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2011/7 塾ジャーナルより一部抜粋

緊急取材 読めばわかる「究極の解説」を目指して
独自の指導法「田中メソッド」を開発

  日本教育工学研究所・音羽塾
塾長 田中 保成さん
 
     
 学校の枠を超え、教員、保護者、地域の人々が、共同で子どもたちを支援する活動が杉並区で始まっている。そのひとつが、和泉中学校で実施されている「和泉手習い塾」だ。
そこに教材提供をし、塾頭を務めているのは、日本教育工学研究所・音羽塾の塾長である田中保成氏。個人指導塾として、30年以上もの指導歴があるだけでなく、独自の指導法「田中メソッド」を考案。丁寧に説明された解説を読むことで、生徒自身で間違いに気付かせるメソッドは、生徒に「わかる、できる」喜びを与え、学習意欲を持たせることができる。
和泉手習い塾でも採用された「田中メソッド」教材とはどのようなものか。緊急取材した。

生徒がわからなければ
私の負け!
足し算レベルからの解説

 自ら学び成長する人間になってもらうことを目的とし、昨年6月から体験授業をスタートした「和泉手習い塾」。今年4月から本格始動し、土曜日の9時〜12時まで、中学生が英語と数学を学ぶ。一斉授業ではなく、独自の問題集を使っての自学自習が基本だ。

 生徒が自分で問題を解き、わからないときは解説書を読む。サポートするスタッフは、必要に応じてアドバイスを行う。スタッフは教師経験者もいるが、一般の人も多い。それでも生徒が困らないのは、その解説書のおかげだ。

 「田中メソッド」の解説書は一つの問題を徹底的に解説する。中学生なら暗算できてしまうような足し算やかけ算も、途中で使われていれば欠かさず示す。生徒がじっくりと解説書と向き合えば、どこでつまずいたかがわかる仕組みだ。

 「テストで点数が取れないのは、問題を解く過程で勘違いをしていたり、以前習った公式を忘れていたりしているだけ。授業を聞いていた時は理解できていたはずです。たとえ自分が間違ったとしても、それを他人に指摘されると、あまり気持ちのよいものではありませんし、次の間違いを防ぐための効果もさほどありません。ところが、自分自身で解説書を読んで間違いを探し出せれば、『わかった!』と得意な気分になれ、学習意欲を喚起できます。ですから、このような解説書を用意しているのです。これを読んで生徒がわからなかったら、それは解説を書いた私の負けと考えています」と田中氏は語る。

やる気を引き出すため
三段階の問題を用意

 「田中メソッド」には一つの単元に対し、三段階の問題を用意している。最初の「ホップ」は「わかる面白さ」を重視。まず理論を易しく分解し、生徒が自分で解ける問題にしている。

 次の「ステップ」はホップの理論をそのまま当てはめ、単純な計算ミスをしなければ解ける問題を用意。ここで重要視しているのは、「できる喜び」だ。生徒は「できる」=「評価されて嬉しい」という気持ちを持つことができるため、やる気を引き出すには、「指導者がこの段階で、生徒にできるだけ声をかけて、評価することが大切です」と田中氏は話す。

 最後の「ジャンプ」はこれまで習ったことを、ある程度組み合わせないと解けない応用問題。試行錯誤しないと解けないが、ここで重要視しているのは「考える楽しさ」。「楽しさとは、予想できないことを味わえるワクワク・ドキドキした気持ち。問題を『ああかな、こうかな?』と夢中で考えることが、それにつながります」と田中氏。

 しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、試行錯誤した末、問題が解けなければ、却ってストレスになるということ。どんなによい問題集でも、解説が不十分だと、生徒は解答を見ても理解できず、学習意欲を失うと田中氏は指摘する。その点、「田中メソッド」では丁寧に問題を分析し、解説しているので、生徒はストレスを感じずにすむのだ。

 「和泉手習い塾」では、この教材を使い、中学生が数時間集中して勉強している。

 「成績の向上などの結果は、当然出てくると思います。生徒が一心不乱に勉強している姿が何よりの証拠です。ここでは地域の方と学校が一体となって、生徒を育んでいます。これからの公立校は、どんどん参加型の学校になっていくと感じますね」

子どもが満足できる学習なら
能力差も認め合える

 田中氏が塾長を務める「音羽塾」は、文京区音羽にある個人指導塾。音羽は江戸時代和算の塾があったところで、日本数学協会の理事を務める田中氏も思い入れのある場所だ。塾には現在、小学1年から大学受験を目指す20代までが在籍している。

 また、ここでは(株)日本教育工学研究所として、教材や指導システムの開発も行っている。今年5月に完成した「僕もできた算数」シリーズは、小学1年生(9級)から6年生(4級)までの構成。

 9級では、最初に「9つは1つと8つ、9つは2つと7つ…」など、合成数を音読しながら学んでいく。数は何と何から構成されているか、視覚や聴覚も使って学んでいく方法だ。そこから「1足す8は9」と数学用語を用い、最後に「1+8=9」と記号化する。このステップを踏むことで、徐々に抽象化された数字の世界に入っていくことができる。

 「アナログ的なところから始めないと、単なるデジタル処理しかできなくなってしまいます。『5cmの線を引いてごらん』と言われて、実際の長さが想像できず、思い切り引く子どもが出てきているのは、そのためではないでしょうか」

 そして、その理解力を生かすための計算力を養成するために開発したのが、「100枚カード」だ。基本計算は1けたの足し算九九・ひき算九九・かけ算九九・わり算九九をそれぞれ100枚のカードにし、ストップウォッチで速さを計る。九段(1分)でできれば、「最難関大学理系数学受験問題で力技が使える」と認定。ここでの力技とは、ヒラメキを使ったエレガントな解き方ではないが、計算力を武器に確実に解ける方法を選択することができるという意味。

 これを学習の前に行うと、集中力が高まる効果もある。

 他にも田中氏は「ポプラポケット文庫 学年別教科書に出てくるお話集」に合わせた問題集も制作中。子どもたちがどこまで物語を読みこんでいるか、基本的なところから読解力を養う内容を目指している。

 「最終的な学力は、おおよそ使っている教材によって決まると思います。偏差値70にするには50の教材では無理なのです。ですから、習熟度別指導はよいと思いますが、クラス別に教材を変えるのは良くありません。私の教材が段級制になっているのは、先に進める子にもじっくりやりたい子にも対応できるから。子どもの世界であっても、自分が頑張った結果に満足していれば、その部分の能力差はお互い認め合えるものです」

 日本教育工学研究所の企業理念は「お互いの向上を喜び合える人間性の育成」。単なる成績アップのためだけでなく、人間性の育成まで考えた上で、教材開発をしている。

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