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中学・高校受験:学びネット

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2011/1 塾ジャーナルより一部抜粋

映像授業がもたらすビジネスチャンス
生徒募集に勝因あり

     

青山ゼミナール 塾長 上野健児 氏

兵庫県伊丹市生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業後、証券会社に就職。支店に配属後、約1年間で3億円の資産を顧客から集めるが、天職でないと気付き、「学習塾青山ゼミナール」を伊丹市で開業。
2000年に趣味も兼ねて第2種通信事業者としてインターネットプロバイダ「青山インターネットサービス」を設立。同時にパソコン教室も併設し、資格試験「P検」「Microsoft Office Specialist」の試験会場に認定され、約1,000人の受験者の試験監督を務める。2004年に宇治市伊勢田町に移転し、「学習塾 青山ゼミナール」を再出発させ、現在に至る。

 2010年という年は、アップル社のiPadの発売を機に、国内で「電子教科書」の導入の是非をめぐって、各分野でさかんに議論が行われた。このことからもおわかりのように、教育界へのデジタル機器導入の必要性が、一気に高まった幕開けの年となった。

 それと同時に、塾を取り巻く環境も大きく変わろうとしている。小さな塾でも初期投資がそれほどかからない映像教材を容易に導入できる時代がやってきたのである。

 この特集を読んで、必要性を感じている経営者は、周りのどの塾よりもいち早く導入すべきだと私は思う。差別化される前に、差別化することが生き残りの条件となるからだ。

小さな塾でも大丈夫
高校部門を開設しよう

 毎年、高校合格発表の報告を保護者から受けるシーンで、「先生のおかげで無事合格できました。ところで、引き続き、高校生は教えてもらえないのですか?」という状況に遭遇したことはないだろうか。

 即答で「喜んでお受けします」と、本当は喉から手が出るほど塾生は欲しいけども、容易に受け入れられないのが現状ではないだろうか。高校部を開設するとなると、講師のレベル、カリキュラムの設定、ましてやセンター試験や国公立二次対策のレベルまで幅広い科目を用意しなければならず、そこまで対応できるはずがない。高校部門の開設は、塾の規模が小さければ小さいほど困難な状況であった。だから、「いや〜、高校生までは時間割が組めなくて…」と、他塾に生徒を奪われてしまうという状況になっていた。

 よく考えてみると、これほどビジネスチャンスを逃している場面は、そうそうにない。塾のシステムや先生が気に入ったからこそ、最後まで通塾してくれたのだ。まして、志望校合格という目標まで達成している。塾に対して何の不満もなく、おまけに高校生になってもまだ通ってくれるという。それを断るのは、経営者としてあるまじき行為ではないだろうか。小さな塾にとって新規の生徒1人を集めるコストは大きいし、今やチラシやポスティングで簡単に生徒を取り込める時代でもない。2010年は「子ども手当」という業界にとっての追い風もあったため、比較的容易に生徒が集まった塾もあっただろうが、それを当てにして、習い事をこれから始めようとする家庭は限定的で、子ども手当による恩恵も今後は望めない状況にある。

 だからこそ、新規の生徒を集める苦労より、既存の生徒をできるだけ長く在籍させる塾運営が、中小塾の生き残り戦術となってくるはずだ。

 子どもの人口は縮小していくが、その反面、大学への進学率は、今後も緩やかに拡大する傾向があるので、自塾周辺に高校部を開設しているライバル塾が少ないうちに、映像教材の導入により、自塾の卒業生を中心に高校生の囲い込みが塾経営に不可欠となってくる。

大学受験のマーケットにチャンスあり

 資料1から読み取れるように、高等学校卒業生は、平成2年から平成20年には約70万人減少している。率に直すと約38%の減少だ。だから、中学生までを対象にしている学習塾にとっては、この大幅な減少を示す数字は死活問題であった。しかし、大学・短大等への進学者は、ここ10年間を見ても55〜60万人の間で推移しており、縮小傾向を示していない。

 また、OECD教育革新センター エコノミスト・宮本晃司氏よると、2009年のOECD調査からのキーポイントで、「経済危機を背景に高等教育に対する需要が伸びていく」という見解を示している。高卒の求人倍率が最悪な状況なので、高校の先生たちもできるだけ進学するように進路指導を行っている。つまり、不況だからこそ、進学を選択せざるを得ないという状況が起こっているのである。

 確かに「大学全入時代」という時代背景もあり、大学進学が以前よりも容易になったことが、大学進学率の拡大の要因ではあるが、保護者の立場から考えてみると、せっかく大学へ進学させるのだから、少しでもレベルの高い大学へ行かせたいと思うのは当然である。

 そのためには、学校以外の受験勉強も必要と考えるが、昨今の経済状況を考えると、授業料の高い予備校へ通わすよりも、授業料が抑えられる、近所で面倒見のよい小さな塾でも良いのではないかと思う保護者も多いはずだ。だからこそ、高校生をターゲットにすることは、塾経営の不可欠な要素となってくる。

 

映像教材を利用した
自立型個別学習のすすめ

 ここ数年間で見ただけでも、塾の指導形態は集団から個別指導へ大幅に移行してきた。中小塾がターゲットとなりやすい中間学力層の子どもたちも、個別指導塾に通っている割合がかなり高いことは容易に想像できる。

 今までは「ゆとり教育」でカリキュラム的にも個別指導の短時間授業で十分事足りたかもしれないが、詰め込み教育が始まる指導要領改訂後は、よりいっそう効率的な指導方法が求められるはずだ。今の指導時間のままでいると、学校の進捗状況に合わせて、生徒各人のカリキュラムを設定する際、指導する単元を減らしたり、応用的な問題の指導を省くなど、間引き的な指導方法をとらなければ、時間が足らないのは目に見えている。また、個別指導だけでなく、集団授業も今まではインプット(講義)だけでなく、アウトプット(演習)の時間も十分に取れたかもしれないが、改訂後は、なかなかアウトプットの時間を授業中に設けるのは困難になっていくだろう。

 それだけではない。目的意識を持って塾に通うモチベーションの高い生徒やレベルの高い生徒、いわゆる指導者にとって最も教えやすい子どもたちは、ブランド力を持つ大手塾に集まりやすく、小さな塾になればなるほど、手取り足取り指導していかなければならない生徒が多いのが現状ではないだろうか。その手のかかる生徒の勉強姿勢を変えることができるのが、自ら進んで勉強する「自立型個別学習」しかないと私は考える。もちろん、指導にあたる先生にとっても、子どもが自ら勉強する姿勢が身に付いてくれれば、願ったり叶ったりである。

 それでは、なぜ映像教材が「自立型個別学習」に向いているのだろうか。それは、映像教材が、個別指導でもない、集団授業でもない、独特の学習空間を生み出しているからである。PCとヘッドホンという、外見的には講師の指導が行われていない授業スタイルではあるが、子どもたちにとっては、一人で静かに勉強できるという望ましい学習環境なのである。もし、自宅学習で同じ機器がそろっていたとしても、指導者やライバルという他人の目がなければダラけてしまうが、それが塾になると、勉強できる空間に変貌してしまう。そして、子どもたちは勉強を「やらされて」いるのではなく「やっている」という意識が生まれてくるようである。さらに、大手塾が提供してくれる映像授業は、インプット、アウトプットがうまくプログラミングされているため、一方的な暗記学習では終わらない。さらに大きなメリットは、指導者の手を煩わせることなく、何度でも繰り返し学習できるということである。また、時間がない受験生にとっては、必要な科目だけ速習できるという、デジタル機器だからこそできるメリットも十分に享受できる。

 大手塾が一般塾向けに提供している映像教材のユニットは、中学受験から大学受験まで数千という講義が用意されているので、「間に合わせ」的な教材でなく、講師の役割を十分に果たしてくれる内容となっている。学年や受講科目などは塾の運営形態に沿った設定が容易にできるので、必要とするユニットだけの導入も可能だ。

塾のコンビニ化で
中小塾のライバルは増加する!?

 映像教材やデジタル教材の普及で、これからは指導者教育に莫大な費用を掛けなくても塾経営が可能な時代に突入していく。資本力を生かし、塾のコンビニ化と授業料の低価格化を経営戦略としたフランチャイズ塾が、指導者の学歴やキャリアがなくても塾運営を展開する。人件費や店舗面積を抑えて、低価格な授業料でも、50人程度の生徒がいれば十分採算が取れる塾が続々誕生してもおかしくない時代がやってくる。このように、ここ数年でデジタル教材を生かした新規参入塾が、中小塾に大きな影響を及ぼすことも考えておかなければならないだろう。

 だからこそ、新しい武器が必要と考えている経営者は、映像教材やデジタル教材を早急に導入し、それが一般化した頃には、次の時代の新しい波に乗る必要がある。

 ここで注意しておかなければならないのは、映像教材の提供者が、多くの成功事例をセールスポイントとして売り込み攻勢をかけてきてからの導入では、もはや収益に結びつかない可能性が大きいということである。なぜなら、その頃には多くの塾で映像教材は当たり前となってしまっているからだ。

 最後になるが、最も注意しておかなければならないことは、映像教材やデジタル教材はあくまでも指導用教材であって、その武器を使って、いかに子どもたちの成績を上げられるかは、個々の指導者の手腕にかかってくる。宝の持ち腐れになって、何の戦力にもならない可能性だってあるのだ。あくまでも教材として扱い、今まで蓄積してきた塾独自の指導ノウハウとマッチさせることができれば、他塾に決して負けない塾運営が可能となって行く。

大手5社の映像教材

 中小塾でも導入が可能な映像教材は、東進ハイスクールの「東進衛星予備校」、市進の「ウイングネット」、佐鳴予備校の「@will」、代々木ゼミナールの「代ゼミサテライン」、河合塾の「河合塾マナビス」がある。

 それぞれ独自のノウハウや最新の技術を最大限に生かした教材なので、どれも完成度が高い教材である。この5社は、今後もシェア争いで切磋琢磨され、よりよいモノになっていくだろうし、教科書改訂時の対応や内容の不具合も素早く修正されるため、私はお勧めだ。

 導入の際は比較検討をしっかりすべきである。実際の運営現場を見学して、自塾の運営形態に当てはまる教材を導入することをお勧めする。

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