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2011/5 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート グループ「全」から学べ!
塾は、自分から活用してこそ価値がある 皆で一緒に「頑張ることができる」塾へ

 

グループ「全」(神奈川県足柄上郡山北町)
代表 磯崎 斉(ひとし)さん

東京電機大学卒業。卒業後は東京の音響メーカーに就職したが教員を目指して2年で退職。1985年に前経営者から「グループ『全』」を引き継ぐ。3教室を経営するかたわら、公立・私立高校の講師や福祉の仕事などにも携わる。2004年、3教室を現在の山北校に統合。県西部学習塾連絡会の事務局長も務める。

 
     
 神奈川県足柄上郡山北町。雄大な丹沢山系に守られ、四季折々の鳥の声が響き渡る自然豊かな山間の小さな町だ。地域に根ざした「グループ『全』」は、子どもたちにとって家庭や学校とも違う、第三の居場所を形作っている。目まぐるしく変わる教育制度に翻ろうされる生徒と家族に、最新の入試・学校情報を届ける環境を備え、学校教育の歪みをオリジナルの「体験学習」や「自立学習」のシステムで軌道修正する。「教える」「教えられる」関係を否定するところから、子どもとの関係を構築する。磯崎斉塾長が目指す「何でもこなす便利塾」とは?

子どもたちや保護者に
情報を伝える義務を担う

 取材に訪れた日は、神奈川県の公立高校の後期選抜の合格発表の前日。

 「ほとんどの子どもたちが、前期選抜で合格しました。後期選抜を受験したのは一人だけ。自分のレベルをできるだけ高いところへ持っていこうと頑張った子です」と、磯崎斉塾長は生徒の挑戦を讃える。神奈川県の公立高校の前期選抜は、主に調査書と面接による「総合的な」選考。後期選抜は5教科の学力検査を行う。平成16年度から実施されている選抜制度について、磯崎塾長は問題点を指摘する。

 「生徒の目標や努力観が変わりました。前期合格に要する成績は、提出物や授業態度、生徒会活動への参加などから評価される。学校生活の成績さえ良ければ目標を達成できるのだと」

 神奈川県教育委員会は今年2月末、選抜の一本化が望ましいとする改正案を県議会に報告。早ければ平成25年度から、5教科の学力検査と面接や作文、調査書による選考方法が導入されそうだ。

 目まぐるしく変わる教育改革に振り回される子どもたちと父兄への情報発信の基幹となっているのが「県西部学習塾連絡会」だ。近隣の中小塾のつながりから、1994年から県西部地区進学相談会実行委員会として活動し、連絡会として発足したのが2005年。学校説明会など主催イベントでは、神奈川県内ではいち早く、教育委員会からの後援・協力を得ている。

 「神奈川県内の他組合や社団法人と協力し合いながら、公的機関とも少しずつコンタクトが取れてきました。我々の意見も多少聞いてくれるようになりましたね」

 連絡会の事務局である同塾には、会員経由で私学や公立校の最新情報が入ってくる。それらを集約し、約20の塾会員にFAXやメールで配信している。

 「生徒や父兄に最新情報を届けることが、連絡会設立の目的でした。そして、大手塾に対抗すべく、中小塾同士のつながりを強くすること」

黒板で教えるだけでは
プロの仕事とはいえない

 「すべての生徒に目が行き届いているかどうか。それは、開塾1年目に生徒数が3倍の100人に膨れ上がったときも、そして現在でも、納得はしていないんです」

 それは磯崎塾長の誠実な答えだ。塾の規模が大きくなるにつれて、塾長である自分が一切かかわらないクラスが生まれる。すると、生徒の不満も出やすく、定着率も悪くなる。そこで、通年にわたり、全クラスを塾長が必ず見ることができるシステムへと徐々に改良、"攻め"のミニマム化を断行した。講師を学生にこだわるのも、「最終的な生徒フォローは、塾長によって行われる」ことが前提の戦略だ。ゆえに講師たちには「好きにやらせている」。ほとんどが塾のOB、OGだ。

 磯崎塾長は、塾経営と並行して、3年間ほど、障害者福祉施設で勤務していた経験がある。

 「狭い地域で教育業界だけに固まらず、違う仕事で自分のスキルを上げたいと思ったんです。障害者とその家族は、社会的立場ゆえに、自分たちの思いをちゃんと伝えられない人たちが多い。その中で『人との対応の仕方』がすごく勉強になりました」

 地域に根ざした塾のあり方、生徒や家族への対応にも、このときの経験と重なる部分があるという。

 「作業所で私が徹したのは、彼らの不満や不安をひたすら聞くこと。心を受け止めるケアも必要。教育なら、ただ黒板で教えるだけではなく、親の不満を聞き、子どもたちに家庭学習の仕方を教えるのが、プロの仕事」

 「グループ『全』」のキャッチフレーズは「何でもこなす便利塾」。

 「塾は自分から活用してこそ価値がある。サービス業ですから、どんな形であれ、気分転換ができるように卓球台も用意し、ダーツもマンガも、ウチではすべて『教材』。欲しいものは何でも提供する。その代わり、努力もしなくてはいけない」

●運営のポイント
@塾長が全生徒に目を届かせることができるシステムを確立する。
A生徒に最大限に利用してもらえる塾を目指し、便利さを追求する。

努力体験を積ませる授業
子どもの希望に応える補習

 塾生は約60人。小・中学生のほか、高校生は高2の2学期まで対応している。子どもたちは「磯崎先生」や「塾長」ではなく「サイさん」とあだ名で呼ぶ。「教える」「教えられる」やり取りをしたくない、というのが磯崎塾長のスタンスだ。

 「基本的には『一緒に勉強する』関係です。どう努力するか、どう覚えるか、という体験を積むことが大事。でも、アクションを起こさせる導火線に火をつけるためには、こちらから"振って"いかなくてはならない。そのための材料は何でも良いし、例題もどんどん作ります」

 授業の主体は、勉強の仕方、対応の仕方を経験すること。努力の仕方を知らなくても、周囲ができ始めてくると、集中力が増してくる。負荷をかけるほど全員が頑張るのは、一斉授業の良さだ。ただ、何かをしっかり伝えたいときは、個々への声かけを大切にしている。

 「いま、子どもたちの学校での学習は、対応能力に特化している。でも、知識は知識として持つべきもの。知識もなく『どう使うか?』って、できるわけがない(苦笑)」

 知識を使って対応能力を高める材料の一例として、数字パズルや推理ゲームなどを採り入れている。

 「ルール=基礎を使い、自分で工夫しながらコツコツ取り組む体験をさせたい。課題は多種多様。社会なら地図を読む。国語なら詩の暗唱。メインの授業に加え、『作業する』ことを採り入れています」

 同塾では「補習」も含めて授業体系をなしている。試験の数週間前から生徒は予定を組み、自分で教材を選び、自発的に学習する。質問があれば何でも聞ける。必要な資料はいくらでもコピーできる。自由参加なので、家で集中したい生徒は資料だけ取りに来ることも。一斉授業では質問ができない生徒には、講師がついて、一緒に問題解決をする。

 「『補習』の時間は、子どもたちの注文を可能な限り、かなえる時間。夏休みの読書感想文指導や絵の宿題、工作指導まで『補習』の時間に何でもやります。数人集まれば、授業を行うこともあります」

 子どもたちの要望に全力で応えられ、すべての生徒が「自分のための塾」と思える場所になるために。「グループ『全』」は皆で純度を高めて、己を磨き続けていく。

●指導のポイント
@集団の中で、共に努力体験をしながら、知識量と対応能力を高める。
A自発的に勉強する「補習」時間で、子どもは自然に伸びていく。

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