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2011/9塾ジャーナルより一部抜粋

通信制高校の変革
負のイメージから彩り豊かな内容へ

     
学校教育法で定められた通信制高校とは、自宅や学校が設置する学習拠点で学び、添削指導やスクーリング、試験などで卒業条件を満たせば卒業できる学校のこと。さまざまな原因で全日制の高校に進学できない生徒にとって、高校卒業資格を得るチャンスが与えられる場である。しかし、その内容はあまり広く知られていない。生徒の選択肢幅を広げるきっかけとなる、現在の通信制高校の実情を取材した。

通信制高校の今昔
広域通信制と独立校の増加

 14〜15年前の通信制高校は全国で100校程度。県によっては公立の通信制がひとつあるだけ、という状況だった。さらに、不登校や中退生ばかりというイメージが強く、内容やシステムもよく知られていない状況。しかし、今では将来の夢のためにあえて通信制高校を選ぶ生徒も多く、プロスポーツ選手や芸能人も通う学校として、通信制高校のイメージは大きく変化して来ている。

 では、具体的にはどのように変化を遂げたのか。

 現在、通信制高校は209校(平成22年度調べ)。在学する生徒は全体で約19万人弱で〔表1参照〕、15年前の生徒数が16〜17万人だったことから考えても、人数がさほど伸びたわけではない。しかし、増えた通信制高校はその多くが私学で〔表2参照〕、その結果、広域通信制と独立校を増加させた〔表3参照〕。

 広域通信制とは、3つ以上の都道府県から生徒が入学可能な通信制高校(1つの都道府県のみ通学可能な通信制は狭域通信制と呼ばれる)。北海道に本校を置くクラーク記念国際高等学校は、その代表として有名だ。全国に学習拠点を置き、北海道から沖縄まで展開したキャンパスに、総勢1万人を超える生徒を有している。中には女子専門キャンパスや難関大学進学に特化したキャンパス、留学可能な海外キャンパスなどもあり、非常に広い範囲で就学することが可能となっている。

 もうひとつの独立校とは、通信制課程のみの高校のこと。例えば、大阪に本校を置く長尾谷高等学校や長野県のさくら国際高等学校などは、通信制課程だけを有する独立校である。このタイプの学校では、全日制や定時制との校舎を共用しないため、全日制の休学日を選んで出席するという手間がなく、より柔軟に指導内容が構築できる利点がある。

 通信制高校にかかわり、15年の長きにわたって通信制高校情報誌を出版し続けてきた学びリンク株式会社の山口教雄代表取締役社長は、以下のように語る。

 「広域通信制、独立校など通信制高校にはさまざまな形態が生まれてきました。スクーリングと呼ばれる学校へ出席する日も、週5日制から月1〜2日出席制と幅広く設定が可能で、生徒の自己都合にあわせた授業ができるようになったのです」

 一方で、公立の通信制高校は、元々の全日制進学校が通信制課程も行っている場合が多かった。しかし現在では、通信制課程を切り離し、独立校とする学校が増える傾向にある。ただし、今でも学習管理は自己責任・勉強の中心は自学自習と、成績は生徒の意思力に任されている。そのため、私立通信制高校の卒業生(高卒資格取得者)は9割と高いのに対して、公立の通信校は3割と低いことが課題となっている。

通信制高校の学習拠点
サポート校と技能連携校

 一部の進学特化校を除き、通信制高校は全日制と比べると、自由なカリキュラムが組まれている。しかし、やはり自学自習が中心となるため、弱点克服や発展的思考などが学びにくいという欠点もある。そのため、校外での学習拠点として生まれたのが、サポート校や技能連携校である。

 サポート校は1991年、『通信制高校在学生などを対象とし、普通教科の学習支援や通信課程の教科補習を提供し、高卒資格取得を目指す』場所として設立され、通信制高校自体が直営するサポート校と、外部の独立した母体が経営するサポート校の2種がある。

 外部のサポート校は、その多くが塾主体で開校しており、学校教育法の適用外となる無認可校がほとんど。学習のサポートをメインとする学校もあれば、連携した通信制高校に在籍しながら、特定技術を学ぶことのできるサポート校も存在する。中には、東京にある東京文理学院高等部のように、制服や授業、学校行事などを実施し、普通の高等学校と変わらない学校もあり、いずれも通信制高校生に欠かせない場所となっている。

 一方、技能連携校は学校教育法に定められており、本来は、通信制高校に在籍する生徒が技術や技能を身に付けるために通う学校。ここで受けた学習は、通信制高校で履修したとみなすことができるので、生徒の負担を減らすことが可能となる。以前は、中学卒業後に就職した大手企業の従業員に、高卒資格を取らせるための企業内学校が主流を占めたが、現在は学習塾なども都道府県の教育委員会から指定を受け、創設している。

 通常は普通科の科目を履修するが、専門内容によって重きを置く教科が異なるため、レベルをあげる必要のある科目を選択できる学校が多いのが特徴だ。

 「どちらの場合も、生徒に学習活動を行うという意味では同じです。そのため、独自のカリキュラムを組み、魅力的な学習内容を打ち出さないといけない時代にきています」(山口氏)

 ともに目指すのは高校卒業資格だが、それにどのようなプラスαを行うかが、今後の生徒募集の鍵となる。

さまざまな事情を持つ生徒を
オリジナルな環境で育成

 全日制高校に通学するには、仕事や技術習得に忙しい、またはメンタル面で厳しいなど差し障りは多いが、高校卒業はしたいと考える子、学習障碍や発達障碍を持つために全日制では受け入れてもらいにくい子などを育成できる。そして、習熟度レベルに大きな差があっても、同じクラスで学習できるのも、通信制の特徴だ。

 「私立通信制高校は、塾から派生した学校も多く、生徒指導の考え方や、教員の研修なども塾に近い場合が多々あります。そういうところを把握されている塾の先生は、進路相談で通信制高校への進学を勧めることも少なくありません」(山口氏)

 実際に、教育特区などで、塾を運営する株式会社立の通信制高校が設立されている。茨城県の特区にあるルネサンス高等学校や、熊本県の特区に本校がある勇志国際高等学校は、ともに塾を母体とした広域通信制高校である。ルネサンス高等学校はパソコンや携帯を使用した授業で、スクーリングも年4日と少ないが、わからないところは、ネットで教員とのマンツーマン指導が受講可能。勇志国際高等学校は2010年4月に株式会社立から学校法人青叡舎学院への設置者変更を行ったが、提携会社と力を合わせ、大学進学や多地域への海外留学を実現できる通信制高校と、どちらも個性的な授業で生徒を集めている。この他にも多くの教育特区での通信制高校が開校している。

 「学校によって、どんな子どもを育成したいのかをダイレクトに反映できる学習環境があるので、通信制高校を受験する場合は、やはり多くの情報を集めなければいけません」(山口氏)

 通信制高校の情報は、山口代表が提供する学びリンクの情報誌でも求められるが、最近は通信制高校に絞った説明会も実施されている。7月には東京と横浜、名古屋で開催されたが、どこも多くの参加者を集め、非常に盛況に行われた。


協力:学びリンク株式会社 代表取締役社長 山口 教雄

山口教雄氏プロフィール
1958年生まれ。
学びリンク株式会社代表取締役社長。
1996年創立の学びリンクは、当初より通信制高校やサポート校に関するガイドブックなどの出版物を発行。学習塾団体の民間連盟の事務局長も務める。

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