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2011/5 塾ジャーナルより一部抜粋

英語検定協会「英語指導者アンケート」より
小学校英語必修化は生徒募集の拡大へつながるか!

     

この4月から、いよいよ小学校英語必修化が始まった。その実質は、英語の体験を通してコミュニケーション能力の素地を養うことを目的に、小学校5・6年で週1コマの「外国語活動」を実施するというもの。カリキュラムは学校や自治体が作成し、英語専任ではない担任教師が指導するなどの不安材料もあり、いまだ賛否両論が尽きない。果たして、この必修化は塾業界にとってどのように追い風となるのか──。昨年6月の児童英検の会場で、塾や英語・英会話学校(以下、グループ)の指導者を対象に実施された「英語指導者アンケート」から探ってみた(回答率73.8%)。

※全国学習塾関連団体 2011年度版方針と主な活動内容はこちらから

英語を学ぶ児童の
8割強が中学年以下

 「英語指導者アンケート」は、財団法人日本英語検定協会が英語必修化を受けて発足した「こども"ワクワク"英語プロジェクト」の一環として実施した。児童英検で培ったノウハウを基に保護者や教育関係者へさまざまな情報を発信し、英語でコミュニケーションを楽しめる子どもたちを育てよう、というのが同プロジェクトのねらいだ。

 まず、必修化の前から英語を学んでいるのはどんな子どもたちなのか。「英語を学ぶ児童(小学生以下)で一番多い年齢層」への回答(図1参照)を見ると、全体では中学年以下が8割強を占め、必修化になった高学年になる前から英語を勉強していることがわかる。こうした傾向は、必修化によってさらに加速しそうだ。ただし、グループによってはバラツキも。例えば、英語・英会話学校では、低学年以下の児童が約半数だったのに比べ、塾では、中学年以上が3分の2以上を上回った。

 これについて、日本英語検定協会児童英検課課長代理の清水雪司氏は、「受験科目に英語を設定している私立中学はほとんどありませんから、塾では受験対策というより、進学に備えて、中学入学前に英語の環境に慣れさせておこう、という保護者が多いのでは」と分析する。

 それでは、指導者が考える「英語学習を始めるのに効果的な時期」はいつか。グループ全体の回答(図2参照)は「小学校低学年」以下が9割以上で圧倒的多数。最多は「幼稚園」の39.5%で、早期からの英語学習をいかに重視しているかがわかる。グループ別に見てみると、塾は小学校入学前までと回答(図3参照)した指導者は65.9%で、グループの中で最も少ないものの、「0歳から」との回答は15.6%で最も多かった。

 これについて、清水氏は「日本語もままならないうちから英語を教えていいのか、という意見もありますが、小学校の英語は語学ではなく、言葉、つまり、コミュニケーションツールです。言葉は小さいうちから聞かせることが一番大事、と認識されている塾の先生方が多いのでしょう」と見る。

指導者・保護者とも
「期待」が6割以上

 こうした回答から、実際に英語を学んでいる子どもたちの年齢層、指導者が理想とする英語学習の時期と、中学からの英語学習に大きなギャップがあることが浮き彫りになった。そこで、「必修化についてどう思うか」への回答(図4参照)を見ると、「期待している」「少し期待している」の合計は全体で約63%。さらに、同時期に行われた「保護者アンケート」(有効回答数167人)(図5参照)でも、「期待している」「少し期待している」の合計は約63%とほぼ同数で、指導者、保護者とも高い期待がうかがえる。

 また、塾の「期待している」「少し期待している」の合計も6割を超えており、清水氏は、「英語好きを育てるという必修化の趣旨を正しく理解している指導者は、期待しているのでは」と述べる。
一方、弊誌が独自に行った塾へのアンケートでは、「期待している」「少し期待している」と「あまり期待していない」「期待していない」がほぼ同数で、「英語指導者アンケート」より、期待値がやや低かった。

 ただし、塾ジャーナル2009年5月号のアンケートでは、「生きた英会話に少しでも早い時期から触れるのは重要」(泉州私塾連合会)、「英語教育のひとつの前進」(愛知県私塾協同組合)など、前向きな意見も多数聞かれた。

 それでは、必修化に期待できない理由は何か。「英語指導者アンケート」で「あまり期待していない」「期待していない」と答えた理由(図6参照)を見ると、「指導者によって、指導力の差がありそうだから」が4分の1で最多。担任教師の指導力への不安が最も大きいことがわかった。弊誌アンケートで「その他」と答えた理由では、「授業時間数は少ないが、教務の負担が増え、効果について疑問視する教師がいるかもしれない」という意見も。

 京都で幼児から社会人までを対象に英語教室を開く「ジーニアスたけのこ会」代表の諌山静香先生は、「英語は芸事と一緒で、たゆまざる努力が必要です。中途半端なものが入るより、中学校からきっちり学んだほうがいい。小学校から中学校へという流れがないので、逆に中学校の先生方が困ってしまうのでは」と必修化に懐疑的だ。

 こうした意見について、清水氏も「必修化で一番問題になるのは担任の教師」と認める。

 「文科省は先生方に『教える』のではなく、子どもたちと一緒に楽しく英語を体験する、『学習者のモデル』になることを求めています。しかし、どうやったら子どもが食いついてくるような授業ができるか、英語が楽しくなるかならないかは、担任の指導力によって大きく分かれる。研修はありますが、ほとんどの先生が学んでいる最中です。塾の先生からすれば、担任の先生は英語を教えるプロではないので、期待感が持てないのかもしれません」

 その一方で、「違う言語に触れることで、日本語へも改めて意識が向くようになります。何より、必修化にしなければ始まらない部分があるので、賛否両論あるにせよ、必修化の意味は大きいといえます」と評価する。

塾業界は賛否両論でも
保護者は塾に期待

 期待もあるが、不安も大きいといった指導者の立場を反映しているのが、「外国語必修化に伴い、検討していること」への回答。「特にない」43.5%が、「生徒募集」21.9%を大きく上回った。必修化を即、勝機と捉えるより、実際に始まってから対策を考える、という"様子見"の指導者が多いようだ。

 諌山先生は、「幼児から一貫して指導しているので、途中から引き受けることはしません」ときっぱり。ただし、弊誌アンケートでは「塾生募集への影響」について、「ある」「少しある」との回答数が「あまりない」「ない」を大きく上回り、塾によっては、かなり積極的な募集を行っていると推測される。

 清水氏は「必修化が始まれば、何らかの結果が出てくる。その段階で、塾の先生方の考えも決まってくるでしょう」と話す。

 それでは、実際に保護者は、子どもたちにどこで英語を学んでほしいと思っているのか。「保護者アンケート」の回答(図7参照)を見ると、「塾で」は20.4%。児童英検を受ける子どもが、ほとんど小学生であることを考えると、この数字は決して小さな数字とはいえない。

 また、「子どもに英語を学ばせている理由」(図8参照)を見ると、「将来英語ができたほうがいいから」が77.8%でダントツ。清水氏は「自分たち世代と違って、我が子には英語がしゃべれるようになってほしい、という保護者の期待が非常に高い。しかし、『外国語活動』は週に一コマで、あくまでも英語に親しんでもらうことが目的。保護者の過度な期待は子どもたちのプレッシャーになりかねません」と危惧を示しつつ、「英語を社内公用語にする会社が出てくるなど、社会の変化を見て、保護者は英語の必要性を痛感しています。必修化になっても期待していた結果が出ないとなったら、やはり、専門家が教えてくれる塾に通わせたい、と考える保護者も出てくるでしょう」と述べる。
これらのアンケート結果から、塾業界では賛否両論あるものの、英語必修化が浸透するにつれ、しっかりした指導法やカリキュラムを持つ塾で学ばせたい、と考える保護者が増えることは十分に期待できるといえよう。

英語好きの子どもたちが
塾でスキルアップ

 来年度からは、中学校で新指導要領が実施され、英語の授業が週3時間から週4時間に増える。そして、平成21年度の「移行措置」で外国語活動を体験した小学6年生が、高校1年生になる平成25年度からは、高校で英語で行われる授業がスタートする。必修化を皮切りに、日本の英語教育が大きく変わろうとしている。

 清水氏は、「将来的には小学校で英語を学ぶ学年はさらに低くなり、正式科目として教科書や指導法が確立するでしょう」と予測し、「小学校から大学までという英語教育の大きな流れが確立されてほしい」と期待を込める。

 そして、塾の役割について、「必修化には英語嫌いになるのを防ぐ、という趣旨があるが、中学校に上がったときに英語嫌いにならないためには、小学校と中学校の連携が非常に大事です。英語好きのまま中学校へ上がれば、さらに自発的に英検を取ったり、塾に通うなどして、スキルアップした英語を受験のための武器にできる。必修化によって、英語好きの子どもが増えれば、そうした機運も生まれるのではないでしょうか」と語ってくれた。

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