。また、神戸女学院・須磨学園・白陵なども志願者数を増やした。一方、甲陽学院と六甲は減少している。男子最難関校受験生にとっては、奈良県の西大和学園の午後入試を含めて併願校が増えたことから、灘へのチャレンジ受験層が増えたと思われる。その他には滝川・三田学園・雲雀丘学園などが増加校として挙げられる。また、共学化で話題となった関西学院は、定員減による難易度上昇を予想して敬遠組が増えたことで、男子1.64倍、女子1.34倍という落ち着いた入試結果となった。

●京都・滋賀

 洛南高等学校附属は大阪・兵庫からの受験生が流入し、増加校となった。こちらも西大和学園の午後入試の影響で、併願受験が活発化した影響と思われる。校舎移転で話題となった立命館・京都産業大学附属、初日入試が定着してきた東山、昨年の大学実績が評価を得た大谷は受験生を増やしたものの、同志社・同志社女子・京都女子などの有名大学附属校が低迷している。一方、滋賀県は全体的に低調。立命館守山・比叡山など5校すべてで前年割れとなっている(図3)。

●奈良・和歌山

 東大寺学園・帝塚山・智辯学園・近畿大学附属新宮の4校が受験者数を伸ばしたものの、全体的には前年比マイナスの学校が目立つ。東大寺学園は、初日の灘・甲陽学院・大阪星光学院、2日目の西大和学園午後入試を経た受験生で増加。特に大阪の受験生が増加した。帝塚山は、昨年京大に28人の合格者を出したことがアピールポイントとなった。また、今年度は受験生数を減らしたものの、スーパーサイエンスハイスクールの指定を受けた奈良学園は、次年度の要注意校である(図4)。

受験生減少の原因
不況だけではない
保護者の厳しい目

 全体的に受験率が低下し、非常に厳しい状況に置かれている関西圏の中学受験。その原因はリーマンショックに始まる長期的な不況が最も大きいと言われているが、実はそれだけではないと思われる。保護者の教育熱は高く、経済的な要因だけで中学受験を諦めるという家庭は少数であるが、多額の費用が必要な中学受験に対して、保護者の選別が厳しくなったのは間違いないところ。そこで、中学受験を一旦見直した時に、公立中学へ行き、高校受験にチャレンジをさせる保護者が増加傾向にある。そして、この場合の高校受験は公立指向で、私立高校は公立校の併願先として考えられる場合が多い。それでも6年一貫の私学教育に期待する保護者は中学受験を選択するが、その際には、従来の「なんとか関関同立に行きたい」から「なんとしても国公立」へと変わってきている。入試結果を見ても、明確に国公立への進学実績がイメージできる学校は、この低迷する中学受験状況の中でも受験者数は増加している。

2013年度入試に向けて
厳しい状況を
いかに好転させるか

 全体的には明るい話題の少ない2012年度入試であり、盤石の人気を誇ってきた関関同立の附属校もその例外ではなくなってきている。しかし、同志社香里と同志社女子に新設された後期入試には多くの受験生が集まった。また、午後入試を導入する学校が増えているが、入試の短期化が進む中では、併願受験を可能にする方策として、午後入試は今後も増加すると思われる。清風・大阪桐蔭に代表される初日の午後入試についても、今後新たに導入する学校があると思われる。その他にも今後コース制の改編や入試教科や入試システムの変更などを発表してくる学校が数多くあると思われる。今後も入試情報には注意していただきたい。兵庫県ではプレテスト解禁の動きもあり、生徒募集イベントの多様化もすすんでいる。このような厳しい状況を打開するための各私学の動きには、今後も注目していきたい。

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