ホーム サイトマップ  
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール どう思う?ランキング 掲示板 おすすめリンク 購読案内 会社案内
特集・スペシャル
   
2011/1 塾ジャーナルより一部抜粋

学校設置会社連盟 設立5周年記念シンポジウム
学習者20,000人になった今、
「特区学校は学びニーズの多様化に寄与し、社会に有用であるか」

  開催日 2010年11月16日(火)/ 於 衆議院第二議員会館(東京都千代田区)  
     
 学校設置会社連盟(日野公三理事長)の設立から5年。民間企業ならではの自由でユニークな教育方針を掲げる株式会社立学校が全国の特区で花開き、その数は現在28校、在籍する学習者は20,000人に達しようとしている。今後、ますます学習ニーズの多様化、社会的課題支援のニーズの拡大が進む中、特区学校19校が参加する学校設置会社連盟は、これらのニーズにどのように対応していくべきなのか。節目の年に関係者約80人が参加した連盟初のシンポジウムが開かれ、全国から参集した報告者の事例を基に、特区学校が果たしてきた役割や成果を振り返り、課題を検討した。

第1部 実践報告 不登校を乗り越えて

日々輝学園高等学校(栃木県塩谷郡) 理事長 小椋 龍郎氏

 本校の生徒にアンケートを実施したところ、いくつかの課題が浮き彫りになった。不登校の期間は1、2年以上が56%、5年以上が77%。一度不登校になると、長期間困難な状況に置かれる。未学習部分を残していることが、後々まで響いてくる。また、集団を苦手とする傾向が増え、特に同世代とのコミュニケーションが苦手な子どもが増えていると感じる。

 これらの課題解決に向けて言えることは、時間が解決する問題ではないということだ。家庭でどう受け止められ、どう過ごしているかが、その後につながる。卒業率は、公立の通信制高校では自己管理というスタンスのため、50〜60%に過ぎないが、株式会社立の通信制高校ではかなり高い。本校は全日制同様のカリキュラムで、卒業率はほぼ100%。学習面を保証し、心理面の変容を図るとなると、さまざまな角度からの指導支援が必要だ。

第2部 パネルディスカッションT
廃校のある地域の活性化と生徒の変容

【パネリスト】

北海道芸術高等学校(北海道上川郡清水町)
事務局長 鈴木 康弘氏

 スクーリング中に町民と運動会を開いたり、酪農・農業体験をさせてもらっている。老人ホームでは、生徒が自分たちが学んでいるネイルアートやエステをしたり、似顔絵を描いてあげたところ、お年寄りに大変喜ばれた。5年に一度、第九合唱を行う清水町は「第九の町」と呼ばれ、町民の文化芸術への意識が高い。今年は本校の生徒が依頼されて、第九合唱のポスターをデザインした。また、新ご当地グルメののぼりやテーマソングも作った。町民を講師に招き、授業をしてもらうこともある。
「表情まで学力」が理念だが、豊かな表情を持って卒業し、生きる力を身に付けて、先に進んでいってほしい。

ウイッツ青山学園高等学校(三重県伊賀市)
校長 畑 康裕氏

 明治8年に創立した学校の二代目の校舎を使わせてもらっているが、地域の人たちは「自分たちの学校」という意識が強い。生徒が運動会や祭りなど、地域のイベントに積極的に参加したり、情報公開をするなどの地道な活動で地域から見直され、卒業式では「我々の子どもたちだ」と言ってもらえるようになった。また、特区として、きちんと地元に還元する仕組みを作ることが大切だ。本校では食堂で地元の主婦に働いてもらい、グラウンドや学校施設周辺の管理を地域の方に有償でお願いしている。
今後も自分で人生の選択と決断ができる「意育」を掲げ、理念で教育の競争をしたい。

ECC学園高等学校(滋賀県高島市)
副校長 梶野 茂氏

 自分で考え、行動する「考動」を育成する。生徒は地域の交流館で高齢者から昔話を聞いたり、ワラ細工、案山子作り、高島市の地場産業である扇子作りなどの日本文化を学んでいる。地域の収穫祭にはボランティアとして参加。軽音楽部は地元の文化祭にも出演している。教育活動と地域が連動した形だ。また、※椋川は中江藤樹の生誕地でもあり、人間教育の一環として道徳を学ぶ機会も設けている。スクーリングで宿泊施設を利用したり、民間会社に通学バスを出してもらうなど、経済活性化にも貢献している。

※近江国(滋賀県)出身の江戸時代初期の陽明学者。

相生学院高等学校(兵庫県相生市)
理事長 森 和明氏

 精神的には応援してもらっているが、地元からの経済的支援は一切ない。住民も通信制高校への抵抗を感じている様子があり、一般高校と同様に見てもらえないのがつらい。
学校としては現在、テニス部の活動に力を入れていて、国別対抗「ジュニアデビスカップ」では、開校3年目にもかかわらず、本校の生徒が主力となって、世界一を獲得した。その選手は特進生。本校は通信制と特進制があり、特進制は全日制と同じ形態で学習している。文武両道で進学でもスポーツでも日本一の学校にし、通信制の学校だからこそ、それがなし得ることを実証したい。

【ビデオ報告】

さくら国際高等学校(長野県上田市)
学園長 荒井 裕司氏

 地域の人が守り続けてきた、百数十年たった校舎を使用。地元から大歓迎された。入学式・卒業式では、地域の人たちが大勢、来賓として出席し、生徒は保育園の園児たちのエスコートで入場する。地域に弟妹兄姉を作れるよう、地元の保育園、幼稚園、大学と提携しており、保育園の運動会や焼き芋大会にも参加。年下の子どもから尊敬されることが、大きな効果を生んでいる。また、地域の祭りは生徒がいないと神輿が担げないという状況。敬老会にも毎年参加し、生徒とお年寄りが一緒に歌ったり踊ったりする。
「学校の中に地域を作る」ことが目標で、こうした交流が地域との信頼関係を生み、京大、東大、医学部へ進む生徒も出るなど、進学面でも成果が出てきた。

第3部 パネルディスカッションU
「特区学校の役割と今後の課題を考える」

さくら国際高等学校設置認可者 長野県上田市副市長 石黒 豊氏

 同校は長野県で初めての株式会社立高等学校として開校。当時は不登校が大きな課題だった。義務教育の現場でスクールカウンセラーや心の教育相談室を置いて対応していたが、義務教育後の対応が必要ということで、生徒一人ひとりのペースや状況に合わせた学校作りに協力させていただいた。不登校の児童をいかに育てるかは、地域が活性化するひとつの方法だ。大学進学率27%という数字は、かなりの成果を示しているのではないか。雇用面でも、約600人の学生を地域に抱えているということは、かなりの経済的効果があると言える。

川崎特区アットマーク明蓬館高校設置認可者 福岡県川崎町町長 手嶋 秀昭氏

 不登校児を受け入れるという、住民説明会では厳しい反対意見も出たが、開校以来、スクーリングで来た子どもたちと地域住民の交流が深まっている。また、宿泊施設として廃校を利用した交流センターを整備したが、その周辺に咲く彼岸花をきっかけに彼岸花祭を始めたところ、県外からも大勢、人が来るようになった。通信制高校ができたために、地元の人が自信を持ち、地域が元気になった。
今後は、通信制高校に進学する動機付けのひとつとして、株式会社立学校の生徒の負担を軽減できるような制度が必要だ。また、全日制の生徒が通信制学校で授業を受けられる環境が整えば、通信制学校や地域の位置付けも変わってくるのではないか。

衆議院議員 下村 博文氏

 設置主体に税金を投入するのではなく、個人つまり子どもたちに対して助成すべき。それがバウチャー制度やアメリカのチャータースクールだ。大学を含めた教育の無償化が国の豊かさにつながる。真の教育立国となるために、まずはバウチャー制度やチャータースクールなど、新しいタイプの学校を認めるべきだ。例えば、都道府県、市町村単位で1校は新しいタイプの学校を作る。または特区的なものを自動的に認める。子どもたちのために公金が投入されるのであれば、株式会社立であり続ける必要はない。国や自治体に協力支援体制を働きかけていくためのネットワークや財政支援の仕組みをどう作るかだ。

衆議院議員 福島 伸亨氏

 正直、まだ特区なのかという気持ち。株式会社立学校だとなぜ助成できないのか、まだ解決していない。一方で、特区学校は地域で根付いて、その存在が地域を元気にしている。高校サッカー選手権大会県大会準優勝のウィザス高等学校のような学校も出てきた。学校法人より公共を担う主体として育っている。学校法人の縛りがないからこそ、できることだ。助成を受けるのか、自由をとるのか、制度上の都合で選択しなくてはならないのはおかしなことだ。特区に拠らず、法律を改正することで、一般学校としてあり続けるべきだ。そのためには、みなさんに政治力をつけていただきたい。

元特区室参事官 檜木 俊秀氏

 文部行政は、もっと競争原理を導入すべきだ。例えば、アウトソーシングすることでコストダウンできる部分がある。また、金融に関する教育が日本では全くなされていないが、社会へ出て成功する上で、金融知識は絶対に必要な要素。金融教育で学校を差別化できる。せっかく株式会社立なので、社会人として受け入れられるためだけの教育ではなく、社会人として通用するための教育をしていただきたい。また、学問には「時務」の学問と人間力があるが、今の学校では前者しか教えていない。社会で戦っていける人間力の養成をしてほしい。

京都女子大学 教授 上田 学氏

 イギリスにも会社立学校はあるが、日本のそれと違う。例えば、GEMSという大手学校は、本部がドバイにあり、ヨーロッパ全域で展開する国際企業だ。教育が国際産業になってボーダレスになる時代がくるだろう。海外では教育をビジネスと捉えているが、日本社会でもこうした考え方が必要だ。連盟は株式会社が学校を作ることの正当性をもっと訴えてほしい。また、いろいろな教育産業分野に進出したらどうか。例えば、教材、人材バンクなど。教育をビジネスチャンスと捉えることが必要だ。さらに、業界として連盟が経理研究をする。全国組織として協力し、知恵を出し合うべきだ。

特集一覧

 

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.