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中学・高校受験:学びネット

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2012/5 塾ジャーナルより一部抜粋

[特集] 静岡学園中学校・高等学校
卒業後も自分で伸びていける人間に
真のリーダーを育成する中高一貫教育

     

 昨年の春、キャンパスを移転させ、新しい教育理念と新カリキュラムを立ち上げた静岡学園中学校・高等学校。「新!静学」をキーワードに中高一貫教育を刷新し、「時代が求め、世界が期待する人材を育むための教育」が本格的にスタートした。1年間で生徒も教師も大きく意識が変わったという同校。今春は過去最高の中学受験者数となるなど、大きな話題を呼んでいる。

校 長: 石田 邦明
住 所: 420-0833 静岡県静岡市葵区東鷹匠町25
電 話: 054-200-0191
交 通: JR「静岡」駅から徒歩20分、または、しずてつジャストラインバス「静岡駅―横内町」6分乗車、バス停から徒歩4分、静岡鉄道「音羽町駅」徒歩8分
学生数: 中学校 179名
高等学校 1,105名 (2012.5.1現在)
ホームページ: http://www.shizugaku.ed.jp
   

4つの理念を掲げて
一貫教育の王道を行く

 静岡学園中学校・高等学校は、1966年、静岡学園高等学校として開校。78年には中学校をスタートさせた中高一貫教育の歴史を持つ学校だ。石田邦明校長は「2011年の移転を機に、今後、中高一貫教育の『王道』を行きたいと考えました」と話す。

 石田校長の考える「中高一貫教育の王道」とは、これからの時代に必要な人材=真のエリート、真のリーダーに将来なれるよう、6年間で「人間性の土台」「知の土台」をつくること。特に「人間性の形成」に力を入れ、大きく4つの教育理念を掲げている。

 1つ目は「自主、自律の精神」。「現代社会には問題が山積されています。世界はそれを解決してくれる人材を求めている。その人材とは自分で考えて行動する人間です」と石田校長。2つ目は「共生の精神」。真のリーダーには高い品性、倫理観、使命感が必要。「その基本となるのが、国や人種を超えて、すべての生命と共に生きようとするのが共生の精神」と言う。

 3つ目は「問題解決に必要なのは、謙虚な気持ちで物事にあたる態度」として、「真理と生命を尊ぶ精神」を挙げる。4つ目は「進取の精神」。困難を伴う問題にも果敢に取り組み、力を尽くしてほしいと考えている。

 こうした理念を掲げてスタートした23年度は、生徒たちは成長し、それを支える教師も努力した。学校全体が変わってきたという手応えは、校長をはじめ、誰もが感じた。

 昨年の11月には中1が主体となり、東日本大震災の被災地への募金活動を行った。震災の記憶を風化させず、引き続き応援したいという気持ちが生徒に根付いていた証拠だ。また、体育祭では中3が中心となり、教師の手助けなく3学年をまとめてダンス演技を披露。校外授業では、先輩が後輩を引率する姿が印象的だった。

 「新しく中3になる生徒は、『今度は自分たちがもっといいものをつくる』と言っています。これが伝統となっていってほしいですね」と鳴嶋吉彦中学教頭は期待している。

知的好奇心を刺激
夢中になれるものを発見

 「人間性の土台」に加えて「知の土台」を築くのは、全国初の試みとしてスタートした「教養科学科」だ。同高等学校に導入されたこの学科は、基本教科の知識をマスターした上で、「自ら考え、論理的に分析し、これまで学んできた知識を統合する力」を身に付けることを目的にしている。

 高1は「教養科学科(探究系)」と「教養科学科」に分かれており(中高一貫生は探究系に進学)、高2からは国公立の医歯薬・理系や難関国公立を目指す「探究文系」「探究理系」の他、「人文系」「社会系」、理・工系を目指す「物性系」、農・看護系の「生命系」の6つに分かれる。

 特徴のひとつとして、教科横断的に学ぶ「専門科目」がある。国語と数学の両面から論理を学ぶ「ロジカルリーディング」、これまでの西洋史中心の視点から離れ、ユーラシア大陸・アジア海域を舞台にした歴史を俯瞰する「グローバルヒストリー」等、幅広い知識と国際的な視野を養う内容になっている。

 さらに生徒の知的好奇心を刺激する「SGT(シズガクゴールデンタイム)」も始まった。これは中学・高校で実施されているもので、7〜9時限の放課後を利用した特別カリキュラム。お茶を飲みながら科学について学ぶ「静岡大学サイエンスカフェ」、日本の伝統工芸や文化を学ぶ陶芸、囲碁・将棋・カルタ講座、静岡銀行やヤクルトによる企業特別プログラムも行われている。

 中学では、ステンドガラスを学ぶ講座を4月からスタートさせた。3月のプレ講座は好評だった、と鳴嶋教頭。「講師の方が伝えてくれたのは、ステンドグラスが好きで夢中で勉強した体験。そして何事にも挑戦する気持ちでした。実はSGTの一番のねらいはそこにあります。生徒が多くの外部の方と接し、交流することを重視しています」。

 他にも中学では駿府城等地元の文化財や検察庁・裁判所に積極的に出かけていくなど、校外学習に力を入れてきた。美術館では特別に公開時間外に入場。学芸員の方から説明を聞きながら鑑賞した。同校ではこうした幅広い経験を通して、生徒たちが夢中になれるものを見つけてほしいと考えている。

大逆転合格が続出
本気になれば大きく伸びる

 移転後、初めてとなった今年の中学入試では、定員70名に対して過去最高となる150人が受験した。学校説明会に何度も足を運び、石田校長の教育理念に共感した保護者も多かった。同校ではプレテストを実施しているが、返却の際には復習プリントを付け、添削して戻している。しかも復習プリントはレベル別。さらに石田校長からは「静学からの挑戦状」として、ユニークな数学問題も提出された。

 「これは受験とは関係ありませんので、回答の必要はないのですが、チャレンジしてくれる生徒は結構いました」と石田校長。同様の問題が静岡新聞にも毎日曜掲載されており、これまでで延べ60通もの回答が返ってきた。石田校長はそれらに目を通し、励ましの言葉を添えて返信したという。

 そうした子どもたちのやる気を引き出す取り組みの結果、プレテストでは合格圏外だった生徒が短期間ながら努力をし、本番で力を発揮した「大逆転合格」が多かったのが今年の特色だ。

 「子どもたちはやればできます。どの子どもにも可能性はあるのです。失敗してもいいから中学受験にチャレンジしてほしいですね」と石田校長はエールを送る。同校では不合格の子どもたちにも校長からの励ましの手紙を送っている。そのうちの一人から「中学は落ちてしまったけれど、高校では静岡学園に絶対に合格します」という返事がきた。「彼が高校の時にどれくらい伸びているか、とても楽しみです」と石田校長は嬉しそうだ。

静岡学園中学校 体験入学

7月21日(土)・9月8日(土) 9:30

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