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2011/7 塾ジャーナルより一部抜粋

神奈川県西部学習塾連絡会
2011年 勉強会・懇親会
大学全入時代に 適切な進路指導とは

  主催 神奈川県西部学習塾連絡会/平成23年5月29日(日)
於 箱根湯本富士屋ホテル
 
     
 神奈川県西部学習塾連絡会の沿革は1994年に遡る。「県西部地区進学相談会実行委員会」として、近隣地域の私学への進学相談会を開催。当時は会員が資料を夜なべで準備する、手作りの相談会だった。2005年「神奈川県西部学習塾連絡会」に改称、県西部の中小塾が結束、大手塾に匹敵しうる組織へと力強く成長を続けている。相談会の他に、学習塾会員・私学関係者・教育関連企業が交流を深め、ともに学ぶ勉強会を毎年5月に開催。昨年は、北朝鮮拉致被害者の横田夫妻による講演を行った。

 今年度は、栄えある初回勉強会のゲスト・安田賢治氏が4回目の登板。就職先を見据えた進路指導の最新報告を参加者は熱心に聞き入った。

 「会員同士は20年来の公私にわたる付き合いです」と笑顔で語るのは、県西部学習塾連絡会会長の井上孝男氏。開会前に、勉強会について伺った。

 「勉強会が生まれるキッカケは、進学相談会に参加してくれた私学の先生からのアドバイスでした。我々がまず『人間関係』を作らないといけない、と。そこで、塾や学校関係者が一緒に学べる機会を作ろうと思い立ちました」

 第一部の講演の後は、参加者同士が交流を深める懇親会へと続く。講演はもちろんだか、第二部の懇親会を楽しみに、毎年参加する常連も多いのが、連絡会主催イベントの特色だ。当日は台風上陸で大荒れの天気にもかかわらず、私学20校36人、企業5社6人、塾・講師19塾28人、計70人が出席。大盛況となった。

 1年ぶりの再会を喜ぶ参加者のフレンドリーな談笑が会場内にあふれ、勉強会後には、新しい人間関係の大きな輪が、隅々まで広がっていた。20年もの間、連絡会が続いてきた秘訣を井上氏はこう語る。

 「まず、自分たちが楽しくありたい、と思っています。周りの人間を気遣う心があれば、利害関係は生まれません。仕事においても、会員それぞれが得意分野を持っていますし、特化した部分ですら、惜しみなく提供し合います。全員がカバーし合う、居心地の良い『大きな会社』のようなものですね」

 勉強会は、会長・井上氏の開会挨拶で幕を開け、続いて、事務局の松永豊永氏が本日の予定を説明。同じく事務局の磯崎斉氏より、同会の昨年度の活動報告がフォトムービーで紹介された。

 公的なイベント報告としては、昨年10月開催の「私学私塾フェア2010」では、学校38校、大学6校が参加、680人の入場者数を動員。私的なイベントでは、恒例の「丹沢湖マラソン」に出場した会員たちの勇姿が映し出され、会場には和やかな歓声がわき起こった。続いて、井上氏が「高校生が自分に本当に合った大学を見つけられる指導の指針にしたい」と招待した、「大学通信」の安田賢治氏による講演が行われた。

講演
大学全入・就職氷河期で一変した入試
〜この時代に適切な進路指導とは

大学通信 学校戦略支援センター 常務取締役
情報調査・編集部ゼネラルマネージャー 安田 賢治氏

「大学全入時代」へ――
大学を取り巻く厳しい環境

 1992年の大学受験者数92万人から2010年は約68万人と、26.8%減少にもかかわらず、大学入学者数は92年から14.2%伸びています。短大志願者が92年の約25万人から昨年は約7万人に減る一方、4年制大学への進学率は5割を越え、多くの学校では短大から4年制大学へ転身、または短大を廃止し、学部を増やすなど、この20年間で大学数は1.5倍に増加。特に私立の看護・医療系の大学が相次いで新設されています。国公立では福井大学が福井医科大学を吸収するなど、統合が進み、私立では、今年度募集停止した聖母大が上智大に合併吸収。過去にも慶応大が共立薬科大を取り込むなど、今後は私学の合併も続くことが予想されます。

 「大学全入」と呼ばれる背景には、進学率向上と高学歴志向から大学は増設される一方、18歳人口は減少し続けている状況があります。2008〜09年は半数近い大学が定員割れでしたが、2010年には回復している大学も。学校を救った理由のひとつが「不況」。高卒就職がかなわなかった生徒が、大学や専門学校に進路転換する流れが起きた。しかし、大学・短大が生き残る難しさが根本的に解消されたわけではなく、今後は飽和状態になっている大学の淘汰が、問題となってくるでしょう。

入試の二極化
今年はどんな入試だったか

 入試は激しい二極化に進んでいます。近年の一般入試では、志願者数合計50位までの大学に7割の受験生が集中。他500近い大学で、残り3割の受験生を分け合う厳しさです。50位以下でもICUや医科大学などは狭き門のままですが、文系学部を多く抱える総合大学・地方大学は受験生獲得に苦戦しています。偏差値の面でもシビアな二極化が見られます。偏差値50以上の大学では、不合格者を出して、選抜可能ですが、50以下だと全員合格、さらには定員割れという、入試そのものが成立しない大学も現れてきています。

 今年度の入試は、リーマンショック以降の安全志向・地元志向・現役志向がさらに強まりました。不況下では国公立大が人気ですが、入試センター試験が3年ぶりに易化、強気に挑戦する受験生が増加したと分析しています。逆に、浪人なら現役で私立へ、という安全志向も同時に見られます。志願者数2年連続1位の明治大学など、さまざまな奨学金制度を持つ大学は人気が高く、今後は各大学とも、奨学金制度を充実させるのではないでしょうか。

 志願者数が増加している大学、例えば立教大は、20年前から今年度は約62%プラスです。芝浦工業大、近畿大学なども志願者増加。新キャンパス設立や学部や女子学生を増やすなど、90年代から20年間の大学改革の成果が、志願者数となって現れていると思います。

 今年のセンター試験志願者数の、浪人生11万人のうち、恐らく5万人はいわゆる仮面浪人。大学入学したものの馴染めず、中退もしくは在学しながら再受験している可能性が高いです。地方の中堅大学は何百人単位で中退者が出て、特に理系大では「勉強がわからない」という理由が多い。大学側は、勉強の面倒見を良くする、大学で過ごす時間を長くするなど工夫を講じ、学生の満足度を上げて、中退率を下げる努力をしています。全入時代では、「大学・学部選び」が本当に重要です。

就職氷河期到来で
志望学部・志望校が変わる

 IT不況ならIT系の学部の人気は下がるというように、学部別の志願状況は確実に景気に連動します。生徒たちは就職状況に敏感に反応し、就職率の良い学部を選ぶ傾向があります。生徒に人気のある大学の第1位は「就職に有利な大学」。進路指導の先生を対象に7年間続けてきたアンケート結果では、今年初めて「自分のしたい勉強ができる大学」を抜いて1位になりました。首都圏では、理系大の就職率は約80%、文系大は約72%。学部志望で「理高文低」が、依然として続いています。

 学部志願率1位は看護・医療技術系。以前は短大や医療専門学校に多かったコースですが、最近は4年制大学が学部を新設しています。2位は教育学部。6年制になった薬学部も人気が戻っています。不況でも採用事情が変動しにくいことと、国家資格を強みに就職を乗り切りたい思いが見えます。3位に農学部。食品会社の安定性を見越しての学部選択かもしれません。理工学部も、企業も技術者枠は減らさないことから根強い人気です。文系で4位に入ったのは国際系。語学のみならずプラスαの知識を学べることから、外国語系より人気が高い。不況に強いはずの法学部は、国・各自治体の公務員枠を減らす傾向を受けて人気が下降。「司法を学ぶ」イメージが受験生にはハードルが高く、敬遠されるとのこと。社会福祉系は、国家資格も取れて就職率が高い分野ですが、職場環境や待遇のイメージが良くないことから、志願者が伸び悩んでいます。この不況下でも、あえて文系を選ぶ生徒は、「自分の学びたいことを学ぶ」意思を明確に持っているともいえます。本来、それこそが正しい学部選びのはず。学部別就職率の1位は看護学部で9割を越えますが、それを目当てに看護学部を選ぶことと、奉仕精神が高いことは必ずしも一致しない、と医療現場から指摘されています。不況とはいえ、就職偏重、安易な進路選択には警鐘を鳴らしたい。

今後の進路指導に向けて

 私立中高の入試説明でよく言われる、「最低でもMARCHへ」を就職実績の観点から検証してみました。昨年度の調査結果を国立大と比較してみますと、メガバンク・損保生保は圧倒的にMARCH優勢、小・中・高教員・公務員は国立大が強く、電機器・電子系は理も工もある大学院卒で、国立であれば、なお有利といえます。不況下で見えてくる各大学の強みは、進路指導の指針になります。生徒が希望する仕事や将来のイメージをかなえる大学、学部選びのためのきめ細かなキャリア教育・進路指導には、企業情報・研究が今後、必要になるのではないでしょうか。

 来年の入試傾向では、AO1割・推薦4割と一般入試が5割を切る私大では、第一希望で確実に決めたい安全志向が続くと思います。また、震災や原発の放射能の影響で、地方から関東圏への受験が減り、地元志向・関西志向が進みそうです。全体的に弱気なムードが漂いますが、だからこそ、強気な進路指導をしても良いのではないでしょうか。関東圏だけの戦いになれば、難関大の門戸も広がります。ワンランク上の大学に強気に挑戦できるよう、先生方には生徒さんを励ましていただきたい。また、数年先の就活予想図よりも、自分が本当に学びたいことを指針に進路選択をすることが、これからはより大事になってくると思います。

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